こんにちは、Koderaです。
Amazon FSx for NetApp ONTAPについて、改めて整理してみます。
Amazon FSx for NetApp ONTAPとは
Amazon FSx for NetApp ONTAPは、2021年のAWSオンラインイベントである「AWS Storage Day 2021」で新サービスとして発表されました。
NetApp独自のオペレーティングシステムを利用していて、1 つの名前空間でのペタバイトスケーリングのデータセットをサポートします。
オンプレミスのONTAPの全ての機能をAWSマネージドのファイルサービスとして利用することができます。
Amazon FSx for NetApp ONTAPの特徴
フルマネージドサービス
NetApp ONTAPは、Amazon FSx のラインナップの1つとして提供されます。
アプリケーションやデータ管理方法の変更が不要で、オンプレミス同様にAWS上で利用できます。
フルマネージドサービスのため、以下の運用管理を行わずに、アプリケーション開発に集中できます。
・データのレプリケーション
・ファイルサーバソフトウェアのインストールとパッチ適用
・ハードウェア障害の検出と対処
・フェイルオーバー、フェイルバックの管理
・バックアップの手動による実行
NASとブロックストレージを兼ね備えた統合ストレージ
サーバーメッセージブロック (SMB)やネットワークファイルシステム (NFS)といったNAS用途だけでなく、インターネットスモールコンピュータシステムインターフェイス (iSCSI)でのブロックストレージ用途でも利用可能です。Microsoft Active Directory (AD) と統合して、Windows ベースの環境とエンタープライズをサポートします。
マルチテナンシー機能(ストレージ仮想マシン(SVM))も標準搭載されており、不揮発性メモリエクスプレス (NVMe) プロトコルを使用したデータへのマルチプロトコルアクセスが可能です。
高可用性なストレージ
ファイルシステムは2つのアベイラビリティゾーンにデプロイされ、ゾーン間でのデータの自動レプリケーションとフェイルオーバにより、マルチAZの場合99.99パーセントの可用性が担保されます。
コスト最適化を実現
「データ圧縮」、「重複排除」、「シンプロビジョニング」の機能を提供し、アクセス頻度の少ないデータを自動的により安価なストレージに移動し、プールストレージに階層化します。各ボリュームには、データが非アクティブになったとき (コールド状態) 移動するかどうかを制御する階層化ポリシーがあります。
プールストレージは伸縮自在なストレージ層で、ペタバイト規模にスケールができ、様々なコスト最適化な機能が提供されています。
NetAppのオンプレミスキャッシュソリューションをサポート
NetAppがオンプレミスの機能として提供しているグローバルファイルキャッシュおよび FlexCacheをサポートします。
データ保護機能
AWS KMSを利用しファイルシステムデータおよびバックアップ時の暗号化が可能です。SMB Kerberos セッションキーを使えば、転送中のデータも暗号化することができます。
アンチウイルス機能
サードパーティのウイルス対策ソフトウェアと連携可能で、オンデマンドのアンチウイルススキャンを行うことができます。
現状でサポートされているウイルス対策ソフトは以下の通りです。
・McAfee
クラスター化されたデータのウイルス対策ソリューションガイドONTAP McAfee
・SentinelOne
Vscan パートナーソリューション
SentinelOne Singularity Cloud Data Security
・Symantec
Vscan パートナーソリューション
Symantec Protection Engine
・Trend Micro
クラスター化されたデータに関するウイルス対策ソリューションガイドONTAP: Trend Micro
監査機能
ファイルおよびディレクトリアクセス全体で、アクセス成功 (ファイルに正常にアクセスする十分な許可を持つユーザーなど)、アクセス失敗、またはその成功と失敗のログ出力がサポートされています。
監査イベントログは デフォルトでは、EVTX
ファイル形式で保存され、Microsoft イベントビューワーで確認可能です。
まとめ
FSx for ONTAPの特徴について簡単にまとめてみました。
AWSだけではなくオンプレミスで実行されている Linux、Windows、macOS コンピューティングインスタンスから幅広くアクセスできる高速、かつ柔軟な共有ファイルストレージサービスについて、理解が深まると幸いです。