よくある状態:技術選定も実装方針も全部自分で決めてからAIに「作業」だけさせる。あるいは逆に、全部任せて仕様まで勝手に決められて事故る。
こうする
役割分担をはっきりさせる。
- 技術の詰めはAIがやる——実装方式、ライブラリの使い方、データ構造、アルゴリズム。AIに検討させ、決めさせ、進めさせる
- 人間判断が必要なものだけ、AIに選別させて上げさせる(エスカレーション)——仕様の分岐、リスクのあるところ、重要なところ
エスカレーションのタイミングは2つあります:
- 計画段階——計画の中に「ここは人間の判断が要る」を明示させ、着手前にまとめて確認する
- 実装中——作業の途中で仕様の曖昧さやリスクに当たったら、勝手に決めずに止まって上げさせる
なぜ
技術に関しては、もうAIのほうが詳しくて実装もうまいからです。 幅広い知識では人間は敵いません。そこで人間が細かく口を出すのは、遅くなるだけでなく、たいてい品質も下がります。
一方で、AIに決めさせてはいけないものがあります:
- 仕様——何を作るべきかは、顧客と業務を知る人間にしか決められない
- リスクのあるところ——本番環境、認証・課金・データ削除など、失敗の影響が大きい変更。技術的なことでも、リスクが大きいなら人間の判断まで上げる
- 重要なところ——コスト、スケジュール、外部への影響。正解が一つでない判断
この線引きをAI任せの「空気」にせず、基準として明文化して渡しておくのがポイントです。基準があれば、AIは自分で「これは上げるべき」と選別できます。それは任せても不安が起きない仕組みそのものです。
運用のコツ
- エスカレーションは「まとめて・選択肢つきで」。都度細切れに聞かれると張り付きに逆戻りする。計画段階で判断点を前倒しに集めさせ、「選択肢+推奨+理由」の形で出させると、人間は判断だけすればよくなる
- 止まることを褒める。「聞かずに進めてくれたほうが楽」と反応すると、AIは次からリスクを自己判断するようになる。良いエスカレーションはそう伝えて強化する(育てる)
- 基準は育てる。「これは上げてほしかった」「これは自分で決めてよかった」が出るたび、基準の文書に足していく
お知らせ
この記事は、イデアライブ社内の「AI駆動開発の考え方」ドキュメント(全12本)をシリーズとして公開しているものです。

