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結論から報告すればよいわけでもないを考察してみた

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はじめに

こんなやり取りがあったとします。

部下「右手に棒状の物を2本持ちました。その後、右手を前に出しぶよっとした茶色い物体をつまみ、しげしげと見つめました。」
上司「結論から話して?」
部下「すげー美味しかったです!」
上司「」

若干謎な例文ですが、日常で割と発生しているやり取りかなと思います。
これについて少し回りくどく考察してみたいと思います。

「すげー美味しかったです!」は結論?

部下としては結論を語っている様に見えますが、なんとなく釈然としません。

とりあえず、この部下が取ろうとしているコミュニケーションの種類を考察してみましょう。

  • 報告・共有(重要度:★☆☆)
    自分のタスクの進捗などを共有する。
    これを適切に行わないと、遅延の発覚が遅れるといったことが起きます。
  • 確認(重要度:★★☆)
    自分のタスクについて、このまま進めてよいか分からない時に確認する。
    これを適切に行わないと、作業誤りによる手戻りの原因となります。
  • 質問(重要度:★★☆)
    自分のタスクについて、疑問が発生した時にどのように進めていいか質問する。
    これを適切に行わないと、作業誤りによる手戻りの原因となります。
  • 相談(重要度:★★★)
    自分のタスクについて、このまま進めても遂行できない場合に相談する。
    これを適切に行わないと、リリース日程を守れないなど調整やリカバリーが困難な状況に陥る原因となります。

これらのコミュニケーションは、内容や頻度が適切ではないと 「それって今必要?」「なんでもっと早く言わないの?」 と心をえぐるリアクションが返ってくることがあったりします。
また、 「適切さ」 はプロジェクトにおいてはある程度傾向がありますが、細かくは相手によって異なるという高難易度ゲーです。プロジェクトや相手をよく見てリトライを繰り返し攻略法を見つけましょう。

さて、「すげー美味しかったです!」は 「それってあなたの感想ですよね」 という気もしますが、この中だと 「共有」 に分類されるコミュニケーションでしょうか?
今のところ「なんだかよく分からない手順でぶよっとした茶色い物体を見つめたら、すごく美味しかった!」しか理解できていない困った状況となりました。

ぶよっとした茶色い物体の正体は?

上司「ところで、ぶよっとした茶色い物体って何?」
部下「唐揚げです!」

どうやら、この部下は「唐揚げについて作業をしていて、それが美味しかった!」ことを伝えたかったようです。

上司が「唐揚げを食べる」タスクを指示していれば、その前提は当然共有されていると思い、部下は「右手に棒状の物を~」から会話を初めていたようです。

ところが、上司はいくつものプロジェクトを掛け持ちしており、本プロジェクトの細かいタスクを覚えておらず、なんの話をされたのかを全く理解できない状況に陥っていたしまったみたいです。

ところで表現が難しい

ここまで来ると、「右手に持った棒状の物」が箸ということが推察されるかと思いますし、「箸で唐揚げをつまんで、しげしげと見つめた。」ことも推察できるかと思います。レモンをかけたかも気になるかもしれませんね。

一方で、再現が難しい障害であれば、原文「右手に棒状の物を2本持ちました。その後、右手を前に出しぶよっとした茶色い物体をつまみ、しげしげと見つめました。」を箇条書きにした方が望ましいかもしれません。

  1. 右手に棒状の物を2本持つ
  2. 右手を前に出す
  3. ぶよっとした茶色い物体をつまむ
  4. しげしげと見つめる

ただ、今回は「共有」したいだけですし、「箸」は日本人としては共通理解がある物体であることも考えると、元々の報告はやはり難しいと言っていいでしょう。

じゃあどうすればよかったの?

冒頭にコミュニケーションの種類を明記して、報告の概要(サマリー)を3行程度でさっくり書くようにすると汎用性が高いと考えますがいかがでしょうか?

「美味しい唐揚げの食べ方研究プロジェクトの進捗について共有します。箸でつまんでそのまま食べずにしげしげと見つめてから食べると美味しいということが分かりました。引き続き美味しい食べ方について調査を継続します。」

おわりに

「概要を書けばよいのでは」と簡単に書きましたが、概要はプロジェクトの全容のうち、自分のタスクがどのような意味を持つかを把握していないと書けなかったりします。

訓練としては、プロジェクトを俯瞰して見たり、インプットを分解・理解・整理することを習慣づけることが考えられます。
時間はかかりますが、よりよい報告を行ったり今後キャリアを積む上での基礎としても役に立つと思います。

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エンジニアのためのお仕事問題集

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