法律の全体像
日本の法律
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├─ ① 憲法
│ └ 国のルールの最上位(日本国憲法)
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├─ ② 法律(国会が制定)
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│ ├─ A. 公法(国や行政が関与)
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│ │ ├─ 憲法
│ │ ├─ 行政法
│ │ │ ├ 行政手続法
│ │ │ └ 国家賠償法
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│ │ └ 刑法
│ │ ├ 刑法(基本法)
│ │ └ 特別刑法
│ │ ├ 不正アクセス禁止法
│ │ ├ 著作権法(罰則)
│ │ └ 道路交通法(罰則)
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│ └─ B. 私法(私人同士の関係)
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│ ├ 民法
│ │ ├ 契約
│ │ ├ 不法行為
│ │ └ 相続
│ │
│ └ 商法
│ ├ 会社法
│ └ 手形法
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└─ ③ 命令(内閣・省庁)
├ 政令
├ 省令
└ 規則
電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法)
- 企業で使用されているコンピュータやデータを破壊する行為を処罰する法律
不正競争防止法
- 他人の商品などに自社商品を類似させ、購入者に誤認させて販売する行為を禁止する
電子計算機使用詐欺罪(刑法)
特定電子メール法
- 広告・宣伝目的の電子メールを規制する法律
- 送信する際は原則として事前同意が必要(オプトイン方式)
- 利用者が「不要」と意思表示したら停止しなければならない(オプトアウト方式)
電子著名法
- 電子著名に自筆の著名や捺印と同じ効力をもたせるための法律
- 民事訴訟法における押印と同様の効力が認められる
サイバーセキュリティ基本法
- 国家レベルでサイバーセキュリティ対策を強化する体制を構築するための法律
- サイバーセキュリティ戦略本部
- 内閣官房に設置、政府や行政機関のサイバーセキュリティ対策を指揮
- 国家サイバー統括室(NCO)
- ※旧:内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
- サイバーセキュリティ戦略本部の事務処理を担当
不正アクセス禁止法
- コンピュータへの不正アクセス、それを助長する行為を処罰する法律
情報流通プラットフォーム対処法
- 旧 プロバイダ責任制限法
- インタネットでプライバシーや著作権が侵害された場合、ISPやサイト管理者に情報開示請求する権利、損害賠償責任の範囲を定めた法律
下請代金支払遅延等防止法(下請法)
- 親事業者(元請)が、下請事業者に対して 不当な取引行為をすることを禁止 し、下請企業を保護する法律
禁止されている行為
| 区分 |
内容 |
試験のキーワード |
| ① 下請代金の支払遅延 |
納品受領後 60日以内 に支払わない |
60日以内、支払遅延 |
| ② 代金の減額 |
一方的な値引き・請求額の引下げ |
一方的、減額要求 |
| ③ 不当な返品 |
納品後に正当な理由なく返品 |
納品済、正当理由なし |
| ④ 買いたたき |
著しく低い代金で発注 |
著しく低い価格、不当な代金 |
| ⑤ 受領拒否 |
下請が納品したのに受領を拒否 |
納品拒否、受領拒否 |
| ⑥ 不当な経済上の利益提供要求 |
負担強制(広告費・人件費・物品購入など) |
負担強制、利益の提供 |
| ⑦ 書面交付義務違反 |
発注時に書面を交付しない |
注文書なし、書面交付義務 |
| ⑧ 不当なやり直し・変更要求 |
過度な仕様変更を強制 |
仕様変更強制・不当なやり直し |
例
- 元請(大企業)が、下請のシステム開発会社へ 支払を遅らせる → 違反
- 元請が「バグ修正費をただでやって」と強制 → 不当に経済上の利益を提供させる → 違反
- 成果物納品後に「やっぱり要らない」→ 不当返品
請負契約
| 項目 |
内容 |
| 目的 |
完成した成果物の提供 |
| 報酬発生条件 |
成果物が完成したとき |
| 指揮命令 |
発注側(依頼者)は請負側に直接命令できない |
| リスク負担 |
完成までの作業方法は請負側の責任・裁量 |
| 品質保証 |
