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売上100億円超の店舗事業をAI・ソフトウェア・ハードウェアなど様々な手段でDXしている

Last updated at Posted at 2025-11-30

はじめに

LITALICOの亀田です。
執行役員としてエンジニア・デザイン組織を管掌しています。

この記事は、LITALICO Engineers Advent Calendar 2025 1日目の記事です。

弊社について

どんな会社でどんな事業かをまずご紹介します

事業概要

LITALICOの事業はかなり多種多様です。

障害福祉領域を中心に、子ども・成人・高齢者に向けて、学ぶ・働く・暮らすなど多様な観点からのサービスを提供しています。具体的には

  • BtoC(障害のある方・ご家族向け)の福祉施設運営を中心とした支援サービス
  • BtoC(障害のある方・ご家族・従事者向け)のマッチングプラットフォームやHR系のサービス
  • BtoB(福祉事業所・介護事業所向け・学校)向けのにSaas・ソフトウェアを提供するサービス

です。

スクリーンショット 2025-11-01 15.04.21.png

参考: 2026年3月期第2四半期 決算説明資料

全社の売上や利益

2025年3月期第2四半期の決算説明資料で公開している業績予想は以下です。

  • 2026年3月期の売上: 365億円
  • 2026年3月期の営業利益: 40億円

本記事で話題にする事業

今回は上記のうちLITALICOワークス という「障害のある方への就職の支援をしている福祉施設の運営事業」についてです。

障害のある成人の方向けに、それぞれの人にあった就職までの道のりをサポートするサービスです。

体調管理や自己理解、PCやコミュニケーションの訓練、求人探しや面接のサポート、就職後も継続的に働けるご支援まで行っています。

全国で約160店舗あり、本事業に関わる方も1200名以上、売上の規模や100億円を超える、弊社で最も規模が大きな事業です。

スクリーンショット 2025-11-02 11.39.21.png

組織

全社

  • 2025年10月時点で全社の従業員は約5,000名
  • そのうち多くがLITALICOワークスのような店舗事業で障害のある方やご家族を支援されている支援者

LITALICOワークス

  • 1,200名以上が所属しています。その内、多くが支援者です

エンジニアやデザイナー

  • 正社員から業務委託まで合わせて200-300名が所属
  • フロントエンド、バックエンド、SRE、QA、データサイエンス、AI、コーポレートエンジニアリング、ネットワークインフラ、プロダクトデザイン、グラフィックデザインなど多様な職種がいます
  • 事業の数が多いので、ざっくり各事業に対して10-20名ずつ配置されているイメージ

本記事の概要

今年の春から私がLITALICOワークスのDX化に多くの時間を使って来ました。

約半年かけて、かなりいろんなアクションを起こし、試行錯誤をして多くの学びを得たため

  • どんなDXを進めてきたのか
  • 何が大切に進めてきたか
  • どんな学びがあったか

をまとめます。

DX化に取り組んだ理由

取り組む前の状況

「基幹システムのスクラッチ開発、スプレッドシートやGASでの業務効率化、様々なSaaSシステムの導入、PCやネットワークのインフラ整備、セキュリティ面の担保」などへ、ある程度の投資を行っていました。

起きていた問題

ただ事業所で働く皆さんの声を聞いていても、各システムの使いづらさなどは多く存在し、実務を見てもより良くできるプロセスは多々存在している状況でした。

原因

その原因は「エンジニアリング組織と事業所の距離が遠いこと」で、具体的には「エンジニアリング組織が事業所を見る機会が少なく、業務や支援の理解が希薄で、手触り感ある実務に寄り添った提案がしきれていない点」です。

「業務フロー図に表現できる業務プロセスや、就労移行支援等の法令」の理解は出来ているのですが、

「どんな動きを1日でしていて、どこに大きな負担があって、小さな何の積み重ねで苦労をしていて、どういうUXやITがあると良いのか」 というマクロの解像度が薄く、豊富なITソリューションの知見はあるのに、フィットしきれていなかったのです。

