目的
さすガねっとが提供しているIPv6網(IPoE, DS-Lite)に自宅のルーターから接続する
さすガねっととは
大阪ガスが提供している廉価なフレッツ光方式のインターネット接続サービスです。
大阪ガスとガス契約している世帯の場合、契約後12ヶ月間は1870円割引。それ以降は330円割引になります。
技術的にはAsahiネットのIPv6 DS-Lite網を間借りしているようです。
動機
プロバイダの乗り換えなんて簡単だろう、と高をくくっていたらルーターを買い直したり接続で行き詰まったりして結構手こずったのでまとめます。
YAMAHAルーター
かれこれNVR500を15年ほど愛用していて何度かプロバイダも乗り換えてきたのですが、いずれも IPv4 PPPoE接続で繋いできました。今回はじめてIPv6オンリーのプロバイダでして、一通り調べた結果、この機種では対応できないことがわかりました。
価格コムで調べた結果、NVR510という後継機種も一応ありましたが、プラス1万円程度で買えるRTX830に更新しました。
簡易ONUやIP電話用のポートが無いのですが、元々使ってなかったので良しとしておきます。
参照すべき情報源
YAMAHAルーターでIPv6 IPoE方式で接続する設定は色々と公開されているのですが、実際のさすガねっと(Asahiネット)はDS-Lite方式を採用しており、これを使って接続するのが良いようです。
- transixのIPv4接続(DS-Lite)でインターネット接続
しかし上記資料ではAFTRのアドレスが省かれており、AsahiネットのAFTRを指定する必要があります。調査を続けたところ、この記事を見つけました。
- asahi-net の v6コネクト(DS-Lite) で安定しています(価格コム)
そして、同世代の WN-DAX1800GR/E のほうは、DS-Lite(traxsix)で、AFTR GW を dslite.v6connect.net にすることで、今のところ安定して動いています。そのうちにこの機種も正式対応するのでは。
これで情報が揃いました。
設定例
※ほぼYAMAHAさんの設定ファイルそのままです
ip route default gateway tunnel 1
ip lan1 address 192.168.100.1/24
ipv6 prefix 1 ra-prefix@lan2::/64
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64
ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on
ipv6 lan1 dhcp service server
ipv6 lan2 dhcp service client ir=on
ipv6 lan2 secure filter in 1010 1011 1012
ipv6 lan2 secure filter out 3000 dynamic 100 101 102 103 104 105 118 119
ngn type lan2 ntt
tunnel select 1
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint remote address dslite.v6connect.net
tunnel enable 1
ipv6 filter 1010 pass * * icmp6 * *
ipv6 filter 1011 pass * * tcp * ident
ipv6 filter 1012 pass * * udp * 546
ipv6 filter 3000 pass * * * * *
ipv6 filter dynamic 100 * * ftp
ipv6 filter dynamic 101 * * domain
ipv6 filter dynamic 102 * * www
ipv6 filter dynamic 103 * * smtp
ipv6 filter dynamic 104 * * pop3
ipv6 filter dynamic 105 * * submission
ipv6 filter dynamic 118 * * tcp
ipv6 filter dynamic 119 * * udp
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24
dns host lan1
dns server dhcp lan2
引越し後の通信速度
さすガねっとのはやとくプランは最大1Gbpsのベストエフォートです。
Googleのインターネット速度テストを試したところ、こういう結果になりました。
- ダウンロード 621.2 Mbps
- アップロード 147.8 Mbps
今までせいぜいダウンロードが250 Mbpsぐらいしか出てなかったので、差がやばいですねw
体感上の差はないですが。
移行期間の罠
2022年11月現在、前のプロバイダであるSoftbank光とさすガねっとの間での移行期間となっていて、どちらのプロバイダ向けの接続設定でもつながる状態になっています。プロバイダ引っ越し期間としてありがたい状況ではあるのですが、YAMAHAルーターは複数のプロバイダの設定を並列登録できるため、さすガねっとの設定が不十分のまま両方並列登録して、Softbank光のほうでつながっているのにさすガねっとでつながっていると勘違いしたまましばらく繋いでいました。
このまま12月に入ったらいきなりネットと繋がらなくなってやばいことになるところでしたね。