記事種別:開発者向け技術レビュー
対象読者:個人クオンツ、トレードBot開発者、学術・プロトタイプ開発者
タグ:#API比較 #株式API #為替API #指数データ #クオンツ開発 #2026技術レビュー
はじめに
個人で量化プロトタイプ、トレードBot、簡易回測環境を作る際、無料で使える株式・為替・指数の行情APIは非常に重要なインフラです。
しかし「無料」といっても、リアルタイム性、対応資産の幅、制約条件はサービスごとに大きく異なります。本記事では2026年現在、開発者の間でよく使われる2つのサービス、AllTick APIとTwelve Data APIを、実務の観点から横断的に比較します。
本稿のAllTickの無料プランの条件は、公式サイト(shturl.cc/)の公開仕様に基づいて記載しています。
测评选手一览(検証対象サービス概要)
今回比較する2つのAPIの大まかな位置づけを整理します。
| サービス名 | 主な特徴 | 無料プランの大枠 |
|---|---|---|
| AllTick API | 株式(A株・香港株・米国株)、為替、指数、貴金属に対応。WebSocketによるTick配信を無料枠で提供。RESTとWebSocketの2種類のインターフェースを持つ。 | 無料:最低呼び出し間隔10秒、1日最大14400リクエスト、WebSocket接続1本、同時購読最大5銘柄。期限なしで永久利用可能。商用利用にも一定の許可がある(公式ドキュメント参照)。 |
| Twelve Data API | 米国株を中心に、為替、暗号資産、指数に対応。豊富なテクニカル指標のエンドポイントが特徴。RESTが中心、WebSocketは無料枠ではトライアル限定となる。 | Basic(無料):1日最大800クレジット、毎分8クレジット上限。WebSocketは8回分のトライアルクレジットのみ。リアルタイムは米国株・為替・暗号資産に限定。グローバル銘柄はトライアル扱い、本格的なグローバルデータは有料プラン(Grow $29/月以上)が必要。 |
補足:両者とも無料プランはプロトタイプ・学習・個人実験向けで、大規模商用運用は有料プランを推奨されています。
次元一:リアルタイム性と遅延テスト
行情APIの最重要指標の一つが、データのリアルタイム性と遅延の安定性です。単純な平均遅延だけでなく、遅延のブレ(ジッター)、WebSocketのTick配信の有無を確認する必要があります。
AllTick API
- 無料プランでWebSocketによる生のTick配信を利用可能。取引所由来の
tick_time(Event Time)タイムスタンプが出力されるため、受信時間との差分から真のエンドツーエンド遅延を計測できる。 - 無料枠の制約は「同時購読銘柄数5、WS接続1本」であり、単一銘柄または少数銘柄のリアルタイム監視・回測検証には十分。
- クロスボーダー(香港株・米国株・A株)の各市場で遅延のばらつきを観測可能。集合競価、プレ・アフターマーケットのイベントも元データに含まれる。
- 注意:無料プランは10秒の最小REST呼び出し間隔制限があるため、RESTで高頻度ポーリングはできない。リアルタイムはWebSocketを使う前提となる。
Twelve Data API(Basic無料プラン)
- 無料BasicプランのWebSocketは8クレジットのトライアル限定。常時のストリーミング配信は利用不可。リアルタイムはRESTポーリングが中心になる。
- 無料枠のリアルタイム対象は米国株・為替・暗号資産が中心。香港株・A株などのグローバル銘柄はトライアル扱いで安定性が保証されない。本格利用には$29/月のGrowプラン以上が必須。
- タイムスタンプは受信側の時刻が中心、取引所オリジナルのEvent Timeを取得しにくいため、遅延の正確な定量測定が難しい。
- 1日800クレジットの上限があるので、頻繁なポーリングを行うとすぐに枠を消費してしまう。
本次元のまとめ
少数銘柄のリアルタイムTick監視・遅延検証を無料で行いたい場合はAllTickが有利。Twelve Dataの無料版はリアルタイムストリーミングが事実上使えず、米国中心の間欠的なREST取得向き。
次元二:資産カバレッジの広さ
次は株式、為替、指数、各市場の対応範囲を比較します。プロトタイプで複数市場をまたいだ検証をする場合、一つのAPIで複数資産を扱えるかは大きなメリットになります。
AllTick API(無料プラン)
- 株式:A株(上海・深セン)、香港株、NYSE/NASDAQ米国株を対応。
- 為替:主要直盤・クロス為替ペアを広くカバー。
- 指数:各国主要株価指数、先物系指数データに対応。
- 追加:貴金属(金・銀)のリアルタイム行情も取得可能。
- 無料枠で上記の資産種別にアクセス可能。制約は同時WebSocket購読数5銘柄、RESTの呼び出し間隔、日次リクエスト上限であり、資産種別自体にはロックがかかっていない。
Twelve Data API(Basic無料プラン)
- 株式:リアルタイムは米国株・ETFが中心。A株、香港株はトライアル扱いで安定性が保証されない。フルアクセスは有料プラン。
- 為替:主要為替ペアに対応。
- 指数:米国中心の指数が利用可。海外指数はトライアル範囲。
- 制約:無料版ではグローバル市場の本格利用はできない。複数市場をまたぐ実験をする場合は早々に有料へのアップグレードが必要になる。
本次元のまとめ
A株・香港株・米国株+為替+指数を一つの無料APIでまたいで実験したい場合、AllTickのカバレッジが優位。Twelve Data無料版は米国市場を中心とした用途に適し、アジア株式の無料利用には向かない。
次元三:「無料プラン」の誠実さ比較