結果起きていること

結果、事業所の皆さん視点では「ITへの諦め(どこに聞いたらよいかわからない、言っても変わらない、また本部が勝手に決めた使いづらいのが来るんじゃないか、我慢して何とかするしかない)」という意見が多々あり、

これは長年の積み重ねで作ってしまった壁で「本気でやります」と伝えても、本当に変わるの?と信頼しきれてもらえないかも、と感じました。

やると判断した理由

  • 上記のような具体的な課題と、対応できる解決策が幾つも想像できた点
  • 事業規模の大きさからそのインパクトも大きい点

の2つです。

目指したこと

「利用者さんへ向き合える時間が増え、支援の品質が上がって、みんなの働きやすさも向上する」ためのDX化をコンセプトに進めました

特に各事業所を見学していて「支援の合間に、PCへ支援の内容などの情報を入力する必要がある」が、ITの使いづらさが多々あることで、人によっては「PCを見ることに多くの時間を割かざるを得ない」状況を見て、もっと利用者さんと会話したり様子を見たりする時間を増やしたいな」と思っていました

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具体的にしたこと

はじめに

様々な動きはまとめるとこんな形です。
詳細は以下ご覧下さい。
スクリーンショット 2025-11-09 23.13.55.png

1. まずチームを作る(2025年4-5月)

概要

まず、本取り組みを行うエンジニア・デザイナーチームを集め、定義をしました。

「ネットワーク等のITインフラ、コーポレートエンジニアリング、ソフトウェアプロダクト、AI」など解決策は多様、DXとは全ての組み合わせであるため、各種専門チームを1つのチームとして定義しました。

全体で約20名ほどのメンバーが関わっています。
私が責任者として本チームを束ねる体制です。

大事にしたこと

事業全体で同じチームであることの意識統一

  • LITALICOワークスの事業部の直下に「DX推進」をするチームとして名前と組織を定義しました。約20名全員が兼務で所属しています(主務はエンジニア・デザインの機能型組織です)
  • そして「横のお伺いを立て合う存在」じゃなくて、「同じ事業部の中にいる1つのチームである」という意志を「同じ事業所の人に相談するように、気軽に遠慮なく相談して欲しい」と伝え続けました
  • 「事業部の人に相談する」とか「エンジニアチームにお伺いしないと」とかって横の組織感でる言葉はやめましょうと徹底しました

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DXという言葉を活用したこと

  • 「DX」って言葉の定義には幅がありますが、「ITでなんかよくなりそう」みたいな共通のイメージはあるかもなと想い、シンプルでキャッチーな言葉が導入や浸透が伝わりやすいのではと感じ、採用しました
  • ただ「DX」ってデラックス?どういう意味?みたいな意見もあって、確かに分かり辛さもあるなぁと感じました。が、結果浸透はしていて、良かったと思っています。笑

全員で事業所の理解を深めること

  • 後述する「2.現状を知る」の時に、基本は全員私と一緒に回りますとして、順番に回りました(元々はコロナ禍の影響もあって2020年から回れてはおらず、「何となく行きづらい」空気感も蔓延していました)
  • 「困り感のイメージが湧いた、もっとこうしたらよいのでは、自分がこれを作る」という声も増えており、各個人のリーダーシップや当事者意識も言動から高まっている実感があります

2. 現状を知る(2025年4-6月)

前提

・内定者時代に同事業で支援者としてのインターンを半年ほどしていました。時期は結構前ですが最低限の業務や支援の流れなどの現場感を持っていました。

・その経験もあり、会社への所属年数も長いことから、事業部内にも顔見知りの方が多くて、組織図に現れない体制や影響力のある方の理解、気軽なコミュニケーションがとりやすい関係性も一定ありました。

・また、同事業への業務システム、さらに同事業体の施設へ外販しているSaaSプロダクトの開発を2021-2024年ほど携わっていたため、法律やシステム中身の理解もある程度はありました。

