ここ数年、スマートフォンの新機種発表を見ていて、強く感じることがあります。
それは、「もう進化の方向性が見えなくなっているのではないか」という疑問です。
CPUは毎年のように高速化され、カメラは高画素化し、AI機能も追加されています。
しかし、それらの進化を日常生活の中でどれほど実感できているでしょうか。
正直なところ、多くの人にとってスマートフォンは、最低限の電話・メッセージ・SNS・Web・決済ができれば十分な存在になっているように思います。
15万円のスマートフォンは、本当に必要なのか
現在のハイエンドスマートフォンは、価格が15万円前後するものも珍しくありません。これはもはや、ちょっとしたノートPCに匹敵する金額です。
その一方で、スマートフォンの使い道はというと、日々の連絡、ちょっとした調べ物、写真撮影、電子決済といった用途が中心です。
この用途に対して15万円という価格を支払うことに、割に合わなさを感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
性能が高すぎるがゆえに、その価値を使い切れていない。 これは、技術が成熟したときに必ず起こる違和感だと思います。
スマートフォン市場は「二極化」していく
今後のスマートフォン市場は、おそらく二つの方向に分かれていくと考えています。
ひとつは、動画制作やゲーム、AI処理など、 明確な目的を持つ人のための超高性能・高価格モデルです。
これは「スマートフォン」というより、もはやポータブルコンピュータに近い存在でしょう。
もうひとつは、必要最低限の機能に絞った、割り切り型の端末です。 連絡手段としての役割を果たし、認証や通信の基点として安定して使えることが重要になります。
ここに、かつての「ガラケー的ポジション」が再び生まれる余地があるのではないかと感じています。
「今どき仕様のガラケー」があったら欲しい
もし、現代の技術を前提としたガラケーがあるなら、ぜひ使ってみたいと思います。
Bluetoothやテザリングに対応し、eSIMも使える。 バッテリーは数日どころか、1週間以上もつ。そして、マイナンバーカードやSuicaなどの機能も兼ねている。
物理キーがあり、操作は直感的で、価格は高くてもせいぜい3〜4万円程度。
そして、かつてのガラケーのように、薄くて、軽くて、持ち歩くのが便利なのがいいです。すべてを1台で完結させるのではなく、 通信と認証に特化した「軽くて堅牢な端末」としての位置づけです。
スマートフォンが主役ではなく、クラウドと周辺デバイスをつなぐハブになる、そんな役割で十分ではないでしょうか。
クラウド前提の時代に、端末は薄くていい
現在は、データもアプリも、処理の多くもクラウドにあります。 生成AIの登場によって、この傾向はさらに加速しています。
そうなると、端末側に求められるのは、高性能なCPUや大容量ストレージではありません。
安定した通信、安全な認証、そして最低限の入出力。それさえ満たしていれば、多くの作業はクラウド側で完結します。
この前提に立てば、「全部入りの高性能スマートフォン」が高価である必然性は、以前ほど強くありません。
責任ある企業がしっかり保証やセキュリティに責任を持ってほしい。
なんでも、最近Panasonicが欧州でガラケーを販売し、そこそこ売れているそうですが、仕事で使う携帯電話のようなものは、安ければいいというものではなく、仕事で使う上では、高くてもちゃんと品質やセキュリティに責任を持ってくれる企業のものを買いたいものです。
Panasonicはスマートフォン市場から撤退してしまいましたが、前述のようなガラケーを販売してくれて、なおかつAppleCareのようなしっかりしたバックアップ体制があったら、買いたいと割合真剣に思う今日この頃です。
私はiPhoneユーザーですが、最近の不必要にでかくて、高いのは正直うんざりしています。ましてや、折れ曲がるとかいらないです。そういうおもちゃみたいな機能はもとめておりません。
かつてのMSXのような携帯電話はできないものか?
Panasonicに限らず、富士通でも、SONYでもいいから、こういうモデルを発売してくれないでしょうかね。
かつて、パソコンがまだ8ビットが主流だったころ、MSXという世界共通のPCの規格が日本の家電メーカーとマイクロソフトの協力によって開発された経緯がありましたが、こういうものをもう一度携帯電話でやってくれないでしょうか。
今では信じられませんが、かつてはMSXという規格で世界中の家電メーカーが同一のソフトが使えるPCを出していたのです。
OSはLinuxか、それとも全く別なものか…はわかりませんが、メーカーはOSを共有し、ハードは各社独自に開発する。PanasonicでもPhilipsが出してもいい。そうすると、割合安心して買えると思うのですが。
そういうのは難しいのかな。
技術が成熟すると、原点回帰が起こる
技術の歴史を振り返ると、成熟期には必ず「揺り戻し」が起こります。
高機能化を突き詰めた後に、シンプルさや扱いやすさが再評価されるのは、決して珍しいことではありません。
スマートフォンも同じ道をたどる可能性があります。「できることが多い端末」から、「ちょうどいい道具」への回帰です。
おわりに
スマートフォンは、今や生活に欠かせない存在です。
しかし同時に、その進化の方向性や価格が、本当に自分に合っているのかを考える時期に来ているとも感じます。
すべてを詰め込んだ15万円のスマートフォンを選ぶのか。
それとも、割り切った今どき仕様のガラケーを選ぶのか。
技術が成熟した今だからこそ、 「何が必要で、何が不要なのか」を見直す価値があるのではないでしょうか。