2023年の Re:invent で登場した、 Amazon QuickSight Q を使って、JAWS UG 名古屋のアンケートを集計してみた投稿です。
大幅に遅れての投稿、すみません! AWS Community Builders Advent Calendar 2023 8日目の投稿です。
JAWS UG 名古屋では、今後のイベントの参考になる様に Doorkeeper にて事前アンケートを収集しています。
しかし、申し訳ないのですが、今まであまり活用できていませんでした。
そして、今年、晴れて AWS Community Builder に選出していただき、 AWS さんから $500 のクレジットをいただきました。せっかくなので、Amazon QuickSight Q を使ってみることにしました!
(急いで書いたので、誤字・脱字・わけわからん言葉が多いです。ひとまず公開して直していきます💦)
QuickSight Q 結論 (2023年12月時点)
めちゃくちゃ長くなってしまったので、先に結論です。
- 総論: 今後の進化に期待
- 日本語は全く使えないのでラベルを英語に直して Amazon Q さんが理解できる様にした。
- Analysis のグラフ変更をする時の Amazon Q の機能がかゆいところに手が届いて時間短縮できた
- Topics: 今後の進化に期待。
- Data Stories : 英語は使える!WordPress のブロックエディタの様な軽快な操作性でレポートを作ることができた。
日本語での解析は、2023年12月時点では、あまり使えなかったですが、多分進化するしか考えられないので、今後の進化に期待します。
Amazon QuickSight とは
まず簡単に Amazon QuickSight とはを紹介します。AWS の BI (Business Intelligence) ツールです。
AWS のいろいろなデータソースと連携してグラフ解析をすることができます。
AWS から外の SaaS サービスを使おうと思うと、ざわわざ、S3 バケットの公開など、面倒な公開設計をする必要がありますが、QuickSight だと、権限があれば、クリック数回ででデータ連携ができるツールです。
Amazon QuickSight Q とは
そんな中、今年の AWS Re:Invent 2023 でリリースされたのが AWS の生成AIサービス Q シリーズ。
QuickSight も QuickSight Q というサービスがリリースされました。
大きく3つの機能が搭載されています。
- Amazon Q: すでに作成したグラフをプロンプトで変更できる Amazon Q の機能
- Topics: データセットを解析して、プロンプトでグラフやデータをまとめてくれる Topics
- Data stories: プロンプトと利用したいビジュアルデータを選択して Amazon Q がよろしく解析レポートを作成してくれる
さて、早速、使ってみます。
JAWS UG 名古屋 2023 年の Doorkeeper 事前アンケートを使ってみた
JAWS UG Nagoya の Doorkeeper で、長年、参加者に事前アンケートを収集させてもらっています。
こちらの統計データのみを利用して解析することにしました。
データの準備: 参加者のアンケートデータを Excel でダウンロード&加工
まず、過去2023年の参加者データを Doorkeeper からダウンロードします。
- Excel でダウンロードされますので、CSV に変換します。(CSV でのダウンロード機能が欲しい・・・)
- AWS にアップロードする前に個人情報を削除します。以下の項目を削除しました。
- 名前
- メールアドレス
- チケット番号
- 「申込月」のカラムを追加して、イベントが開催された日付を YYYY/MM/DD 形式で入力します。
- QuickSight に一斉に入った時に各月のデータとして絞り込みできる様にします。
これで、12個の CSV ファイル作成を終えることができました。
AWS アカウント側の準備・データの準備
それでは、AWS アカウントで、QuickSight の設定を行います。
AWS アカウントを設定
AWS Organization で、QuickSight 用の新しいアカウントを発行します。
QuickSight 専用アカウントに SwitchRole して作業開始です。
詳しくは後述しますが、何かあったとしても、アカウント削除でキャンセルできる様にするためです (苦笑)
S3 バケットを作成 & CSV ファイルをアップロード
作成した CSV ファイルを S3 にアップロードします。
S3 バケットを作成し、単純にファイルを上げました。
S3 マニフェストファイルを作成
そうして S3 バケットの中のどのデータを QuickSight に読み込んで欲しいかを指定するためのマニフェスト JSON ファイルを作成します。
マニフェストファイルの公式ドキュメントはこちら
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/quicksight/latest/user/supported-manifest-file-format.html
僕の場合は特定の S3 バケット jawsug-ngo-202312-quicksightdemo
の monthly-csv
ディレクトリ (prefix) 以下すべての CSV ファイルを取り込んで欲しかったので、以下の様に設定しました。
{
"fileLocations": [
{
"URIPrefixes": [
"s3://[S3バケット名]/[フォルダ名 (あれば)]/"
]
}
],
"globalUploadSettings": {
"format": "CSV",
"delimiter": ","
}
}
これで、データの準備は完了です。
QuickSight サインアップ
それでは、いよいよ Amazon QuickSight のセットアップです。
QuickSight は一般ユーザー向けのツールでもあるので、AWS マネージメントコンソールとは独立してたりします。
アカウント作成画面が現れます。サインアップを進めていきます。
次に、普通のプランか Amazon Q 付きのプランにするか選びます。
ここで注目!
