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【入門】n8nとは?クラウド版とセルフホストの違い・始め方をわかりやすく解説

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はじめに

日々の業務の中で、
「AIに手伝わせたいタスクがあるけど、うまく連携できない…」
「エージェントは作れたけど、実際の業務フローに組み込むのが難しい」
___そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
たとえば、

  • AIで生成したデータを自動でNotionに登録したい
  • チャットで指示 → データ処理 → レポート化まで一連で回したい
  • スプレッドシートの更新や通知など、AIの出力後の処理も自動で流したい

AIの活用が広がる一方で、「AIの出力を業務プロセスに接続する仕組み」が不足していると感じるようになりました。
そんなときに出会ったのが n8n(エヌエイトエヌ) です。
n8nは、ノーコードで自動化フローを構築できるだけでなく、API連携・コード埋め込み・AIワークフロー統合といった“柔軟な拡張”が可能なオープンソースの自動化プラットフォームです。
この記事では、「AIやAPI連携を業務の中に本格的に組み込みたい人」向けに、n8nの概要や提供形態、始め方までを分かりやすく紹介します。

n8nとは

n8n(エヌエイトエヌ)は、2019年にドイツの開発者 Jan Oberhauser 氏によって公開されたオープンソースの自動化プラットフォームです。
「公平で拡張可能なワークフローオートメーションを、すべての人に」という理念のもと、誰でも無料で高度な自動化環境を構築できることを目指して設計されました。

多くの自動化ツールがSaaS型で提供され、機能の一部しか無料で使えなかったり、拡張性に制限があるのに対し、n8nは以下の点で注目されています。

  • 完全なセルフホストが可能(=自分のサーバーに構築して自由に使える)
  • ノードベースのUIで視覚的にワークフローを作成
  • JavaScriptコードやWebhook、API連携を組み込める拡張性
  • AIやLLMとの統合を前提とした設計(OpenAI、Hugging Face等のノードも標準搭載)

GitHubで公開された当初から開発コミュニティが急速に拡大し、セルフホスト(OSS)版クラウド版という二軸の提供形態へ進化。
現在では、 個人の自動化実験から企業レベルの業務フロー構築までカバーできる「汎用オートメーション基盤」として利用が広がっています。

この後のセクションで「クラウド版とセルフホスト版の提供形態」や「具体的な始め方」についても解説していきます。

n8nの主要技術

n8nは「拡張可能な自動化プラットフォーム」として設計されており、いくつかの主要なコンポーネントで構成されています。ここでは特に理解しておきたい主要機能を解説します。

1. Workflow(ワークフロー)

  • 概要:複数の処理やタスクを順序立てて自動化する設計図。
  • 役割
    • どのタスクをいつ、どの順番で実行するかを定義
    • 条件分岐やループなどのロジックを組み込む
  • ポイント
    • GUIで視覚的に編集可能
    • JSON形式でエクスポート・インポートできる

2. Node(ノード)

  • 概要:Workflowの各ステップを構成する単位。
  • 種類
    • Trigger Node:ワークフロー開始のきっかけ(例:Webhook受信、スケジュール、アプリイベント)
    • Action Node:アクションの実行(例:メール送信、Slack通知、データベース操作)
  • ポイント
    • 公式ドキュメントに多数のプリセットNodeがあり、カスタムNodeも作成可能
    • Node単位で設定値や認証情報を管理

3. Credentials(認証情報)

  • 概要:外部サービスやAPIを利用する際の認証情報を安全に管理
  • 役割
    • ワークフロー内でNodeが外部サービスにアクセスできるようにする
  • ポイント
    • ワークフロー単位ではなくn8nアプリ全体で共有可能
    • パスワードやAPIキーなどの機密情報はGitHubに含めない

4. Connection(接続)

  • 概要:Node間のデータの流れを定義するリンク
  • 役割
    • 出力データを次のNodeに渡す
    • 条件分岐やエラー処理にも利用可能
  • ポイント
    • GUIで線を引く感覚で接続でき、視覚的にフローを把握可能
    • 複雑なワークフローでもデータの流れが追いやすい

5. Execution(実行)

  • 概要:Workflowを実際に動かすプロセス
  • 特徴
    • 手動実行 / トリガーによる自動実行が可能
    • 実行履歴は保持され、デバッグや分析に利用できる

