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「次のアジェンダに進みます」は英語的に正しい?

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はじめに

ビジネス会議でよく耳にする「次のアジェンダに進みます」という表現。この日本語は英語的観点から見て正しいのでしょうか?実際にリサーチした結果、この表現には大きな問題があることが判明しました。

結論

「次のアジェンダに進みます」は英語的観点から見て不自然で間違った表現です。

主な問題点

1. 「アジェンダ」の意味の根本的な誤解

「アジェンダ」とは、直訳すると「やるべきこと・議題の一覧表」のことを指します。つまり、「アジェンダ」自体は議題全体のリスト・計画書を意味し、個別の議題項目ではありません。

英語の辞書によると、agendaは以下のような意味を持ちます:

  • 協議事項、議事日程
  • 予定表
  • 検討すべき課題の一覧

2. よくある間違った使い方の例

早稲田大学の英語教師ダスティン先生の指摘によると、日本人がよく間違える例として以下があります:

間違い: "I have many agendas today."(今日はアジェンダがたくさんある)
正しい: "There are many things on my agenda."(私のアジェンダには多くのことがある)

この例からも分かるように、agendaは「リスト」そのものを指すため、複数の個別項目として扱うのは不適切です。

正しい英語表現

「次の議題に進みます」の正しい英語表現

  1. "Let's move on to the next item on the agenda."

    • 最も標準的で適切な表現
  2. "Let's move on to the next topic."

    • シンプルで分かりやすい表現
  3. "Next on the agenda is..."

    • 次の議題を紹介する際の表現
  4. "Why don't we go to the next item?"

    • より丁寧な提案の表現

その他の会議進行で使える表現

  • "Shall we move on to the next topic?"(次の話題に移りましょうか?)
  • "Let's proceed to the next item."(次の項目に進みましょう)
  • "Now let's turn to the next point."(では次のポイントに移りましょう)

英語の「agenda」の正しい理解

語源と本来の意味

  • 語源: ラテン語の「agendum」(なされるべきこと)の複数形
  • 現代英語: 単数として扱われることが多く、複数形は「agendas」

正しい使用例

  • "What's first on the agenda?"(議題の最初の項目は何ですか?)
  • "The agenda for the meeting was posted."(会議の議題が掲示された)
  • "Has everyone received a copy of the agenda?"(皆さん、アジェンダはお手元にありますか?)

日本語での誤用が生まれる背景

カタカナ語としての変化

日本語では「アジェンダ21」など政策文書の名称として使われることが多く、「アジェンダ」が個別の課題や項目を指すような使い方が定着しました。しかし、これは英語本来の意味からは逸脱した用法です。

ビジネス現場での混同

外資系企業やIT業界では英語の「agenda」がそのまま使われることが多いため、日本語化した「アジェンダ」との意味の違いが曖昧になってしまっています。

まとめ

「次のアジェンダに進みます」は日本語としては通用するかもしれませんが、英語的観点では不正確な表現です。正しくは「次の議題に進みます」を英語では "Let's move on to the next item on the agenda" と表現するべきです。

ビジネス英語では、このようなカタカナ語の誤用が多く見られます。英語本来の意味を正しく理解し、適切な表現を心がけることが、国際的なコミュニケーションにおいて重要です。

参考サイト

英語辞書・学習サイト

ビジネス英語専門解説

会議進行の英語表現

日本語におけるカタカナ語解説


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