はじめに
こんにちは。
こんな↓記事を書くぐらいコミュニケーションを最小にしたいプレイングマネージャです。
元々は最低限のコミュニケーションすら取れていなかった人間なのですが、どうやって取れるようになったんだろうと、ちょっと記憶を辿ってみようかと思います。
『聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥』とは言うものの…
なんとなく人に質問するのが苦手でした。
ありがたいコトワザを聞いたり、啓蒙本やハウツー本を読んで質問ができるようになれば簡単ですが、人間はそんなに便利にできていないようでした。1
わたしの場合は、『聞くタイミングが分からない』、『聞くのが恥ずかしい』といった課題がありました。
『聞くタイミングが分からない』問題は、「設計者と開発者は、当然と考えるものが違う」ことに起因していたかと思います。
設計者はAのつもりで書いたけど、開発者はBのつもりで実装してしまうが、お互いに当然と考えているため質問や確認を行いません。
設計者は身の回りにあるソフトウェアが持っている機能は実装されると考え、開発者は一番シンプルに実装できる方法で実装をすると考えがちです。
開発者の仕事は設計通りに実装することですが、見積もりを超える実装にはできません。シンプルな実装でよいのか、追加費用が発生するが追加の実装をするのかをうまく確認する必要がありますが、どのような確認結果が返ってくるかは分かりません。
『聞くタイミングが分からない』、『聞くのが恥ずかしい』問題を合わせて『未知や不確実性への恐怖』問題として掘り下げてみます。
『未知や不確実性への恐怖』問題
例えば、誰かに新たにバンジージャンプをやらせることを考えます。2
バンジージャンプをやったら新たな体験は得られますが、怖いし、やらなくても困らないです。
この人にバンジージャンプをやらせるにはどうしたらいいでしょうか?
-
バンジージャンプの素晴らしさを説く?
「素晴らしい」 >>>> 「怖い、やらなくても困らない」と思える程度に説得できれば気持ちが動くかもしれませんが、相手が未経験のコトの素晴らしさを体験する様に促す様に伝えるのはかなり難易度が高そうです。
相手に体験を促すためには「分からない人に分かる」様にプレゼンするスキルが必要だからです。
例えば、『AC6というゲームはストーリーが染みるしアセンブルが面白い』という文章は、分かる人にしか分からない、説得の役に立たない文章と言えるでしょう。3 -
怖さを取り除く?
人は未知に対して恐怖を抱く様にできている、という心理学的な研究がなされているようです。
自分の経験を元に「意外と怖くなかった!」というのは、体験した結果に対する感想なので、「未知への恐怖」の説得の材料にはならなそうです。
考察を深めるために、GPT先生にも聞いてみることにします。4
(ChatGPT)
未知や不確実性に対する恐怖心を軽減するためには、以下の方法が役立つかもしれません。ただし、個人差や状況により効果が異なることに注意してください。
知識の獲得: 不確実性や未知に対する恐怖は、理解不足から生じることがあります。関連する情報や知識を獲得することで、状況を理解しやすくなり、不確実性に対する恐怖感が軽減される可能性があります。
新しい経験の積み重ね: 新しい経験を通じて、未知や不確実性に対する抵抗力をつけることができます。新しい状況や挑戦に積極的に取り組んでみることで、徐々に恐怖感が減少するかもしれません。
マインドフルネスやリラクゼーション技法の実践: マインドフルネスや深呼吸、瞑想などのリラクゼーション技法を実践することで、不安や恐怖感を軽減させることができます。これらの技法は心を落ち着かせ、冷静に物事を受け入れるのに役立ちます。
自己認識と向き合い方の見直し: 自分の価値観や信念を再評価し、未知に対する恐怖がどのようにして生まれるかを理解することが重要です。自分と向き合い、ポジティブな自己評価を促進することで、恐怖感を和らげることができます。
専門家の協力: 必要であれば、心理療法やカウンセリングを受けることが有益です。専門家との対話を通じて、不安や恐怖に対処するスキルを向上させることができます。
これらの方法は一般的なアプローチですが、具体的な状況や個人の状態によっては、効果が異なる可能性があります。個々のケースに合わせて適切な対処法を見つけることが大切です。
専門家はお金がかかりそうなので 5.
は除外しましょう。
3.
や 4.
は自己解決の手段で他者の説得には使えないので除外となりますが、自分の課題を解決する時には役に立ちそうなので覚えておくことにしましょう。
残るは、1.
と2.
ですが、1.
は素晴らしさを語る路線、2.
はとりあえずやってしまえ路線といったところでしょうか。
やらないと困る
ここらでようやくタイトル回収となりますが、やらないと「コラ」って言われる状況を作れたらどうでしょうか。
すなわち、「やらないと困る」状況を人工的に作れたらやれるのかという考察です。
「コラ」って言われるのがイヤというネガティブな理由でも、一度でも実践してもらえたら、2.
のとりあえずやってしまえ路線での新しい経験を積み重ねることもできますし、実際に体験することで、1.
の知識の獲得も達成できることになります。
他社からの「コラ」と自社の「コラ」
わたしの場合は、質問や確認を怠った結果「思ってたんとちゃう空中戦」をお客様と繰り広げる結果になってだいぶ大変な思いをしまして、「これは聞かないとダメなこと」とかを図らずも学ぶこととなりました。
一方で、現代は失敗に不寛容なので、若い頃からお客様と直接やり取りする機会が少なくなりがちです。
という環境下では、若手が 『未知や不確実性への恐怖』を含む課題に対してアクションしていない場合には 、上司やメンターが「コラ」って言って大変な思いをさせないと、代わりになる学びの機会が発生しないことになることが懸念されます。
ただ、お金で契約している他社のメンバーと、同じチーム内の自社のメンバーでは関係性が違うため、自社内で同じ体験は作れないですし、他人に「コラ」って言うのはそもそも大変です。
おわりに
昭和の頃だと無差別にコラって言う人はたくさんいたと思うのですが、最近では心理的安全性に重きが置かれたりしてあまり見かけない様に思います。5
平和になったのはよいことなのですが、業務上必要なスキルを身につけるための機会が減ってしまっているのであれば、それは困ったことだなあと思いました。
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