Amazon Q 付きの QuickSight の値段です!
普通のプランは、月額$24で、Q 付きのプランが月額 $34 と、$10 増えただけの様に見えるかもしれません・・・。
実はそうではないです。
なんと、1リージョンあたり月額 $250 かかるとのことです!
1ユーザーだったとしても、最低月額 $278 スタート です!
しかし、大丈夫です。
今年、AWS Community Builder に選出させていただきました。
そして、特典として $500 のクレジットをいただきました!
同じ AWS Community Builder の篠田さんが、Community BuldersでもらったAWSクレジットの有効的な使い方で書かれていますが、Amazon QuickSight もAWSクレジットの対象サービスでした。
妻に怒られない様に、月末までには解約するようにして、進めます。
次に Paginated Report Add-on を利用するか聞かれます。
スケジュールされた日に PDF でよろしくレポートを配信してくれるサービスですが、月に $500 追加なので利用せずにすすめます。
次に QuickSight のアカウントを作成します。AWS アカウントの管理者であれば、マネージメントコンソールからログインできますが、ここでは、専用のログインページからログインするためのユーザーの作成です。
このあと、追加ユーザーを設定できたりします。(追加料金)
次にどの AWS サービスからの連携を許可するかの設定をします。
僕は S3 を使うので、S3 を選択し、さきほど作成したバケットを選び許可を追加しました。
そうして QuickSight のアカウント作成処理が始まります。
無事にアカウントが作成できました。
Welcome 画面が現れました。
(AWS Organization で新しいアカウントを作成したのも、今回のレビューが終わったらアカウントごと削除してしまえばOKになります。)
Dataset の追加
次に読み込むための Dataset を設定します。
管理画面でいろんなサービスを選ぶことができることがわかります。
S3 から追加
しかし、僕は、S3 を選びます。
データセットの名前をつけて、manifest file を S3 バケットで指定するか、アップロードします。
manifest file は、前述を参照ください。
データが QuickSight の SPICE と呼ばれるデータベースに読み込まれます。
おまけ: 1ファイルだけだったら、EXCEL ファイルもサポート
こぼれ話ですが、ファイル1個だけだったら、直接 EXCEL ファイルのアップロードも対応していました。
データのラベルを英語にする
普通に今までの QuickSight を使う上であれば、このまますすめてもいいのですが、今回は Amazon Q を利用します。
残念ながら、Amazon Q は英語しか対応していないです。
日本語のまま進めてしまうと、2023年12月時点では上手くいかなかったので、最低限、データの項目名だけでも英語に修正しました。
項目名 (name) と説明 (description) で、Amazon Q がどういうデータを格納しているのかわかる様に英語で書いてあげる必要がありました。
項目名の変更が終わったら、最後に右上の SAVE ボタンを押すことを忘れずに!
僕、右上の SAVE ボタンを押し忘れ、「なぜ、項目名が英語にならないんだ!」と、2回ほどラベルの張り替え作業を無駄にしてしまいました。3回目の正直で、やっと、右上の SAVE ボタンに気づき、項目名と説明を書き換えることができました😅
これで、準備完了です!
