はじめに
初めまして。
現在はServiceNow関連の仕事をしています、新卒一年目の片桐徹人です。
10月22日と10月23日に東京ビックサイトで開催された ServiceNow World Forum Tokyo 2025 に参加してきました。全企業ブースを回ることができたので、その内容のまとめと所感を共有します。
本記事で取り上げているブースやプロダクトに対する記述は、あくまで私個人の見解です。参考までにお願いします。
また、会場で見聞きした情報をもとに執筆していますが、一部誤認や誤りがあるかもしれません。もし訂正や補足があれば、ぜひ遠慮なくお知らせください。
以上を踏まええたうえで読んでいただけると嬉しいです。
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| 会場で配布されたビンゴカード。惜しい。 |
そもそもServiceNow World Forum Tokyo 2025とは
年に一回、ServiceNowの最新トレンドをパートナー企業と共に発信する、ServiceNow Japan合同会社主催の国内最大級イベントです。
来場者数は2日間で11000人を超え、和楽器バンドの演奏やアーティスト・絢香によるスペシャルライブがあったりと、大盛況となったイベントです。
そして今年のテーマはーー
AIエージェントを、働くあなたのパートナーに。
このテーマのもとAI Agentに関する新機能の紹介や、AIが今後どのように業務やビジネスに組み込まれ、人と協働していくかを題材にした講演やセッションが数多く行われました。
また、30社近い企業がブースを出展し、プロダクトの紹介やセミナーを実施していました。さらに、ServiceNow AI Platformを活用したプロダクトの成果を競いあうServiceNow Hackathonの決勝戦も行われていました。
𝕏公式ハッシュタグ:#WorldForumTokyo
こちらのハッシュタグで当日の様子を見ることができます。
全体所感として、昨年度と比べてAI関連機能が強化されているのはもちろんのこと、日本語対応が随分と進んだ印象です。またAI機能の方向性も、情報を提供する型から条件に応じてタスクを遂行する型へどんどんシフトしている印象を受けました。今後は文脈や状況をより動的にくみ取って、全自動的にタスクを遂行する型のサービスが入り込んでくるんじゃないかと思います。
各企業ブースのまとめ及び個人所感
今回のイベントでは、合計27つもの企業ブースが設置されていました。ほとんどの企業がServiceNowのOOTB 1 の規則に沿って、製品パッケージの導入計画から運用までを支援するサービスを紹介していましたが、その中でも目を引いたプロダクトやサービスを紹介します。
UI拡張・UIデザインサービス
テックタッチは、ユーザのUX向上を目的としたUI拡張サービスを紹介していました。これはServiceNowのUIがわかりにくいと感じるクライアントに対して、ツールチップやガイド機能、さらにはRPA機能をクライアント側で開発できるようになるというものです。
実際、ServiceNowはコンポーネントが多かったり、海外製品特有のUIが日本人には馴染みにくいという意見をよく耳にします。私はUIデザインがUXに大きく影響すると思っているので、このプロダクトは他社にない大きな価値を持っていると感じました。
また、NTT DATAが紹介していたServiceNowポータルのUIデザイン構築サービスも面白かったです。カスタマイズが推奨されていないServiceNowですが、デザインチームと協働しながらベストプラクティスに沿った形でUI構築を行うNTT DATAには、ある種のロマンを感じます。
下記のサイトは、実際にServiceNow上で構築されたポータルサイトとのことです。やっぱりUIは大事ですね。
UI設計に関連して、ServiceNowの開発支援生成AIパッケージNow Assist for Creatorにも注目です。自然言語でアプリアーキテクチャやコンポーネント(カタログアイテムやフロー、プレイブックなど)、3rd Party連携のためのスポーク、さらにはUI設計まで行えるプロダクトです。
現時点でのUI設計に関して、社員の方によるとフロントエンド設計とプロンプトエンジニアリングの能力が多少求められるとのことでした。しかし、この先自然言語だけで高品質なUIが構築できてしまうようなプロダクトの登場も期待でき、とても楽しみな領域だと感じます。
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| Now Assist for Creator機能一覧 |
AI機能拡張サービス
アオラナウは、テストシナリオ(ATF)の自動作成・実行・デバック支援に加え、テストマニュアルの自動作成といった機能を提供する、生成AIを組み込んだServiceNow機能拡張プロダクトを紹介していました。
Salesforceなどにも転用でき、実行がインスタンスとは非同期で行われるため、インスタントへのパフォーマンスにも影響がないとのことです。
後から知ったのですが、先述のNow Assist for Creatorにもテスト作成機能が搭載されているとのことで、両者の差が気になるところです。また、現時点ではどちらのサービスにもExcelなどの外部データをインポートしてテストを自動作成する機能はまだないとのことでした。今後、「テスト項目一覧.xlsx」といった外部データからすべてのテストを自動作成できるような機能の登場にも期待しています。
拡張機能や新機能開発をどんどんと推し進める姿勢がアオラナウの強さを象徴していると感じますね。