・さらに、事業数値の変遷や事業の経営会議の議事録は立場的に見られており、事業モデルやPLベースでの状況も把握はできていました。

上記4点は以下キャッチアップにおける大きなアドバンテージで、0からと比較してかなり早かったと思います。(少なくとも+2-3ヶ月はかかっていたかなと)

概要

ざっくりとした課題感や困り感は事業の各リーダーの方にヒアリングをして全体感は把握しつつ、最も重要なのは支援の現場なので、まず事業所の見学を最優先と定めました。

「地域や自治体差分、競合や業績差分、事業所の設立やスタッフの勤続年数」などできるだけ多様な事例を知ることに大切に、1ヶ月半ほどで全国25センターを回ると決めました。

DXの80%はここで成否が変わる、最も重要なパートと思います。

目的

  • 直接皆さんと会話し、支援や業務の様子を事細かに観察し、自身も支援や業務を行い「課題感や困り感の解像度を皆さんより高く持つこと」
  • 変えるための本気度が伝わるよう、「この人たちを信頼しても良いかも、一緒に変えていきたい」と思ってもらえる「信頼関係を築くこと」

です。

目標

  • 「そう、それ(顕在化されたニーズ)」「確かにそれもそう(潜在的なニーズ)」の言葉を引き出せる、皆さんに共感してもらえる状態になること
  • 困りやして欲しいことを気軽に伝えてもらえる、何かを進める時に気軽にやり取りできる場所と繋がりが多く存在していること

です。

特にDXは「既存の業務を変えること」であり、短期的には「学習や変更コスト」がどうしてもかかってしまいます。協力して一緒に変えていけるチームを作ることが重要と初期の段階から考えていました。

進める時に工夫していたこと

1.常に仮説検証を行う

  • はじめは見学と業務を通してひたすら気づきをまとめる
  • 課題とソリューションの仮説を立てて、ヒアリング(一部AI系はPoCも)
  • 他にないかで今までなかった課題と案をだして頂く
  • という流れを終始行っていました

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※実際のヒアリング議事録

2.回る度にチャットのグループを作る

  • 気軽なやり取りを行う、近い存在であると思って頂ける場所が作りたかったので、事業共通で使っているチャットサービス(GoogleChat)で「事業所毎とDXを進めるチーム」とのチャットスペースを作成
  • また、相談にはその場でできることはできるだけ即回答、即解決で信頼の獲得とニーズの把握を行えることを強く意識
  • 徐々にDXチーム全体で解決できるような体制へ移行をしていった。毎日5-10事業所の皆さんから相談や提案があり、繋がりとニーズ把握のキモの1つになっています

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※実際のチャットスペースの様子(現在120事業所分あります)

3.実際の業務や支援にも携わること

  • (現在もやっていますが)「実際の業務や支援を行う事」が最も課題や状況を理解に早い、しないと分からない事も多くあると思っていました
  • 細かな業務や支援への理解を深め、自ら試しに小さく作って使って、皆さんにも試して頂くなどもやって解像度や高めていきました

結果

北海道、仙台、1都3県、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、岡山、福岡、沖縄を回りましたが、本当に細かな差分があって、総合的なソリューション観点と個別最適観点でどこまでどうシステム化して、どこはオペレーションで、の解像度が圧倒的に高まったのは大きかったです。

結果、この2ヶ月を終えた段階で今期の戦略・優先度は決まっていて、どなたに聞いても大きくズレていない計画が作れたのではと思います。

※今では50%を超える80センターを回り、コミュニケーションだけでいうと80%近い120センターの方々と取りましたが、まだまだ気づきはあります。奥が深いです。

3.ソリューションを提供していく(2025年6-10月)