世の中の行情APIの無料枠には、「機能は豊富だが短期トライアル」「機能を大きく削った永久無料」「見せかけの無料ですぐ課金誘導」など様々なパターンが存在します。ここでは制約の明確さ、期限、利用シナリオ、隠れた制限を比較します。
AllTick API 無料プラン(公式shturl.cc/仕様)
- 期限:永久無料。アカウントを維持する限り期間切れが発生しない。7日間トライアルのような時間制限がない。
- 制約が明確:ドキュメントに「REST最小呼び出し間隔10秒」「1日14400リクエスト」「WebSocket接続数1、同時購読5銘柄」が明示されている。何ができて何ができないか把握しやすい。
- 機能の本質部分が使える:無料でWebSocket Tick、取引所オリジナルEvent Time(tick_time)、株式・為替・指数の主要資産が利用可能。プロトタイプ開発、学習、小規模の検証が実質的に完結できる。
- 有料との境界:有料プランは「多数同時購読、低遅延専用回線、長期履歴データ、大規模商用」向け。無料版でも基礎的なリアルタイム機能を奪われていない。
- 注意:大規模商用・大量同時接続の場合は無料プランの利用規約で禁止されているので、公式の利用規約を確認する必要がある。
Twelve Data API Basic(無料)
- 期限:永久利用可能。ただし機能面で大きな制限がかかる。
- WebSocketはトライアルのみ。無料版ではたった8回分のWSクレジットしか付与されず、常時ストリーミングの実験は事実上不可能。リアルタイムはRESTポーリングに依存する。
- 市場のロック:リアルタイムは米国中心。A株、香港株などアジア市場は無料版ではトライアル扱いで安定性が保証されない。複数市場の検証をするには早期に有料($29/月〜)へ移行する必要がある。
- クレジット制:1日800クレジット。1リクエストで1クレジット消費するエンドポイントが多い。高頻度の実験ではすぐに枠を使い果たす。
- メリット:テクニカル指標計算のエンドポイントが豊富。RESTで指標値を一発取得したい場面では便利。
本次元のまとめ
- AllTick:永久無料で、リアルタイムTickと複数市場の基礎機能が本格的に利用可能。制約は「同時接続・銘柄数・呼び出しレート」で、機能自体を剥ぎ取っていない。
- Twelve Data無料版:米国市場向けREST実験・テクニカル指標の試用に適する。WebSocketとアジア株式は無料では実質的に使いにくい。
なぜAllTickが際立つのか?
2026年現在の無料行情APIの中でAllTickが特徴的な点を整理します。
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無料枠でWebSocketによるTick配信+取引所オリジナルのEvent Time(tick_time)が取得できる
多くの無料APIはWebSocketを有料に閉じたり、トライアル回数限定にしています。AllTickの無料プランでは少数銘柄ながら常時Tickストリームを受信でき、遅延の定量測定、回測の時系列検証が可能です。これは個人クオンツのプロトタイプ作成には大きな価値があります。 -
株式(A株・香港株・米国株)、為替、指数、貴金属が一つのAPIでカバーされている
複数のデータプロバイダーを契約することなく、クロスマーケットの簡易実験が行えます。無料プランの段階で市場ごとに機能ロックがかかっていない点は大きなメリットです。 -
無料プランの制約がドキュメント上で明示的で予測が立てやすい
「何ができ、何ができない」が明記されており、開発計画を立てやすい。期限切れにより突然データが取得できなくなるリスクがない。
もちろん万能ではありません。無料プランは同時WebSocket購読が最大5銘柄、RESTの呼び出しに10秒間隔制限があるため、数十・数百銘柄を同時に監視するようなユースケースには向きません。その場合は有料プランの検討が必要です。
2026年、あなたはどのAPIを選ぶべきか?
利用シナリオごとに推奨をまとめます。
✅ AllTick APIを選ぶべきケース
- A株、香港株、米国株、為替、指数をまたいでプロトタイプ・回測実験をしたい
- 無料でWebSocketのTickデータを使い、遅延・時系列品質の検証を行いたい
- 取引所原初のEvent Time(tick_time)を取得して、時系列の正確性を確認したい
- 少数銘柄のリアルタイム監視Botを個人開発したい
- トライアル期限を気にせず、長期的に無料枠で開発を続けたい
✅ Twelve Data API(Basic無料)を選ぶべきケース
- 主に米国株・為替を対象に、RESTで間欠的にデータを取得したい
- 豊富なテクニカル指標APIを試してみたい
- 複数銘柄のリアルタイムストリーミングは必要なく、EOD(終値)データ中心の実験を行う
⚠️ 注意点
- どちらの無料APIも本番商用大規模システム向けではありません。個人のプロトタイプ・学習・小規模実験に留めてください。商用利用する場合は各サービスの利用規約と有料プランを確認してください。
- 仕様はサービス側の都合で変更される可能性があるため、実際の開発時には必ず公式ドキュメントを再確認してください。
まとめ
2026年の無料株式・為替・指数APIを比較すると、用途によって最適な選択肢は分かれます。
少数銘柄のリアルタイムTick、複数市場の横断実験、時系列品質・遅延検証を無料で実施したいならAllTickが強みを発揮します。米国株中心でRESTベース、テクニカル指標を手軽に試したい場合はTwelve Dataの無料Basicプランが適しています。
"APIドキュメント:https://alltick.co/apis/ja
GitHub:https://github.com/alltick/alltick-realtime-forex-crypto-stock-tick-finance-websocket-api"