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「Workspace.jp」の必要性 〜 Linux部構想のその先にあるもの 〜

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以前、私は「中学・高校にLinux部を作ろう」という記事を書きました。

なぜそんなことを考えたのか。その背景のひとつに、私が密かに構想しているWorkspace.jpというビジョンがの布石のためです。

なぜWorkspace.jpなのか

現在、学校や企業で利用されているクラウド基盤の多くは、Microsoft のライセンス、あるいはGoogle のライセンスに依存しています。

Microsoft 365Google Workspaceは非常に優れたサービスですし、私自身も日々活用しています。

しかし、冷静に考えると、日本国内の行政機関や企業、教育機関の重要なデータが、海外企業の仕組みの上に成り立っているという構造でもあります。もちろん、これらの企業は高いセキュリティ基準を満たしています。しかし、「安心」の定義は単なるセキュリティ性能だけではありません。

  • 法制度の違い
  • データ主権の問題
  • 地政学的リスク
  • 将来的な価格改定リスク

こうした観点を考えると、「日本国内で、日本人や日本企業が安心して個人情報や企業情報を管理できる枠組み」を本気で考える時期に来ているのではないでしょうか。

その一つの構想が、私の考えるWorkspace.jpです。

Workspace.jpとは何か

Workspace.jpは、特定の一企業が支配するサービスではありません。私は次のようにあるべきだと考えています。

  • 仕組み自体はオープンソース
  • 世界中の有志が開発に参加可能
  • 日本国内の官民が協力して運営・管理
  • 基盤技術は Linux を中心とする

という構想です。

そのベースにある思想は、Linux が持つ「オープンであること」の精神です。

Linuxは特定の企業の所有物ではありません。世界中の開発者が改良を重ね、企業も、個人も、利用できるインフラとなりました。その結果、サーバー、スーパーコンピュータ、スマートフォン、クラウド基盤など、あらゆる場所で利用されています。

Workspace.jpも同じ思想で構築できるはずです。

官民連携モデルという発想

Workspace.jpは「国営」にするという意味ではありません。また、単なる「民間サービス」でもありません。理想的なのは、官民が協力し、

  • データの保管は国内データセンター
  • ソースコードは公開
  • セキュリティ監査は複数機関が実施

標準仕様を策定し、複数ベンダーが実装可能という形です。

  • 特定企業依存を避けつつ、競争原理も働く。
  • しかし、基盤そのものは日本社会が共同で守る。

そうした「デジタル公共インフラ」が必要なのではないでしょうか。

これは、結果的にいわゆる ソブリン・クラウド(Sovereign Cloud) と呼ばれるものになるのでしょうが、これを実現する仕組み自体をオープンソース化し、世界共通の財産とするのが良い、と考えています。

どの国も自国のデータ主権には関心があるものの、おそらく米国と中国以外に一国だけでこの仕組みを作ることが出来ない、と私は考えています。

だったら、みんなで作ればいいわけです。

なぜLinux部なのか

では、なぜ中学・高校にLinux部を作ろうとしたのか。

それは、このような基盤を将来本気で作るには、単に「サービスを買う側」ではなく、「仕組みを理解し、作れる人材」が必要だからです。

オープンソースを理解し、プロトコルやサーバーの仕組みを理解し、セキュリティを自分たちで議論できる人材を育てる。

それがなければ、どんなに理想を語っても、実装できません。

デジタル主権という視点

また、世界各国が「データ主権」を意識し始めています。AI時代になればなるほど、データは国家の基盤そのものになります。

日本も、

  • 半導体
  • エネルギー
  • 食料
  • 通信

と同じレベルで「クラウド基盤」を考える必要があるのではないでしょうか。

Workspace.jpは、その第一歩のアイデアです。

なお、日本国民や企業が利用すべき枠組みを世界中で作るというのは、変に思われるかもしれませんが、枠組み自体世界共通で、例えば、イギリスで利用されれば「Workspace.uk」、韓国で利用されれば「Workspace.kr」でもいいわけです。

デジタル主権は世界共通の課題

つまり、各国のオープンソース開発者たちが、自分たちの国や地域のデジタル主権を守るために、共通の枠組みを作り、それを自分たちの国で運営するのです。

現在、インターネットの仕組みであるDNSやメールサーバーであるSMTPやIMAPなども、もともとはオープンソースであり、世界中の人々の手によって開発されてきましたが、これと同様にデジタル主権を守る枠組みを、世界中の人たちの手で作り、共同で運営するわけです。

ただ、デジタル主権となると、単にオープンソースのアプリケーションを開発するだけでは不十分で、データセンターや運営するためのルール、そして関連する法律や社会制度の整備が必要です。

排除の論理はとらない

だからといって、すでにあるマイクロソフトやGoogleの仕組みを排除する、というわけではありません。民間企業などではこう言った仕組みを利用したほうがいい場合もあるわけですし、両者の仕組みはなんだかんだい言って上手に共存しています。

それと一緒で、新しく作る「Workspace.jp」も既存の仕組みと共存でき、都合よく切り替えて利用できるようにすればいいわけです。

終わりに

これは単なる妄想かもしれません。しかし、Linuxも最初は一人の学生のプロジェクトから始まりました。
もし将来、日本発のオープンなデジタル基盤が生まれるなら、それは「誰かが言い出した瞬間」から始まります。

私は、その種をまいてみたいと考えています。

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