大切にしたこと

まず初動に大きな改善を実現すること

  • 「あ、本当に変わるのかも?」と皆さんに思って頂き、巻き込んでいくには、今までにない速度感とインパクトを出すことをはじめの段階で重要と判断して行いました
  • 具体的には後述もしますが「AI活用の推進」と「基幹システムのコスト低くインパクトある改善内容の実施」の2点です
  • 特に3月から始動しましたDXの動きですが、4月時点で速攻できるものはリリースをして「え?もう?」という反応を頂くことは出来ました

事業所の皆さんが、毎月改善が進んでいる実感を持てること

  • 1,2を通して、すべきことをMECEに並べつつ、優先度をつけますが、その中で特に「毎月着実に改善が進んでいる」の実現を合理性に組み込みました
  • 実際に業務改善が行われることも当然重要ですし、特定のタイミングで一気に変わり過ぎることの負担の大きさもあるので分散することも大切ですし、一緒に毎月こういうテーマで、ここを良くしていくというリズム感を作りたかったため、意識していました

内部プロモーションも十分に意識したこと

  • 「確かに変わっていくから期待しても良いかも、だったら一緒に変えていきたい」という空気感がとても大切なため、全員が集まる会議や、毎月の管理職が集まる会議で、大きな進捗や今後の計画を不確実なものも含めて、できるだけオープンに情報共有をしました
  • 同時に「もっとこうしたい、どうあったらよいか」のグループワークも定期的に入れさせて頂き、ニーズ聞き出しながら、一緒に考える時間を作って、いくことを大切にしました
  • 聞いたもので即反映、即実行できるものはその場で判断し、即行動できるものからする、も行いました

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実際にやったこと

1.AIの活用

1-1. 会議録の文字起こしと要約

  • 前提
    • LITALICOワークスは支援が中心のサービスで「会話を通したコミュニケーションや面談の記録をテキストで整理する」ことが、事業所内での情報共有(支援をより良くするため)と支援の根拠(法令上必須)として必要です
  • 具体的にしたこと
    • とあるAI議事録サービスの導入を決めました。「会話の内容を文字に起こして、それを用意したプロンプトに従って要約する」ものです
    • 「障害福祉特有の言語、法令にも厳密に従い、支援に正しく生きる社内の支援ナレッジを漏らさない」へのカスタマイズ性、「最低限のクリックのみで使える」などのUXの良さ、また「要配慮個人情報を扱うのでセキュリティ面等」での安全性、をなどから選定しました
    • ただし、新規のツールかつAIはまだ不安や懸念も生まれるものと思い、分担して全センター直接オンボーディングを行ってAIの意義やツールの浸透を図りました
  • 結果・現状
    • 事業全体で月間利用率80%前後を推移しているので、ある程度浸透してきたと思います
    • ただ、人によってこのツールの合う合わないは勿論あって然るべきなので、全員必須を目指すより、便利と感じる方ができるだけ増えるような工夫はし、いろんな事例共有しながら皆で使え方考えていこう」くらいの温度感で取り組んできました

1-2. Geminiの活用

  • 前提
    • 全社共通でGoogle for Workspaceを使っていて、Geminiも搭載されているプランなので、コスト面や既存ツールとのシームレスさでもGemini Proを選択しました
  • 具体的にしたこと
    • こちらは全国ヒアリングを行って業務理解を進めながら様々なプロンプトやGemを開発し、順次展開をしています。また事業所にもAIへの興味関心の強さやスキル有る方もいらっしゃるので、一緒に開発・検討も行ってきています
    • また、障害のある方でAIを活用している方も少なくない現状を知って「支援者である我々自身がちゃんとAIを理解し、支援を通して正しく使えるようになるべき」と考えて、早い段階から理解浸透や便利な使い方の開発にも時間を投資しました
  • 具体事例
    • 例えばAI議事録のパートでも書いたように「法令に従って、支援の記録を残す」業務が必要です。より具体的には「行った支援(発言や行動、サポートしたことなどの事実、なぜそうしたのか今後どうするのかなどの見立てや考え)」に関する記録を残します
    • これは現状、UXの良さからGoogleChatで日々の面談や話した記録をリアルタイムに情報共有しながら支援を行う運用が基本になっています(雑多なメモを投げあうイメージ)
    • そこで、「このGoogleChatのメモから、残すべき記録のフォーマットに自動変換する」Gemを作成しました。これによって「支援計画にかかる時間が30-50%削減しだす」事業所も出てきました

