0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Claude Code / Codex の「いま」を物理デバイスに映す — ESP32 でAIエージェントの相棒を作った

0
Posted at

TL;DR

  • Seeed SenseCAP Indicator D1(ESP32-S3 + 4インチ 480×480 タッチスクリーン)を、Claude Code / Codex エージェントの**物理ステータスディスプレイ兼「相棒(コンパニオン)」**に改造しました。
  • エージェントが「考え中」「ツール実行中」「入力待ち」「完了」といった状態を、机の上のデバイスがリアルタイムに表示してくれます。
  • 最大4セッションを同時に表示。アイドル中はローカルLLMが気の利いた一言をつぶやき、放置するとスクリーンセーバーで瞬きする目が表示されます。
  • ソースは MIT ライセンスで公開しています → https://github.com/yufeikang/indicator-ai-companion

Agent HUD デモ


作ったもの

複数のターミナルで Claude Code や Codex を走らせていると、「あのセッション、今どうなってるんだっけ?」と画面を行き来することがよくあります。ビルドが終わったのか、こちらの入力を待っているのか、まだ延々と考えているのか — それを確認するためだけに Alt+Tab を連打する日々でした。

そこで、エージェントの状態を机の上の小さな物理デバイスに常時表示するプロジェクトを作りました。ターゲットにしたのは Seeed の SenseCAP Indicator D1 という ESP32-S3 ベースのタッチディスプレイ端末です。

エージェントが動き出すとデバイス上のアイコンが「呼吸する」ように脈動し、完了すれば色が変わって知らせてくれる。手が空いているときはローカルLLMが生成した一言をしゃべり、しばらく放置すると瞬きする目のスクリーンセーバーになる — そんな「AIエージェントの相棒」です。


デモ

Agent HUD スクリーンセーバー
HUD Eyes

動画版はリポジトリの docs/media/demo-full.mp4 / docs/media/demo-eyes.mp4 に置いてあります。


主な機能

🖥️ Agent HUD

エージェントのセッション状態をリアルタイムに可視化します。thinking(考え中)/ tool execution(ツール実行中)/ awaiting input(入力待ち)/ completion(完了)を、色とアニメーションで表現。プロバイダごとにアイコンが異なり(Claude のスパーク、Codex のコードマーク)、作業中はアイコンが「呼吸」します。

🔀 マルチセッション・アイコンバー

最大4セッションを同時に扱えます。画面下部のアイコンをタップするとセッションを切り替えられ、プロジェクト名がステータスに応じて色分けされます。タップしたセッションは約45秒フォーカスされ、その後は最後にアクティブだったセッションへ自動的に戻ります。

💬 AIコンパニオンカード

アイドル時、ローカル / LAN 上のLLMが「気の利いた一言」を生成します。物理ボタンから呼び出すこともできます。

😴 スクリーンセーバー

300秒間操作がないと、全画面で瞬きする目とLLM生成のウィットに富んだセリフが表示されます。緊急のアラートが保留中のときは起動しません。

🌐 多言語対応

BRIDGE_LANG 環境変数(zh / en)で UI とコンパニオンのテキストを切り替えられます。


アーキテクチャ

このプロジェクトの肝は、**「映像フレームを送らず、意味的なステータスだけを送る」**という設計です。

Claude Code / Codex
      │  webhook (HTTP POST)
      ▼
  Bridge デーモン (Python)
   ・session_id / thread_id でメッセージを束ねる
   ・セッションレジストリを管理
   ・意味的なステータス更新のみを送出
      │  暗号化された ESPHome API
      ▼
  SenseCAP Indicator D1 (ESP32-S3 + LVGL)
   ・run / think / wait / done / ready / online
     という言語非依存のステータスで
     アニメーションと色を駆動

Claude Code / Codex は webhook(HTTP POST)で bridge デーモンにイベントを送ります。bridge は session_id / thread_id ごとにメッセージを束ね、セッションレジストリを保持し、動画フレームではなく意味的なステータス更新だけを暗号化 ESPHome API 経由でデバイスに push します。

run / think / wait / done / ready / online という言語非依存のステータス値がデバイス側のアニメーションと色を駆動し、ローカライズされたテキストは UI ラベルとして描画されます。アイコンのタップはデバイス⇔bridge のローカルループで完結し、エージェント側には戻りません。

この分離のおかげで、通信量は極小に抑えられ、UIの言語やアニメーションはデバイス/bridge 側だけで完結して差し替えできます。


ハードウェア

  • MCU: ESP32-S3(WiFi/BLE)、ESPHome + LVGL で駆動
  • ディスプレイ: 4インチ 480×480 IPS 静電容量式タッチ(ST7701S + FT5x06)
  • コプロセッサ: RP2040(現状は未使用)

埋め込みCJKフォントは GB2312 のおよそ 3,800 文字 + ASCII をカバーしています。それ以外の文字体系を使う場合はフォントの拡張が必要です。


セットアップ

大まかな流れは以下の通りです(正確なコマンドは README を参照してください)。

  1. アセットのビルド(初回のみ): Python ユーティリティでフォント・背景・セッションアイコンを生成します。
  2. ファームウェアの書き込み: 初回は USB 経由(約30秒)、以降は WiFi OTA で更新できます。
  3. Bridge デーモンの起動: Docker(docker compose up)または直接 Python で起動。デバイスIP・暗号化キー・言語などを環境変数で渡します。
  4. エージェントのフック接続: 用意された JSON スニペットを Claude Code / Codex の設定ファイルにマージします。
  5. デモモードで動作確認: 実際のエージェントを走らせなくても、スクリプト化されたイベントストリームで表示を確認できます。

Docker を使う場合はおおむねこんなイメージです:

# .env にデバイスIP・暗号化キー・言語などを設定してから
docker compose up -d

注意: .envINDICATOR_NOISE_PSK は、ファームウェア側の api_key と一致している必要があります。


技術的なこだわり

  • 映像ではなくセマンティックなステータスを送る: 端末は「状態」を受け取ってから自前でアニメーションを生成するので、帯域を食わず、UIの改修がホスト側に依存しません。
  • 暗号化された ESPHome API: bridge ↔ デバイス間は ESPHome の Noise 暗号化 API で通信します。
  • セッションの束ね方: 連続する webhook イベントを session_id / thread_id でまとめ、チラつかない状態遷移を実現しています。
  • ローカルLLMでコンパニオン生成: 相棒のセリフはローカル / LAN のLLMで生成するため、外部に会話内容を出しません。

まとめ

「AIエージェントの状態を、机の上の物理デバイスで一目で分かるようにする」という小さなアイデアから始めたプロジェクトですが、実際に置いてみるとエージェントの"気配"が感じられて思いのほか楽しいです。ESP32 + ESPHome + LVGL の題材としても、Claude Code / Codex のフック連携の実例としても参考になれば幸いです。

スター・Issue・PR、お待ちしています! 🌟

0
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?