ここまでの試行錯誤ですが、4〜6時間ぐらいかかってます。
Topics を試すけれど・・・
Q トピックスは、用意したデータセットの内容を Amazon Q が解析し、いい感じに解析のための質問を用意してくれる便利になりそうなサービスです。
色々試しましたが、2023年12月時点と、僕が用意したデータセットではまだまだでしたが、将来をすごく期待できるような結果でした。
まず、データ項目名が日本語だと、日本語を認識してくれず、変な質問が生成されました。
項目名と説明を英語に直したら、質問を出してくれる様になりましたが、
データの項目が足らなかったのか、僕の項目のラベリングが上手くなかったのか、十分納得できる質問を生成してくれるまではいきませんでした。
残念な結果ですが、ここの機能はより良くなるだけだと思うので、来年に期待です。
ここの機能が十分に使えるレベル、もしくは十分使えるまでのデータセットを準備できるのであれば、一番目玉の機能の一つになると思います。
少し脱線しますが、統計方法を考えるって面倒ですよね。僕は、座って考えるのが苦手で、一旦寝て、朝のジョギングの時や、ジョギング後のシャワーを浴びてる時にアイデアが浮かんでくることが多いです。でも、それだったら、1日1回ぐらいしかパターンを考えることができません。非効率です(?)
そこを、Topics が考えるのを手助けしてくれる様になりそうなのは魅力的だと思います。
Analyses の中の Amazon Q を試す
次に Analyses の中の Amazon Q を試しました。
ここでは、手動で使いたいデータを選び、ビジュアル (グラフ) などを作成していく画面ですが、ここのビジュアルの調整する機能に Amazon Q が導入されていました。
これは結構いい感じに使えました。
ビジュアルタイプの変更
まず、Auto graph で、JAWS UG 名古屋のメンバーがアカウント保有しているかどうかのデータを入れてみます。
そうすると棒グラフになって現れてしまいます。
円グラフかドーナッツグラフにしたいので、Amazon Q に頼んでみます。グラフの右上に「Edit with Q」というアイコンが現れるので、それをクリックします。
Amazon Q のプロンプトが現れるので「Change the visual to donuts」と入力します。
ちゃんとドーナツのビジュアルに変更してくれました。
ここで「change the graph」と「graph」として入力したら、エラーで弾かれてしまいました。2023年12月時点では、きちんと QuickSight で使われている用語でプロンプトを入力しないといけないようです。
高さの変更
次にイベントのキャンセル率のグラフを作りました。
しかし、ビジュアルのうち10ヶ月分しか1画面に入らず、インライン・スクロールバーがついてしまいました。
以下の画像、よくみると、10月までの結果しか表示されません。
インライン・スクロールバー、面倒です。
なので Amazon Q に直してもらえるか試しました。
「I don't want a scroll bar」と入力しました。
ちゃんとグラフの高さを調整してスクロールバーなしで12ヶ月分が表示されるようになりました!
プロンプトで表示を調整できるの感動です!
Excel のグラフ作成で苦労していた5年前の自分に言いたいですね。「5年後は苦労しなくていいよ!」と。
数字表示を追加してもらう
次に、ビジュアルの中にあるグラフで、具体的な数を表示したいと思ったので、
いくつかプロンプトを試して、
「Please add the number to the bar」というプロンプトで・・・
見事、数字がバーの中に表示される様になりました。
以上、Amazon Q を使って、ビジュアルの表示調整をある程度行ってくれることがわかりました。
Data stories を試す
そうして、いよいよ、Amazon QuickSight Q の真骨頂、Data stories を試す時が来ました。
これは、プロンプトと利用したいビジュアルを選択すると、Amazon QuickSight Q がよろしくレポートを作成してくれるというものです。
早速、試してみます。
Story format を選びます。
そうして、次に真っ白なストーリーページと、Amazon Q のプロンプトが現れます。
プロンプトを入れて使いたいビジュアルを選ぶだけです。
入れたプロンプトはこちら
I want to create the JAWS UG event attendees analysis.
Please add the following graph and give the analysis of attendees by event date.
少し待つと、いい感じのレポートが自動で作成されました!
上記のプロンプトとビジュアルの選択だけで、こんなレポートが!(英語ですが)
グラフのタイトルは日本語のままですが、きちんと「キャンセル率」とタイトルをつけたグラフはキャンセ率のことをだと理解して、英語でレポートを書いてくれています。
Stories のレポート - "Optimizing JAWS UG Events with Data-Driven Audience Insights"
以下、レポートの全文を載せてます。来年はどういう結果になるか楽しみです。
Introduction
This presentation will analyze past attendance patterns for JAWS User Group events focused on cloud computing services. An overview will introduce the topic and outline how data on total turnout, cancellations, and experience levels can provide strategic recommendations for scheduling future gatherings and engaging lapsed participants. Insights aim to optimize opportunities for the AWS community to connect, learn, and advance their skills.