セキュリティ系サービス
IRM(Integrated Risk Management)の導入支援を行う企業は少なくなかったですが、なかでもSBテクノロジーと伊藤忠テクノソリューションズの2社は、セキュリティの重要性を強く説明していました。
両者ともにCMDB基盤を活用したSecOpsサービスを推進しています。
SBテクノロジーは、ASMサービスや脆弱性スキャナーを用いたCIの脆弱性検知とその対応の優先順位付けや自動アサイン機能を実現するサービスを紹介していました。
一方で伊藤忠テクノソリューションズは、ID管理(IAM,IDaaS)、端末制御・管理(EDR,CyberHygiene)、ログ収集・分析(UEBA, SIEM)といった既存サービスを、ServiceNow上のワークフローやAIオーケストレーションと連携させるサービスを紹介していました。
昨今では、AIの発展によって日本語の壁(日本語が持つ言語的特性により、海外からのサイバー攻撃を受けにくい状態)が崩れつつあります。というか崩れています。さらには、サイバー攻撃の民主化により海外からの攻撃件数も増えています。実際、最近ではアサヒビールやアスクルへのランサムウェア攻撃が大きなニュースとなっています。
このような背景から、今後はこれまで以上に多額の投資を行ってセキュリティ対策を強化する企業が増えるでしょうし、それに伴いServiceNowを活用したSecOpsサービスの需要もより一層上がると感じます。
AIガバナンス・コンプライアンス
KPMGジャパンは AIコントロールタワーを活用したアドバイザリーサービス を紹介していました。AIコントロールタワーとは、AI機能におけるガバナンス管理やAIパフォーマンスの可視化を実現するServiceNowの新機能です。
AI導入サービスを展開する企業もそれを導入する企業も多いですが、導入後にその効果を最大化できていないケースは少なくない状態です。故に、導入後の最適化が大事だということ再認識しました。
AIとどう生きるか
少し余談ですが、アクセンチュアの樋口恭介さんによる生成AIをテーマにしたセミナーがとてもおもしろかったです。生成AIは人が持つ素質を引き出す大きな武器であり、従来の分業の形態から脱却し、役職や職種の枠を超えて活用していくべきだという話に大きく共感しました。
確かに現代の働き方は、「営業なら営業業務」「SEならSE業務」といった職種ごとの固定概念が根強いと感じます。流行りの新卒の部署確約採用も、そういった分業意識を強める一因でしょう。しかし、生成AIの流布がそうした枠組みを壊し、誰もがより自由で柔軟に働けるようになる時代をもたらすのかもしれません。
もう一つ、セミナー後の対話の中で面白いと感じた話があります。それは創作活動というのは、プロダクト開発の流れを一貫して経験できるいい機会であるという考えです。
私自身も創作活動を行いますが、確かに 「コンセプトを立て、受け取り手に何を伝えるかを考え、作品の設計を行い、制作し、ディテールにこだわり、それを公開する」 という一連のプロセスは、ITのプロダクト開発にとても近しいと気付かされました。
私含め、多くの若手エンジニアは、プロジェクト全体のごく一部しか担当できないことが多く、全体像を俯瞰する力を養う機会が限られています。創作活動を通じて鷹の目を持つことは、エンジニアとしての成長にもつながるでしょう。ぜひ皆さんも創作活動を行ってみてください。
👉 樋口恭介さんのXアカウント
その他
富士通はServiceNowとPalantirを連携させ、災害時におけるサプライヤーへの影響分析や、その対応の優先順位付けを行うサービスを紹介していました。また、AI Agentを使用して対応タスクを自動完了したり、Next Actionを提示する機能も備えているとのことです。
個人的には、対災害性はServiceNow側でも担保される部分があったり、どちらかというとセキュリティ対策に重点が置かれる印象もあるので、サービスの費用対効果の面が気になりました。
TaniumはCMDBとTaniumのエンドポイント検出サービスを組み合わせたプロダクトを紹介していました。CMDBはServiceNowの中核を担う機能だと考えているので、その基盤をより強化するプロダクトに面白いと感じました。
まとめ
全体を通じて、やはり多くの企業が生成AIの導入支援をサービスの一部としている印象を受けました。また、OOTBでのパッケージ導入が推奨されていることもあり、サービス内容としては類似している企業が多い印象でした。こういった企業はどのように他社との差別化を図っているのか、とても気になります。ぜひどなたかご教示ください。
最後に
今回のイベントでは、ServiceNowに関する知見を深めるだけでなく、ライブがあったり、大学時代の知人と再会したり、ServiceNow Universityのブースでマイアバターを作ったりと、本当に楽しませていただいた二日間となりました。改めて開催に携わったServiceNow Japan及びパートナー企業の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。
このイベントに興味をもった方は、ぜひ来年の開催に足を運んでみてください!
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| ServiceNow Universityブースで作成したマイアバター |
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Out of the Boxの略称で、標準機能をそのまま使うこと。 ↩



