本記事はAWS Community Buildersのアドベントカレンダー21日目の記事です。
AWS re:Inventの振り返りとして、AWS SupportがAIを活用したプランへ刷新されています。本記事では単に新旧のプランの比較ではなく、変更内容からどのような運用を"あるべき姿"として定義しているのか?について、考察をお伝えします。
内容については、2025年12月時点の情報を元に記載しています。
AWS サポート新プラン
AWSサポートにアクセスしたときの画面です。

元々ベーシックのアカウントのため新プランが表示されています。
1. Business Support+
24時間365日の AI を活用したリアルタイムトラブルシューティング機能をメインに提供します。
重大な問題発生時には、30 分以内に AI の状況判断とともに専門家が対応(従来比で2倍のスピード)。
お客様固有の環境に基づいた個別最適化レコメンデーションあり。
月額は1アカウントあたり29USD~、初回60日間無料トライアル可能。
2. Enterprise Support
Business Support+ 機能に加えて専任の Technical Account Manager(TAM)が付帯しています。
TAMの付帯については、従来通りのサービス内容です。
TAM が生成AIによるインサイトおよびヒューマンの判断を融合し、運用・コスト・セキュリティに関する戦略的ガイダンスを提供します。
AWS Security Incident Response を追加料金不要で利用可能。自動モニタリングや調査に対応しています。
本番環境での重大インシデント初動対応時間:最大15分。
インタラクティブな教育プログラムやワークショップを含みます。
3. Unified Operations
ミッションクリティカル用途向けの最上位プランです。
TAM、ドメインエンジニア、課長クラスの請求/アカウントスペシャリストで構成される専任チームが24時間サポート。
AI と人間のエキスパートによる24時間モニタリングとプロアクティブなリスク特定。
重大インシデント対応:5分以内に技術推奨が提供されます。
アーキテクチャレビュー、運用準備確認、イベントサポートなど、包括的な運用支援が利用可能。
共通の進化ポイント
1点目としては、「AI×エキスパート連携」がポイントです。全プランにおいて、AI 主導の状況判断を基盤にしつつ、必要に応じて人による介入を行うように変更されています。
問い合わせという観点で、ユーザーの実行環境に即した即時調査とリコメンデーションが提供されます。重大案件になる前の段階でAIが対応策を提示します。
2点目として、「事前対応化シフト」がされている点です。今までサポートへ問い合わせる際には、何かイベントが起こってからケース起票をすることがほとんだと思います。
本アップデートでは、事後的問題対応ではなく、潜在リスクをモニタリングし未然に防止する運用体制への移行をサポートしています。
例えば、エンタープライズサポートで「AWS Security Incident Response」を追加料金なしで利用することができるようになりました。
「AWS Security Incident Response」は、セキュリティインシデント発生時の準備、検知、対応、復旧までを一貫して支援するマネージドサービスです。自動化されたトリアージと調査機能に加え、AWSのセキュリティ専門家チーム(CIRT)による24時間365日の有人サポートを組み合わせ、顧客がインシデントに迅速かつ効率的に対処し、事業継続性を高めることを目的としています。
また、Unified OperationsでAWS DevOps Agent(プレビュー)によるプロアクティブ対応がされるようになっています。アプリケーションの信頼性を向上させるために、インシデント発生前に問題を発見し、ワンクリックで詳細な調査が可能です。
これらの機能・サービスの強化によって、AWSのサポートは「発生後の解決」から「事前の問題回避」へと転換がされていて、潜在リスクを未然に防止する体制が強化されていますね。
サポートプラン料金
Business Support +
- 最低支払額: 29 USD/月(アカウントごと)
または以下の段階制料金: - 月額 AWS 使用料 0〜10,000 USD: 9%
- 月額 AWS 使用料 10,000〜80,000 USD: 7%
- 月額 AWS 使用料 80,000〜250,000 USD: 5%
- 月額 AWS 使用料 250,000 USD 超: 3%
いずれか高い方を適用
Enterprise Support
- 最低支払額: 5,000 USD/月
または以下の段階制料金: - 月額 AWS 使用料 0〜150,000 USD: 10%
- 月額 AWS 使用料 150,000〜500,000 USD: 7%
- 月額 AWS 使用料 500,000〜1,000,000 USD: 5%
- 月額 AWS 使用料 1,000,000 USD 超: 3%
いずれか高い方を適用
Unified Operations Support
- 最低支払額: 50,000 USD/月
または以下の段階制料金: - 月額 AWS 使用料 0〜1,000,000 USD: 10%
- 月額 AWS 使用料 1,000,000〜5,000,000 USD: 6%
- 月額 AWS 使用料 5,000,000 USD 超: 5%
いずれか高い方を適用
サポートプラン料金は安くなる?
何を比較元とするかによるかと思いますが、「ビジネスサポート+」では、1AWSアカウント毎の最低月額利用料が29USDです。
今回のアップデートで終了となったデベロッパーサポートプランは、月額最低$29または月間AWS利用料の3%(いずれか高い方)で、営業時間内(日本時間平日9時~18時)に技術サポートが受けられていました。
1アカウント当たり月額「322.22USD」以下であれば、月額29USDで24/365のサポートを受けることが可能になります。応答時間も向上しています。
次にエンタープライズサポートについて、旧プランは最低$15,000/月、または利用料の段階制(10%〜3%)でした。
(例)月額 AWS 使用料が 750,000 USD の場合
新エンタープライズサポート
150,000 USD × 10% = 15,000 USD (最大 150,000 USD の使用料の 10%)
350,000 USD × 7% = 24,500 USD (150,000~500,000 USD の使用料の 7%)
250,000 USD × 5% = 12.500 USD (500,000~1,000,000 USD の使用料の 5%)
合計 = 52,000 USD
旧エンタープライズサポート
150,000 USD × 10% = 15,000 USD (最大 150,000 USD の使用料の 10%)
350,000 USD × 7% = 24,500 USD (150,000~500,000 USD の使用料の 7%)
250,000 USD × 5% = 12.500 USD (500,000~1,000,000 USD の使用料の 5%)
合計 = 52,000 USD
旧エンタープライズサポート(On-Ramp)
750,000 USD × 10% = 75,000USD
合計 = 75,000USD
AWS利用料が 750,000 USDの場合は、新旧ともに52,000USDで同じになりますね。
同じ価格でより進化したサービスを受けられるようになっています。
旧プランでは「エンタープライズサポート On-Ramp」があり、最低支払額が 5,500.00 USD/月もしくは10%の高い方と設定されていました。
「エンタープライズ On-Ramp」は、旧プランのビジネスサポートとエンタープライズサポートの間のメニューです。テクニカルアカウントマネージャーがアサインされるところは、エンタープライズサポートと同様ですが、専任ではないところと提供される内容に限りがあるところに差異があります。
この「エンタープライズサポート On-Ramp」をご利用いただいていた場合、エンタープライズサポートへ移行すると、コストとしては安くなりかつサポート内容も拡充していますね。
参考情報