Total Attendance
According to the graph of JAWS UG event attendance, there is a clear seasonal pattern of total attendees for cloud computing services user groups. The graph shows that the highest attendance of 53 records occurred on October 25, 2023, suggesting that fall events may attract more users. Conversely, the lowest attendance of 22 records was on August 5, 2023, implying that summer months see less interest. Overall, the data provides insights into when different user audiences are more or less engaged throughout the year.
Cancellation Rates
A horizontal stacked bar graph analyzing cancellation rates by event date will provide valuable insights to correlate with total attendance trends for JAWS UG events. This type of visualization is well-suited to depict changes over time that could help accomplish the objective of this section. A manual review of the graph is recommended to uncover any additional patterns between cancellations and attendance that may inform strategic decisions. Considering the user's goal of analyzing JAWS UG event data within the domain of cloud computing services, this graph has the potential to surface actionable recommendations for optimizing future event planning and promotions.
AWS Account Adoption
A stacked bar chart showing AWS account adoption rates by month will provide useful insights into how user attendance at JAWS UG events correlates with growth in AWS accounts. This graph depicts account data in a format that allows for easy comparison across time periods, which should help analyze whether attendance patterns track closely with changes in the number of active AWS accounts. Some manual review of the monthly account figures may reveal trends in how effectively events attract new AWS users and drive further adoption among experienced users, supporting the objective of understanding how user participation relates to expanded AWS usage over time.
AWS Experience Levels
The graph analyzing AWS experience levels of JAWS UG event attendees reinforced patterns in the cloud computing services user base. As the graph showed, the top three AWS experiences reported by the total 405 records were "testing for work (hobby)", "using in production (a few instances)", and "using in production (dozens of instances or more)." This data aligns with the overall attendance trends, suggesting that as more individuals gain exposure to and experience in AWS, engagement with educational user group events in the domain increases.
Scheduling Recommendations
Scheduling Recommendations
Based on the patterns observed in JAWS UG event attendance and AWS adoption over time, planning major events when cloud interest is highest will optimize engagement. Aligning topic selection with periods that historically see increased demand, such as January, can help attract the most users. Carefully scheduling in this manner ensures customers receive maximum value from the educational offerings.
Promotion Strategies
To reinvigorate engagement with past attendees, focused communication promoting upcoming events and learning opportunities could reconnect lapsed users with exciting developments in cloud computing. Tailored messaging highlighting relevant and recently launched services may rekindle former attendees' interest, leading to reengagement with the JAWS UG community and growth of their cloud skills.
Conclusion
In summary, the analysis of JAWS UG event attendees has provided valuable insights that can help optimize future events. By understanding trends in attendance, cancellation rates, and audience needs, event organizers can tailor scheduling and promotions to maximize engagement within the cloud computing community.
おまけ: Data stories のページ編集機能 WordPress のブロックエディタみたいな操作性で優秀だった
おまけです。
Data stories では、自動生成されたレポートを編集する機能がついていたんですが、その編集機能が結構優秀でした。
なので、普通にレポート作成する時に使えなーと思いました。
ブロックを追加し、場合によってレイアウトの設定をします。
そして、見出し、文章、ビジュアルを追加してレポートを作成し、メンバーで共有するという形になります。
JAWS UG 名古屋の運営のために、ちょっと自分なりにレポートとしてまとめてみました。
JAWS UG 名古屋 2023 年事前アンケートから見る参加者の分析レポート
反省
ちゃんと解析できるデータで取得したい
これは永遠の課題なのですが、「好きな AWS サービス」の事前アンケートを、自由入力形式で集めています。
これを、チェックボックスにしたらアンケートが果てしなく長くなってしまうので、自由形式でいいかって思って設置しました。
しかし、このために、今回、QuickSight で上手く集計できませんでした😅
苦肉の策として Word Cloud でビジュアライズしてみました
他にも自由テキスト形式で入力を促したアンケートもあります。
しかし、反面、これは、生成AIがどんどん進化して、解答のグルーピングをしてよろしくまとめてくれるんではないかなとも期待しています。
事後アンケートをちゃんと取らないといけないなーと思った。
JAWS UG 名古屋の創設者である川路さんから「事後アンケートもとらないとね」と言われました。
そういえば、事前アンケートはとってるけれど、事後アンケートはとってない!
ということで、来年は事後アンケートを取らないといけないかもしれないと思いました。
まとめ
来年も、AWS Community Builder と、JAWS UG 名古屋 をよろしくお願いいたします。
2024年1月は、1/23 (火) 夜、Amazon ECS ハンズオン です