1-3. AI図書館

  • 前提
    • GoogleSiteへ、社内ドキュメントが多く保存されています。皆さんGoogleSiteでいろんなマニュアルや基本的な業務などを検索して調べる運用です
    • ただ、分量がかなり多くなってきて、充実している一方、調べるコストが高くなっている問題が発生していました
  • していること
    • AI図書館という名前でプロジェクトを定義し「多くあるドキュメントのチャットUIから簡単に調べられる社内向けのサービスの開発を行っています
    • 現時点ではテスト期間で一部ユーザーのみ利用、精度上げながら徐々に全国展開を行っています。特に「大量にあるドキュメントで古いものを刷新、不必要なものを削除する」などが重要で、そこへ地道に取り組んでいます
2.基幹システムの改善(ソフトウェア)
  • 前提
    • 学習塾をイメージすると近いのですが、基幹システムとは「業務効率化」と「支援品質向上」のために「顧客の台帳管理、スケジュール管理、請求管理、支援の実績管理」などを行うシステムです
  • 改善の観点1つ目
    • 「自働化をする、画面遷移を減らす、入力を減らす」などを中心に、「使う人と使うタイミングが多くて、できるだけ開発工数が少ないもの」を毎月リリースします
    • 小さなことで大きな改善に繋がる事が多々あったので、現場のエンジニアと事業所の皆さんが直接コミュニケーション取って、どんどん解決するリズムを大切にしました
  • 改善の観点2つ目
    • 「抜本的な機能の改革」です。3ヶ月〜6ヶ月ほどの期間はかかるが、事業インパクトが大変大きいものをヒアリング通して4つほどテーマを作りました
    • 抜本的な機能改善になるため、短期の業務変更も一定発生するため、モックやプロトタイプでの細かなヒアリングを通しながら少しずつオンボにつながったら良いなという進め方をしています
3.デバイス周辺の改善(ハードウェア)
  • したこと1
    • 「モバイル端末、集音マイク、ディスプレイ、モバイルプリンタ」など業務効率や支援品質を上げるために役立つと考えたデバイスの基本パッケージを定義して、どんなシーンで役立つかなどの具体例を整理し、選んで使って頂けるようにしました
  • したこと2
    • 「ネットワークやPC」など全員共通で使う業務インフラの老朽化や遅延なども、実はかなり発生していて「言えずに諦めていた」という方が相当量いて、業務負荷やストレスにつながっていることが分かりました
    • 各センター回りながら順次解決、こういう場合には相談して下さいとお伝え続け、解決を進めています。当たり前の業務インフラで馴染んでしまっているため、私自身も本ソリューションに気づいたのはAIやソフトウェアよりも後でした。しかしインパクトが大きい施策だったとやりながら感じています
4.他業務集約と自動化
  • 概要
    • 160近くある各事業所で行っている「利用者さんへの請求書発行業務、書類の送付業務」を、事業所から本部へ集約させることで、事業所負担を減らすという取り組みがありました
  • ITでしたこと
    • 集約した業務は非常に大量になるため、また送付ミスを防ぐため、できるだけシステムでオペレーティブに行えるように、本部で集約した時の発行や送付業務をできるだけ効率的に自動化することにも一定投資をしました

