最近、研修講師として日本各地を回る日々が続いています。
ありがたいことに案件も増えており、特にここ1年で圧倒的に増えたのが「生成AI研修」です。
企業規模や業種を問わず、生成AIの活用はもはや避けて通れないテーマになっていると強く感じています。
生成AI研修が急増している理由
現場で感じるのは、企業側の危機感の高さです。
- 社員がAIを使えないと競争に負けるのではないか
- 業務効率が他社に比べて遅れるのではないか
- DXを進めたいが、何から始めればいいかわからない
こうした背景から、生成AI研修のニーズは一気に高まっています。講師を張っていてはっきりわかるのが、使いこなせる人と、そうでない人です。これは、研修をしていて、はっきりと分かれるポイントがあります。
それは受講者の「質問の質」 です。
使いこなせる人の特徴
生成AIを使いこなせる人は、すでに使っており、かつ質問が具体的です。前提条件を整理しており、試した結果を踏まえて質問してきます。
何より「何を実現したいか」が明確です。
例えば
「このプロンプトで〇〇をやりたいのですが、△△の部分だけ精度が出ません。改善方法はありますか?」
といった具合です。このレベルの質問が出てくる方は、ほぼ例外なく成長が早いです。
私が言うのもなんですが、研修で私が教えるまでもないレベルの方です。
使いこなせない人の特徴
一方で、そうでない方もいらっしゃいます。少し率直な言い方になりますが、表情や様子を見れば分かることも多いです。
- 何を質問していいかわからない
- AIに対して受け身です
- 試行錯誤をしない
- 「とりあえず使ってみた」で止まっている
結果として、質問がこうなります。
「うまくいきません…」
これでは、改善のヒントを出すのが難しくなってしまいます。この差は、将来のキャリアの差になる可能性があります。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私はこう感じています。
この差は、そのまま「仕事を続けられるかどうか」の差になる可能性があります。
なぜなら、今後の業務環境は大きく変わっていくからです。
DXが進むと仕事はどう変わるのか
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進むと、オフィス業務は次のように変わります。
- 定型作業 ... AIやシステムが実行
- データ処理 ... 自動化
- レポート作成 ... AIが生成
つまり、人間は作業者ではなくなります。人間の役割は監視とメンテナンスになるのです。
つまり今後、人間の仕事は主に以下のようになります。
- AIの出力結果のチェック
- 異常の検知
- 改善の指示
- システムの調整
つまり重要なのは、AIを使いこなす側に回れるかどうかです。従来型スキルは価値が下がっていきます。
例えば、紙の書類を封筒に丁寧に入れてきれいに封をするとか、書類の棚を整理するとか、正確にデータ入力ができるとか…。
要するに
- 手作業でのデータ入力
- 単純な資料作成
- 決められた手順の繰り返し
といったスキルは、今後急速に価値が下がっていくと考えられます、というか、今、この瞬間も目に見えて下がっています。なぜなら、AIの方が速く、正確で、疲れないからです
なぜ差が生まれるのか?
研修を通じて感じたのは、差の本質は単なるスキルではないということです。
それは、「考え方」と「向き合い方」の差 です。
- 使いこなせる人 → AIを「道具」として使用
- 使いこなせない人 → AIを「魔法」のように扱う
この違いが、結果の差につながっています。もう少し丁寧に説明すべきかもしれません。
正直なところ、研修をしながらこう感じることがあります。「この部分は、もう少し丁寧に説明した方がよいのではないか?」特に以下の点です。
- なぜプロンプトの質が重要なのか
- なぜ試行錯誤が必要なのか
- なぜ質問の質が重要なのか
これらを理解しないまま使おうとしても、うまくいかないのは当然です。ちなみに、これらをまともにやろうと思うと結構大変です。生成AI自体はすさまじい勢いで進化していますが、結局は使いこなせるようになるにはかなりの努力が必要です。
現状では、入門講座が多いため、この域には達せていませんが、将来的にはこういう研修をより精密に行うことが必要になるかもしれません。
まとめ
生成AIの普及によって、仕事の前提は大きく変わりつつあります。そして、その中で明確に見えてきたことがあります。
使いこなせる人とそうでない人の差は大きいです。その差は今後さらに拡大する可能性があります。その差はキャリアに直結する可能性があります。
だからこそ重要なのは、「AIをどう使うかを考え続ける力」です。
生成AIは、誰でも使えるツールです。しかし、誰でも「使いこなせる」わけではありません。この違いに気づけるかどうかが、これからの分岐点になるのかもしれません。