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esModuleInterop オプションの必要性について

Last updated at Posted at 2018-02-06

個人的にちょうど該当の問題を取り扱ったので、TypeScript 2.7.1 で導入された
esModuleInterop オプションの役割と背景についてまとめておく。

なお、本来は export と import の両方に影響するオプションだが、この記事では外部の npm パッケージを import する状況のみを取り上げる。

TL;DR

Node.js 環境で import/export を使う場合、

  • esModuleInterop オプションを積極的に有効にする。
  • 関数や class を export するモジュールを import する場合、import * as _ from '_' のかわりに import _ = require('_') を使う。

モジュールの互換性

先にTypeScript の ES6 modules の解釈と allowSyntheticDefaultImports の整理という記事を読んでおくとよい。

バックグラウンドとして知っておくべきは以下の2つ:

  1. ES6 Modules は Node.js のモジュール(CommonJS)との互換性について規定がない。
  2. ES6 Modules で import/export できるものは TypeScript でいう名前空間(ざっくりいうと識別子として使えるプロパティを持つプレーンなオブジェクト) にかぎられるが、CommonJS はそうした制限がない。

Babel V.S. TypeScript

上の事情のため、Node.js のモジュールをどう扱うかはビルドツールごとに独自の仕様が設けられている。

例えば、つぎのような math モジュールを取り込もうとすると、TypeScript と Babel で異なる書き方が必要だった。

node_modules/math/index.js
var math = {
  min: function (lhs, rhs) { ...}
};
module.exports = math;

Babel:

babel.js
import math from 'math';

math.min(1, 2);

TypeScript:

tsc.ts
import * as math from 'math';

math.min(1, 2);

いいかえると、 export 側のコードはそれぞれ以下の ES6 Module として解釈されている。

Babel:

function min(lhs, rhs) { ...}

export default {
  min,
};

TypeScript:

export function min(lhs, rhs) { ...}

esModuleInterop オプションはこの振る舞いを Babel に近づけるものと考えてよい。

関数やクラスの export 問題

では TypeScript 式の何が問題だったのかというと、すでにある CommonJS モジュールが class や function を export している場合に手詰まりになること。

例えば

node_modules/min/index.js
function min(lhs, rhs) { ... }
module.exports = min;

というモジュールがあったとして、以下のコードを babel に通して実行すると、実行時エラーになる。

import * as min from 'min';

min(2, 3);

どう解決されるのか

これに対して上のオプションをつけるとどうなるのか。

まず import * と 関数呼び出しの組み合わせがコンパイルエラーになるようになる。

正しく動かしたい場合、選択肢は二つある。

一つは、以前からある syntheticDefault オプションを使用すること。ただしこのオプションはあらゆるモジュールの import/export の振る舞いを変えてしまうため、おすすめしない。

もう一つは import = を使うこと。つまり以下のようにする。

import min = require('min');

もともと互換性がない以上、これが妥当だろう。実際、DefinitelyTyped はそうしている

参考

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