請負側は 瑕疵担保責任 を負う(欠陥の修補) |
偽装請負の典型パターン
| 偽装請負に該当するケース |
理由 |
| 発注側が外部作業者に直接指示している |
指揮命令権が発注側にあるため請負ではない |
| 発注側の社員と同じチームで常駐し、業務指示を受ける |
実態が労働者派遣になる |
| 発注側が勤務時間や休憩を管理する |
労働者の管理を発注側がしている |
| 成果物ではなく「労働力の提供」になっている |
契約の目的が請負と一致していない |
→ 形式は請負でも、働き方が派遣そのもの → 違法(偽装請負)
出向契約、請負契約、労働者派遣契約
| 項目 |
出向 |
請負 |
労働者派遣 |
| 雇用関係 |
出向元(在籍出向) |
請負会社 |
派遣元 |
| 指揮命令 |
出向先 |
請負会社 |
派遣先 |
| 報酬対象 |
労働 |
成果物 |
労働 |
| 法律 |
労働契約法等 |
民法 |
労働者派遣法 |
| 試験頻出論点 |
同意の有無 |
偽装請負 |
指揮命令の所在 |
知的財産権
知的財産権
├─ 著作権・・・・・・・・創作された表現
│ ├─ 著作者人格権・・・著作者の利益・名誉を侵害する、著作物の利用
│ └─ 著作財産権・・・・著作物を公開することで得られる財産
├─ 産業財産権・・・・・・「技術・デザイン・ブランド」を守るための権利
│ ├─ 特許権・・・・・・発明
│ ├─ 実用新案権・・・・アイデア
│ ├─ 意匠権・・・・・・デザイン
│ └─ 商標権・・・・・・ロゴマーク
└─ 営業秘密・・・・・・・企業のノウハウ、アイデア(不正競争防止法)
派遣契約
- 労働者は派遣元企業に雇用され、派遣先企業にて働く
- 派遣先企業の監督者が、労働者に対して業務の指揮命令を行う
産業財産権
- 広く 「技術・デザイン・ブランド」を守るための権利の総称
- 主に以下 4 つで構成される
| 権利名 |
対象 |
保護期間 |
特徴 |
| 特許 |
発明(高度な技術) |
20年 |
最も強い権利、審査あり |
| 実用新案 |
小発明(物品の形状・構造) |
10年 |
審査が簡易、技術保護 |
| 意匠 |
デザイン・形状(見た目) |
25年 |
見た目の保護 |
| 商標 |
ロゴ・ブランド名 |
10年(更新可) |
ブランド保護、永久に更新可能 |
「著作権」との違い
| 種類 |
保護対象 |
登録の必要 |
| 産業財産権 |
技術・デザイン・商標 |
審査・登録が必要 |
| 著作権 |
文書・音楽・写真・プログラムなど |
創作した瞬間に発生 |
サービスマーク
サービス(役務)を提供する事業者が、自社のサービスを他社と区別するためのマーク
例:
- Amazonのロゴ(サービスとしてのオンライン販売)
- Uberのロゴ
- 航空会社のロゴ
クリエイティブ・コモンズ(CC)とは?
- 著作者が著作物の利用許可(ライセンス)を分かりやすく表示するための仕組み。
- 利用者は、ライセンスに従えば自由に利用・共有・改変が可能。
- 著作権を放棄する仕組みではない
- 利用条件を明確にするための「標準化されたライセンス」
- Webコンテンツでよく利用される
構成要素
| マーク |
名称 |
意味 |
| BY |
表示(Attribution) |
作者のクレジット表示が必要(必須) |
| NC |
非営利(Non-Commercial) |
商用利用は不可 |
| ND |
改変禁止(No Derivatives) |
改変不可、コピーのみ可 |
| SA |
継承(Share Alike) |
改変した場合は同じCC条件で公開する |
例1:「著作権を放棄して自由に利用できる仕組み」
→ ✕ それは CC ではなくパブリックドメイン
(CC0 は著作権放棄に近いが、別扱い)
例2:「改変は可能だが、同じ条件で公開する必要がある」
→ 〇 CC BY-SA
例3:「商用利用さえしなければ自由に使える」
→ 〇 NC が付いているライセンス
まとめ
| ライセンス |
商用 |
改変 |
クレジット |
| CC BY |
○ |
○ |
必要 |
| CC BY-SA |
○ |
○(継承) |
必要 |
| CC BY-ND |
○ |
✕ |
必要 |
| CC BY-NC |
✕ |
○ |
必要 |
| CC BY-NC-SA |
✕ |
○(継承) |
必要 |
| CC BY-NC-ND |
✕ |
✕ |
必要 |
インボイス制度
| 項目 |
ポイント |
| インボイス制度 |
適格請求書の保存が仕入税額控除の要件 |
| 適格請求書 |
登録番号・税率・税額・取引内容の記載が必須 |
| 発行事業者 |
課税事業者のみ。登録するとT+13桁番号 |
| 保存要件 |
帳簿+適格請求書の両方保存 |
| 電子インボイス |
電子的保存はOK、電子帳簿保存法と連動 |
| 免税事業者問題 |
取引から除外されやすくなる |