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x^4-4x^2+2=0\tag{1}

の4つの解を α, β, γ, σ とすると、
α = $\sqrt{2+\sqrt{2}}$
β = -$\sqrt{2+\sqrt{2}}$ = -α

のように、βはαだけで表せる。同様に、γとσも、
γ = $\sqrt{2-\sqrt{2}}$ = $(α^2 - 2)$ / α (αγ=$\sqrt{2}$ を使う)
σ = -$\sqrt{2-\sqrt{2}}$ = -γ = $-(α^2 - 2)$ / α
αだけで表せる。ガロア理論の頂を踏む(ベレ出版 石井俊全著)の第5章 体と自己同型写像 333ページを参照してほしい。

 この(1)式が因数分解できるかは、Eisensteinの判定法から分かる。つまり1次、2次、3次の項が2で割り切れて(係数が素数であること)、4次の項が2で割り切れないから、Eisensteinの判定法より、因数分解ができないことが分かる。つまり、定理1 有理数係数多項式の既約性(注1)より、Z上(整数係数)の既約多項式であり、Q上(有理係数)でも既約多項式である。代数方程式の根(解)の入替(置換)ができるので、ガロア群の候補となる。

 よって、定理2 最小多項式と既約多項式(注2) と定理3 単拡大体Q(α)の元の表現の一意性(注3) より、Q(α,β,γ,σ)= Q(α)の元は、

aα^4+bα^2+cα+d=0

の形にただ一通りに表される。このことから、ρをQ(α)に作用する同型写像とする。定理4 同型写像は解を共役な解に移す(注4)より、同型写像は方程式の解を共役な解に移す。γはQ(α)の元だから、定理5 同型写像が自己同型写像になる条件(注5) よりρはQ(α)の自己同型写像になっている。計算してみると、自己同型写像σは、解を
  α → β → γ → σ → α →(巡回する)
これから、

  ρ^2(α) = β,  ρ^3(α) = σ,  ρ^4(α) = α

となり、

  σ^4 = e

である。

よって、式(1)は、自己同型写像の集合となる。ちなみに体(たい、field)とは、四則演算(加法・減法・乗法・除法)が自由にできる数の集合のことで、有理数全体や実数全体を表す。
 では、式(1)が体拡大かを探ってみよう。まず、式(1)と式(2)を比べてみる。

x^4-4x^2+2=0\tag{1}
x^3-3x^2+1=0\tag{2}

式(1)と式(2)は、共に既約多項式であり、検証してみると、式(1)と式(2)とも、最小分解体となる。(注5)
さらに式(1)が式(2)と決定的に異なるのは、式(1)は実数解$(\sqrt{2})$を持ち解は全て実数だが、式(2)は虚数解(ωを含む)も持つ。難しく言うと、式(1)はQ(α)よりも小さいQ($(\sqrt{2})$)というQの各大体を持つ点が、式(2)と異なる。ガロア理論の頂を踏む(ベレ出版 石井俊全著)の第5章 体と自己同型写像 324ページに式(2)のことが記載されている。

 詳細は割愛するが、ガロア理論の頂を踏む(ベレ出版 石井俊全著)336~337ページを読み証明しながら体の包含関係を調べると、
  Q ⊂ Q($(\sqrt{2})$)⊂ Q(α)
となる。このQ($(\sqrt{2})$)のようにQとQ(α)の中間にある体を中間体と呼ぶ。ガロア群の「部分群」と、体の拡大における「中間体」が1対1に対応する(ガロア対応)ことが、ガロアの基本定理である。

以上、既約多項式(注6)を調べて、ガロア群を探ってみた。そして解の集合により、中間体があり、これがあることがガロア群となる条件になることを体感できた。
ちなみに、式(1)は、

Gal(Q(α)/Q) = {$e, σ, σ^2, σ^3$}
となり、位数4の巡回群と同型になる。群の定理は、参考書などで各自調べて欲しい。

ちなみにこの分野は、線形代数とも関連がある。基底に含まれるベクトルの個数を次元と呼ぶが、この基底の数が同じことが同型になる条件の一つとなる。二つの空間の基底間に一対一対応の全単射を定義し、それを線形に拡張することで、同型写像をつくることができる。(注7)

(参考文献)
「ガロア理論の頂を踏む」 石井俊全 著 ベレ出版 324~337ページ

注1 定理1 整数係数の多項式

f(x) = a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+・・・ +a_1x+a_0

において、次の条件を満たす素数pが存在すれば、f(x)は整数係数の範囲で既約多項式である。

(ⅰ)a_i はpで割り切れるが、p^2で割り切れない。
(ⅱ)a_i (i = 1,・・・,n-1)は、p^2で割り切れる
(ⅲ)a_nはpで割り切れない。

注2 定理2 最小多項式と既約多項式
f(x)=0がαを解として持つとき、f(x)がQ上の既約多項式である。
⇔f(x)がα上の最小多項式である。

注3 定理3 単拡大体Q(α)の元の表現の一意性
αのQ上の最小多項式がn次式f(x)であるとする。Q(α)は体となり、元の表し方は1通りである。
注4 定理4 同型写像は解を共役な解へ移す 同型写像は解を体KからK'への同型写像とし、αをKの元とする。Q上の方程式f(x)=0の解の一つをαとすると、ρ(α)もf(x)=0の解である。

注5 定理5 同型写像が自己同型写像になる条件
Q(α)に作用する同型写像について、ρ(α)がQ(α)に含まれるとき、ρはQ(α)の自己同型写像になる。
注6 既約多項式が最小分解体とは限らない。
  既約多項式は、それ以上因数分解できない多項式である。
 これが最小分解体になるには、同型を除いて一意に定まるなどの条件が必要になる。

注7 基底の数が同じでも、基礎となる体(実数体Rや複素数体Cなど)が異なると、同型にならないことがある。

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