普通は相手に伝わらない
起票されたチケットが分かりにくい、という問題はありませんか?
(よくある問題)
- タイトルが分かりにくい
- 本文が分かりにくい
- 何を言いたいか分からない
学校教育を振り返ってみると 「相手に伝える文章」 を書く機会というのはほとんどなく、伝える機会があったとしても、日本語が伝わっていない事を指摘するのは空気が悪くなる気がするのか 「的確な指摘をする」 機会もほとんどなかった様に思えます。
つまりは、何らかのカイゼン活動を行わなければ、以下の様な状態になるのは 『普通』 です。
『レビューイの文章も分からないけれど、レビュアーの指摘も分からない』
- レビューイは『相手に伝える文章の書き方』を知らない
- レビュアーは『的確に指摘をする方法』を知らない
意味のないレビュー
「意味が分からないクソな文章だ、俺ならこう書く」
あれこれとポイントを伝えようと試みたが、相手が腹落ちしない顔をしていて一向に修正される気配がないため、罵詈雑言を並べた挙げ句、レビュー時間の残り時間を鑑みて自分で 「原型をとどめていない」 サンプルを作成して提示すると、以下の状態になります。
- レビューイの経験値は貯まらない
- レビュアーのストレスは溜まる
このレビューは全く効果も意味もありません。
「原型をとどめていない」理由
「書いてあるべきこと」 と 「書かれていること」 が乖離しているから。
「読みやすい文書」の基本的な構造についてはウェブサイトや書籍で学べると思いますが、「書いてあるべきこと」を理解できるようになるための書籍というのはなかなか存在していない様に思えています。
(参考サイト / 書籍)
「伝わる文書」の本質
「書いてあるべきこと」を理解できる書籍が存在しないのは、文書のフォーマットや順番に比べて一般化して伝えるのが遥かに難しいことだからではないかと想像しています。
「報告書」のフォーマットは一般化できるけれども、報告する相手によって「書いてあるべきこと」は異なっています。同じ進捗報告でも、経営層に報告するのか、プロジェクトのメンバーに報告するのかで、内容は全く異なります。
わたしは、この差異は、形(フォーマット)を覚えるのではなく、提出する相手を理解することで埋められるのではないかと思っています。経営したことなどないので経営層を真に理解することなどはできませんが、「報告書」という限られた接点においては、経営層が必要なものを推理することも可能だと思います。
伝わる文書の本質は 「伝える相手が理解できること」 で、そのような文書を書くためには 「伝える相手を理解すること」 だと思います。
思考の流れを伝える / 観察する
前述の通り、「的確な指摘ができない」 上に 「原型をとどめていない」 レビュー結果を返すのは不毛です。なぜか伝わった気になって次回直ってないとガッカリするのも不毛です。
ということで、ここまできてようやくタイトル回収になります。
Asanaのチケットはリアルタイムに更新され、全員が更新されているのを同時に確認できます。これを利用して以下の様なスタイルでレビューを行うことで思考を伝えることができるのではないかと考え実施しました。
- レビュアーはレビューイに「チケット修正を行うから観察する様に」指示します
- レビュアーは見られていることを意識して、なるべく最適な手順でチケットを修正します
- レビューイはレビュアーに観察して感じたことを伝えます
レビューイは「何を」「どの順番で」直しているのか、つまりはレビュアーの思考の流れを確認できます。
おそらく、タイトルの見やすさ、読む人が知りたいこと、文章の構成等々、様々なノウハウが入り混じった、指摘では伝えきれない量の情報 がそこには含まれていると思います。
レビューイより観察して感じたことを言語化して伝えさせることで、レビュアーは『レビューイの理解』を理解でき、より適切な指摘ができる可能性が高まります。
また、レビューイの観察行為は、伝える相手を理解しようとする行為そのものであり、「相手を理解する」という難しい概念を理解したり体験したりするのに役立つと思います。
おわりに
テレワークになってコミュニケーションが難しいと言われますが、VS Code の Live Share など、隣に座ってペアプロするより効率がよいツールもあるのかなと思っています。
Asanaとチケットは一例であり、Googleスプレッドシートの仕様書やGoogleスライドのプレゼンテーション資料などでも同じことができると思います。
※タイトルで【Asana】を強調しているのは、Asana推し(笑)であったり、身近な細かいテーマで実践ができる可能性が高いと思ったからです。
大事なのはお互いがお互いを理解して共に成長していくことだと思います。
コミュニケーションの質を高めて快適なテレワークライフをエンジョイできればと思います。