IP概要
- Internet Protocolのこと
- インターネット層(ネットワーク層)に相当する
- レイヤー3プロトコルのデファクトスタンダードとなっている
- IP Version4 (IPv4)とIP Version6 (IPv6)の2つがある
通信方法
- IPパケットにアドレスを入れて通信する
- 送信元アドレス、Sourceアドレスは自分のこと
- 宛先アドレス、送信先アドレス、Destinationアドレスは相手のこと
- 宛先アドレスが存在する方向にだけIPパケットを送信する
IPパケット(1)
- 標準的なサイズは20バイト(OptionとPaddingを除く)になる
- 32ビットずつ縦に書くことがある
- Optionは可変長、32ビットに満たない場合はPaddingで調整する
- PAYLOAD(ペイロード)は上位レイヤーのデータ部分を意味する
IPパケット(2)
- Version: IPのバージョンを示す(IPVersion4であれば4が入る)
- IHL(Internet Header Length): ヘッダの長さを32ビット単位で示す(通常は5が入る)
- Type of Service(ToS): IPパケットの重要度に応じて優先度をつける時に使う(Quality Of Service(QoS))で使われる
- Total Length: IPパケット全体の長さ(IPヘッダ及びデータ)をオクテット単位で示す
- Identification: フラグメントされたIPパケットを戻すときの識別子(同じ識別子は同じIPパケットと判断する)
フラグメント
- フラグメント(断片化)とはペイロードのサイズが大きく、リンク層プロトコルで運べるサイズを超えている場合ペイロードを複数に分割してそれぞれにIPヘッダをつけること
- 最終的にはサイド、1つのIPパケットに戻す
- 元が同じIPパケットを判別するための識別子がIdentificationとなる
IPパケット(3)
- Flags:
① 先頭1ビットは使用しない(0が入る)
② 2ビット目はDFビットと呼び、0はフラグメント可能、1はフラグメント禁止を意味する
③ 3ビット目はMFビットとよび、2ビット目が0の時、0はフラグメントされた最後のIPパケットを意味し、1の場合はさらにフラグメントされたIPパケットが続くことを意味する - Flagment Offset:
① フラグメントされたIPパケットの位置を示す(Identificationで同じグループを判断し、Flagment Offsetから正しい配置を知ることで元のIPパケットに戻せる) - Time to Live(TTL)
① IPパケットの寿命を示す(0~255の値が入り、IPパケットを転送する際に1減らす)
② 0となったIPパケットは破棄される
IPパケット(4)
-
Protocol:
① 上位レイヤーで使われているプロトコルを示す
② 代表的なところでは1 はCMP、6はTCP、17はUDPを意味する -
Header Checksum:
① IPヘッダの誤りけんさに使われる
② Ethernetフレームとは違い、IPパケットではヘッダ部分のみが検査の対象になる -
Source Address: 送信元を示すIPアドレスが入る
-
Destination Address: 宛先を示すIPアドレスが入る
IPアドレス概要
- ネットワーク全体の中で自分の所在を示す
- 32ビット(二進数32桁)の長さを持つ
- 8ビットずつドットで区切り、十進数表記する
- IPアドレスはユニークである
- 所属グループと自分を表す2階層になっている
クラス
- 約42億個のアドレスを扱いやすいように5つのクラス(グループ)に分ける
- IPアドレスはグループと自分自身の2階層からなる(ネットワーク部 + ホスト部)
クラスレス(CIDR)
- Classless Inter-Domain Routingの略
- 複数のネットワークを1つにまとめて、大きなネットワークを作る
- 連続した共通ビットをまとめる
- まとめる数は2のべき乗(2")単位となる
サブネット
- ホスト部の一部をネットワーク部として使う
クラスレス(FLSM)
- Fixed-Length Subnet Maskの略
- ネットワーク部を1、ホスト部を0として、別のアドレスを併記する
- 1は必ず連続する(途中に0を挟まない)
クラスレス(VLSM)
- Variable-Length Subnet Mask の略
- 必要なホスト部とアドレス部(X)を計算する
- 2n ≥ Xとなる値を探す
- 32 - n = ネットワーク部のビット数となる
ネットワークアドレス
- ネットワーク自体を表すIPアドレスのこと
- 二進数にした時ホスト部がすべて0になる
- ホストやネットワーク機器のインターフェースに対して設定することはできない
ブロードキャストアドレス
- ネットワークに所属するすべてを表すIPアドレスのこと
- 二進数にした時ホスト部がすべて1になる
- ホストやネットワーク機器のインターフェースに対して設定することはできない
プライベートアドレス
- 組織内で自由に使用できるIPアドレス
- インターネット上で使用不可
グローバルアドレス
- プライベートアドレス以外のアドレス
- IANAで管理され、手続き上、決められた機関から取得
- インターネット上でも使用可能