はじめに
普段はIBM Cloudに関する記事や、アプリのコードを簡単に紹介する記事が多いのですが、今日は少しExcelを便利に活用して、誰かの仕事がより良いものになればとExcelの活用記事を紹介します。
どんなシチュエーション
例えば、同僚や先輩、上司から「この見積金額調べといて!」と依頼を受けたとします。
例えば、IBM Cloudのカタログから見積をちまちま実行して、Excelに転記します。
これは実際にClassic InfrastructureのTOK02環境で見積した金額になりますが、執筆時点の情報であったり、ネットワークスピードやアドオンの有無など値段の変動要素の記載が十分ではないので、仮の数字としてご理解ください。
「できたで!」
さて、この内容で依頼主に結果を返しても良いのか?ということです。
依頼人との関係にもよりますが
基本的に誰かに依頼して出てきた資料は、レビューする、されるのが世の常です。
さて、この金額一覧が正しいか判断するためには、依頼人も同じようにIBM Cloudのカタログでポチポチ入力して、差異が無いか確認する必要があります。
仕事を請け負った人に絶対的な信頼があり、このまま使っても大丈夫、と思える間柄であれば最初の一覧だけで仕事は完了するかもしれませんが、そうでなければチェックは必要ですよね。
そうすると結局同じ作業をする形になり全体的に効率が良いものではありません。
こうならないためにも仕事を請け負った側は、依頼主がレビューしやすい資料を作っておくと、円滑に事が運びやすいです。
レビューしやすいために何をすれば良いか?
簡単な方法の1つとして、一覧のあるExcelにシートを追加して、見積を実施したエビデンスを貼ってみましょう。
これだと見積の際に取得したカタログの画面キャプチャがあるので、その記載項目が元の要求内容と一致しているか確認して、問題なければ記載の金額が正しそうと判断できます。
あと、これがあると、仕事を請け負った人も再確認しやすいですね。
一覧の量が少なければこれでも良いかもしれませんが、一覧が数十個となってくると、Excelのシートを行ったり来たりして、この番号のエビデンスはどこ?って探す羽目になるかもしれません。なので、もうちょっと工夫してみましょう。
HYPERLINK関数を使ったリンクの生成
先ほどの一覧で見積金額を出した横に関数を追加します。I4セル
には実際下記の関数が入っています。I5セルからI9セルまではI4セルの関数をコピーしたものが入っています。
=HYPERLINK("#エビデンス!A"&MATCH($B4,エビデンス!A:A,0),"Link")
これは以下の流れでHYPERLINK関数を作成しています。
- B4セルと完全一致するセルを「エビデンス」シートのA:A列から探索して、一致する行数を探索
- 探索した行数と
エビデンス!A
というシート名と列を指定する文字列を文字列結合させます - また、HYPERLINK関数を入力するシートと異なるシートのリンクを生成する場合、先ほど作成したシート名とセル名を結合した文字列の先頭に
#
の文字列が必要になります - 最後にリンクとなる文字列
Link
を指定します
これで、セルに表示されるLink
の文字をクリックすると、「エビデンス」シートの番号が一致するセルに自動でジャンプします。便利!
最後の一工夫
先ほど作ったリンクでエビデンスを確認した後、元に戻るのに見積一覧のシートをクリックして、、、となると面倒です。戻るためのリンクをエビデンスシート側にも追加しましょう。
先ほどと似たようなHYPERLINK関数をエビデンスシートの数字の下のセルに入れています。
=HYPERLINK("#見積一覧!I"&MATCH(A1,見積一覧!B:B,0),"戻る")
これも先ほどと同じように、HYPERLINK関数を入力したセルの1つ上にあるセルの数字を、見積一覧のB:B列から探索して、一致した行数のI列(Linkの列)にジャンプするためのリンクを生成しています。
こうすれば、「見積一覧」のシートと、「エビデンス」のシートを行ったり来たりがリンクをクリックするだけで実現できるので、レビューや自身でチェックする時も確認がしやすいです。
さいごに
組織の中で仕事をしていると、基本的に作った資料等は誰かの目でチェックされます。
その時にレビューする側が、レビューしやすいように作成しておくと、「ぉ、こいつ気が利くな」となり、資料作成における評価も得やすいです。
今回紹介したものは、Excelの資料を作成する際に、参照すべき情報にリンクを張る、というものを HYPERLINK関数
を用いて簡単に実現するものです。
記事で紹介したシチュエーション以外でも使える関数なので便利ですよ。いろんな資料とかのリンク一覧を作るとか。ぜひ、ご活用ください。