その他補足

全体の流れ

  • 再掲ですが、全体の流れはこんな形です
    スクリーンショット 2025-11-09 23.13.55.png

定例会議や情報共有

  • 週報について
    • 大量の施策が同時多発で動いて、優先度も新たな課題や現状へ気づく度に変動することも多かったので、週報として「今後の方針」「先週の大きなトピック」「今週の大きなトピック」として各カテゴリ(AI、ソフトウェア、ハードウェアなど)ごとにDXメンバー全体に発信していました
  • 定例について
    • テーマごとの定例
      • 各テーマ(ex. AI、基幹システム、デバイス、他自動化)ごとに大体週次で定例を開催し、細かな論点を潰しながら、素早い意思決定や問題解決を行っていました
    • リーダー陣の定例
      • リーダー陣で全テーマに対する進捗とマイルストーンを確認し合う会を週次で持たせていました
    • 補足
      • はじめは全定例に私は入っていましたが、徐々にリーダー陣に権限移譲のような形でお任せして、各テーマごとの定例は出なくなっていくものもありました。その分事業所訪問や新規施策のPoCなどに時間を投資しました

成果や課題など

実際の声としては

  • 面談後の記録整理の時間が半分になった
  • 毎日行っている記録整理の時間が半分になった
  • 連続する面談があっても、各面談に集中しながら記録の精度もあがった
  • 障害のある方のことを考える、話す、見る時間が明確に増えた
  • ちょっとした業務の手間の削減だが、ストレス的には大きく削減された
  • AIの観点によって、より多様な視点で支援を考えられるようになった

などの声を上げて下さっています。

一方

  • AIをみんな使うが、まだイメージが分からなくて置いてけぼりになる気がしている
  • 便利になる人がいる一方、自分は今のやり方がよく、疎外感が生まれそう
  • 変化が多くて、追いつけるか分からないし、今は追いつけていない

なども声もあって、全体での改善の速度感は保つべきと思いますが、全員が安心して所属感や自分らしい働き方で成果を出せるあり方は実現できるべきなので、声をできる限り拾いながら(事業所見学やチャットでの声掛け)、個別フォローの機会(ショートでの説明会や勉強会)を地道にチームで行って、事業所内で自然と教え合って、広がっていくまで粘り強く行いたいです。

また、短期的な残業時間が適切な指標でもないですし、DX以外にも様々な変化が起きているので、短期はヒアリングや各ツールの利用時間などから課題が確実に解決されているかを見ています。

事業戦略に基づく、業績やNPSや従業員満足度などの多面的な観点で見るべきとか投げるので、今期末ほどに改めて今期の取り組みの評価は行います。

最後に

改めて振り返って

  • 顧客(今回は自社事業所)の理解を徹底的に行うこと
  • 小さく少しずつ試して、成功事例を作り、少しずつ展開をすること
  • 一緒に変えていく仲間をどんどん増やし、自然と広がる空気感を作ること

この3点がポイントでした。

また生成AIの台頭により、ツールやテクノロジーの導入や開発ハードルが下がってきていて、DXを進めるためのPoC・成功事例の開発速度が何倍、何十倍にもなった印象です。

ただし、進化が早すぎて片手間では到底追いつかないので、AIのプロフェッショナル組織や人材がLITALICOにもいるため、その存在がかなり大きかったです。

このように、社内の様々な力が集まり、何より事業所の皆さんのご協力あってこそ、ここまで進めてこられたので、誇らしい文化とチームだなと思うと同時に、とっても感謝しています!

まだまだ改善できること、他事業にも展開していきたいので、来年もより一層加速させて行きます!

こんな株式会社LITALICOですが、もしご興味もってくださったらぜひ一度お話しましょう。
ご連絡ください。
X(旧Twitter): @ka_me_sen_nin

それでは、明日(12月2日)のLITALICOのアドベントカレンダーは

  • @nonikeno : 「あなたの仕事って100年残る?」と妻に聞かれて気づいたテーブル名の恐ろしい真実
  • @litalico-naoki-nishiyama : アシスタントマネージャーの仕事さん:
  • @kazuis : 3匹のこぶたから学ぶポストモーテム

の3記事です。

今年のLITALICOのアドベントカレンダーも様々な記事をお送りしていきます!
お楽しみに!

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