はじめに
こんにちは、かのさわと申します。
普段は、本業でAIエンジニア、趣味でノベルゲーム制作をしています。
本記事では、「LLMで会話と選択肢を生成するノベルゲーム」を制作した話と、そのゲームをインディーゲーム展示会に出展した話を書きたいと思います。
この記事は、LLM・LLM活用 Advent Calendar 2025の18日目です。
作ったゲーム
早速ですが、作ったゲームの内容を以下のポストからご覧下さい。
#東京ゲームダンジョン10
— かのさわ@Nutrients (@kano_sawa) November 3, 2025
・AIで会話、表情、選択肢を生成
・TIPSを集めながら世界の謎を解き明かしていく
そんなノベルゲーム『AIDOLIZE』を展示します。
11/9(日) 【2E-9】でお待ちしております。 pic.twitter.com/eX9ftuSZYz
ゲームと言いつつ、実際は技術デモの段階ではありますが、こちらの中身について紹介していきたいと思います。
技術解説
本節では、ゲームの構成要素について技術的な解説をしていきます。
ゲームエンジン
ノベルゲームとしてのベース部分にはティラノスクリプトというノベルゲームエンジンを利用しています。
javascriptで作られているため、javascriptで自由に改変が可能となっています。
AIフレームワーク
AIフレームワークにはLangChainを利用しています。
LangChainは色々な会社のAIモデルを簡単に切り替えられるという理由で採用しました。
モデルは主に"gpt-4o-mini"を利用しました。
精度と応答速度のバランスが良かったので。
セリフ生成
セリフを生成させるために、以下の内容のシステムプロンプトを与えています。
- 会話ルール
- 会話の状況
- 世界観
- 各キャラクターの設定
- 各キャラクターのセリフ例
また、StructuredOutputの仕組みを利用して、セリフと一緒に「表情」と「次の話者」を返させることで、表情の自動切り替えと複数キャラの自然な会話を実現しています。
他の工夫としては、「前のセリフを表示している間に、次のセリフを生成させる」ことで、遅延をほとんど感じないスムーズなプレイを実現することができました。
選択肢生成
選択肢の生成も、セリフの生成と同様にシステムプロンプトとStructuredOutputの組み合わせで実現しています。
立ち絵、表情差分
立ち絵については、まず基本的な表情の全身絵を画像生成AIで作成しました。
その後、表情差分についてはnano bananaのAPIを使って、指定した表情差分を一括で生成するようにしています。
現状は以下の18パターンの表情差分を採用しています。
私が普段制作している普通のノベルゲームでも、だいたいこのくらいの表情差分があれば必要十分な表現ができると感じています。



音声合成
音声合成には現状、AivisSpeechを利用しています。
ただ、今後は権利関係がよりクリアなElevenLabsなどへの切り替えを検討したいと考えています。
インディーゲーム展示会への出展
上記のゲームを、恐れ多くもインディーゲーム展示会に出展しました。
その経験についても記したいと思います。
出展した展示会
東京ゲームダンジョンという展示会に出展させていただきました。
こちらの展示会を選んだ理由としては、
- 普段制作しているノベルゲームで出展経験があったこと
- 展示机が大きくて快適なこと
- 数ヶ月に一回のペースで開催されており、出展時期を調整しやすいこと
あたりかなと思います。
展示の結果
まず、試遊していただいた方の数としては、20組くらいだったかなと思います。
数自体は多くないものの、「試遊いただいた方=AIに興味のある方」という感じで、ほとんどの方と何かしら議論や質疑をさせていただいて充実した時間でした。
当日の朝は『こんなの見向きもされないんじゃないか……』と萎えていたのですが、展示して良かったと思いました。
(どれだけ萎えていたかというと、展示スペースの写真も撮ってないくらいですね汗。こういう記事を書くなら撮っておけばよかったです)
今後の展望
今後の展望としては、以下のようなことを考えています。
ローカルLLMへの切り替え
売ることを本気で考えるのであれば、必須の課題かなと考えています。
自前音声合成への切り替え
こちらも同様。
AIシナリオパートと手書きシナリオパートの両方を用意して、手書きの方は普通に収録してもらいつつ、その収録音声を音声合成モデルの作成に利用させてもらうというのも面白いかもしれません。
ストーリーとの融合
現状は、「ある状況における自由会話」を実現しているに過ぎず、ストーリーとうまく融合できていない状態です。
ストーリーが進むにつれて、キャラクター同士の関係性が変わったり、知識が増えたり。または、会話をきっかけにしてストーリーの方が変化したり。
そういう挑戦をしたいと考えています。
ゲームパートの追加
純粋なノベルゲームとして成り立たせるのは難しいなと感じてます。
何かしらのゲームパートと組み合わせるのがいいかなと思っていますし、そうなるとUnityとかで作りたくなってくるなぁと思ったり……。
インディーゲームとしての魅力増強
現状、技術デモとしては面白いと思いつつ、ゲームとしての魅力には乏しいと感じています。
シナリオで作家性を出したり、ビジュアル面については組んでくれる絵師さんがいればなぁと考えています。
Live2Dの導入
これはただの個人的な興味ですが、Live2Dでキャラクターを動かしたいなぁと思ってます。
おわりに
以上、「LLMで会話と選択肢を生成するノベルゲーム」をインディーゲーム展示会に出展した話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以下の職種(技能)の方で、このゲームの共同制作に興味のある方がいらっしゃれば、ご連絡いただけると嬉しいです。
- イラストレーター
- Live2Dモデラー
- Unityエンジニア
- AIエンジニア
- 声優
「一緒にやれるかは分からないけど、とりあえず話を聞いてみたい」とかのレベル感で大丈夫です。
ご連絡はXのDMでお願いします。