このセクションを入れることで、読者は「n8nの自動化はNodeとWorkflowを組み合わせて、認証情報を使い、データの接続を定義して実行する」という全体像をつかむことができます。
より詳細な内容を確認したい場合は、公式ドキュメントも併せてご参照ください。

n8nの提供形態

提供形態 概要 メリット 注意点
クラウド版 n8n が提供するクラウドサービス版で、サーバー管理不要で利用可能 ・簡単にすぐ利用可能
・メンテナンス不要
・自動バックアップ・スケーリング対応
・無料枠には制限あり
・データはクラウドに保存される
・高度なカスタマイズには制限がある場合あり
セルフホスト 自分のサーバーやクラウド環境に n8n をインストールして運用するオープンソース版 ・完全無料で利用可能
・データを自分で管理できる
・カスタマイズや拡張が自由
・サーバーの構築/運用が必要
・障害対応やバックアップも自分で管理
・クラウド版の一部機能は要追加開発

クラウド版の料金については以下をご参照ください。

n8nのはじめ方

クラウド版

step1: 公式webサイトのget startedよりアカウント画面に遷移

スクリーンショット 2025-10-13 11.44.29.png

step2:アカウント情報を入力して必要項目を入力

スクリーンショット 2025-10-13 11.45.43.png

step3:その後に表示されるアンケート項目入力を行うとUIに遷移できます。

スクリーンショット 2025-10-13 12.32.11.png

※今回、私はセルフホスト版で試運転しました。
手順は、公式Webサイトや他に記事を書かれている方々の情報を参考に作成しました。
UI画像はセルフホスト版のものです。
悪しからずご了承ください🙇

セルフホスト版

設定値や外部OSS連携などは環境変数の設定によって切り出されている構成のようです。
今回は、最低限UIにたどり着くところまでを紹介させていただきます。


step1:Docker環境を準備

step2: volumeを作成。CLIで以下のコマンドを実行。

    docker volume create <volume名>

※ 今回Terminalで実行しています。

step3:以下のコマンドでDockerコンテナを作成

docker run -it --rm \
 --name n8n \
 -p 5678:5678 \
 -e GENERIC_TIMEZONE="<YOUR_TIMEZONE>" \ # スケジュール指向のノードで正しいタイムゾーンを設定するためタイムゾーン
 -e TZ="<YOUR_TIMEZONE>" \  # スクリプトやコマンドが返す時間のタイムゾーン
 -e N8N_ENFORCE_SETTINGS_FILE_PERMISSIONS=true \
 -e N8N_RUNNERS_ENABLED=true \
 -v <volume名>:/home/node/.n8n \
 docker.n8n.io/n8nio/n8n

step4:ブラウザからUIにアクセス

http://localhost:5678
スクリーンショット 2025-10-13 12.28.42.png

step5:入力項目を入力してUI画面に遷移

スクリーンショット 2025-10-13 12.32.11.png

※上記は、公式のドキュメントを参照しました。
今回の私の環境では、Safariでアクセスするためには別途opensslを使った自己証明書の作成及びhttpsでの通信になるよう設定しました。
また、オプションとしてPostreSQLやRedisと連携するための環境変数も準備されています。
環境変数の詳細はこちらをご参照ください。

その他

ここまでで、n8n の概要は説明させていただきましたが、では実際にどう使えるのかというと、Templateを活用するのが分かりやすいです。
個人的には、こちらのTemplateである程度n8nを使って実現できることを掴んだ後で、自作ワークフローを作成してみるというのが学習しやすいかなと思っています。
Templateはこちらからご確認いただけます。JSON としてエクスポートされたワークフローを、自分の環境でも実際に試すことができるため、いきなりゼロからワークフローを作るよりも理解しやすく、学習にも役立ちます。ぜひ、ご活用いただければと思います。

まとめ

この記事では、AIやAPIを業務フローに組み込みたい方向けで、n8nの概要から提供形態、始め方までを紹介しました。

ポイントを整理すると以下の通りです。

  • n8nとは
    ノーコードでワークフローを構築でき、API連携やコード埋め込み、AI統合など柔軟な拡張が可能なオープンソース自動化プラットフォーム。セルフホスト版とクラウド版があり、個人から企業まで幅広く利用可能。
  • 主要技術・機能
    Workflow・Node・Credentials・Connection・Execution の各コンポーネントで自動化フローを設計・実行できる。
  • 提供形態
    • クラウド版:サーバー管理不要、簡単に利用可能、バックアップ・スケーリング対応
    • セルフホスト版:自由度が高く完全無料、サーバー運用や追加機能は自分で管理
  • 始め方
    クラウド版は公式サイトからアカウント登録、セルフホスト版はDockerなどで簡単に環境構築可能。
  • 学習や活用のポイント
    まずは公式テンプレートを試すことで、ワークフローの構造や機能を理解しやすく、自作ワークフロー作成へのステップアップにもつながる。

以上になります。
今後もn8nを触って気付いた点や便利な使い方、実際の業務への適用例などを随時共有していく予定です。
ここまで読んでくださりありがとうございました!

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