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Qiitaで見る技術トレンド推移(2017 - 2023)

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はじめに

Qiitaを見てる皆さんこんにちわ。

いつもは皆さんの一服の清涼剤となるべく、ゆるめの新人向けの記事やマネジメントの記事をポエムしているのですが、ふと、いいねを取れる記事ってなんだろうと思いまして。

ChatGPTのようなバズワードな技術に乗っかるといいねを取れそうだけど、なかなか難しそうだなぁと思っているうちに、いいねを取れる記事の長期的な推移を見ると傾向が見えるのではと思い調べてみたらなかなかの結果が見えましたので記事にしてみました。

Qiita 記事の取得

調査をするためには、過去~現在の投稿に関するデータが必要です。QiitaはAPIを公開していて記事の一覧を取得できるので、それを利用して記事を取得することにしました。

(参考)
Qiita API : 投稿

単一の検索条件に対して取得できる記事の件数は最大で 10,000 件でした。

1ページあたりの件数の最大(100) x 指定可能なページの最大(100) = 10,000

月に10,000投稿あったとすると1ヶ月分のデータしか取れないため長期の推移を見るためには、何らかの検索条件を指定する必要がありそうです。

ある程度人気があったタグを推測できるように件数を絞るのであれば「いいね数」か「ストック数」がある程度以上の記事を集めるのがよさそうです。「ストック数」は指定可能、「いいね数」は指定不可という仕様でしたので、「ストック数」を指定して検索することにしました。

(参考)
Qiita ヘルプ : 検索機能

ストック数50以上で検索すれば大分遡れるかと思いましたが、毎月数百件のレコードが取得され 軽く嫉妬しました あまり遡れなかったので、ストック数100以上を指定してデータを取得したところ 2017 年まで3月まで遡れました。

ストック数がそこまで多くないデータの集計にも重要な情報がありそうですが、取れないものは仕方ないので、観測には充分なデータが取得できたとして先に進めることにしました。

観測方法

大雑把に傾向が見れればよいので、ストック数100以上を獲得した記事についていたタグを分解して、それぞれのタグにストック数をそのまま分配することにしました。

  • 記事AにタグT1,T2,T3,T4,T5 がついていて、ストック数が101の場合
T1 : 101
T2 : 101
T3 : 101
T4 : 101
T5 : 101

このタグとストックのデータをスプレッドシートに貼り付けて、年度別でタグ毎のストック数をピボットテーブルで求めて多い順に並べました。

タグストックランキング 2023 TOP50

2023年のTOP50の過去の推移を見られる形としました。
過去数年を鑑みてランキングを求めたらChatGPTの台頭が分からなくなってしまったのと、古い技術は消え去っていくというITの性質を鑑みると、最新のデータを基準に過去の推移を見るのが良いかと思いました。

皆さんご想像の通り?ChatGPTは2022年に登場以後、勢い衰えず2023年も圧勝となっていました。AIもつよつよですね。

タグ 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
ChatGPT 2867 25561
Python 79286 143985 120573 96812 40967 19658 16442
初心者 14281 38717 85032 75886 35776 33167 13164
AI 553 11334 9712 10110 7118 5551 11160
記事投稿キャンペーン_ChatGPT 8143
ポエム 5254 21427 26097 19238 21706 9691 7071
新人プログラマ応援 12709 71500 52292 52094 28113 23355 6928
OpenAI 105 6567
VSCode 10067 22305 27145 20135 7663 6769 5780
GPT-4 5721
AWS 11370 39737 30027 20924 14008 9040 5210
JavaScript 81104 150510 136293 100877 44305 29137 4266
React 17334 30123 26370 33223 17230 16867 3699
langchain 150 3648
Design 3371 2180 3921 5636 15556 5548 3445
Next.js 177 1752 523 6334 3225 5549 3327
GitHub 12875 20528 13106 19431 16033 3969 3203
新人プログラマ応援_記事投稿キャンペーン 497 3184
フロントエンド 7574 17862 32897 18857 15432 9904 3088
エンジニア 2997 14112 5465 7169 5458 7615 2968
TypeScript 6189 16510 28414 26226 8536 15062 2964
Flutter 3191 9322 5897 1334 383 2701
Git 21560 31919 23952 16675 6498 2492 2671
機械学習 42848 47356 44729 37587 19714 8303 2509
Security 2911 11975 8229 8814 2144 4052 2331
ツール 578 1102 2599 6902 449 4045 2285
figma 838 169 981 473 2171
レビュー 2029 404 4296 1335 133 2153
gpt-3 2348 2099
アクセシビリティ 137 1701 638 205 2060
Docker 22855 40293 38158 28708 6944 5163 1983
未経験エンジニア 1489 3441 3904 2701 1247 1923
学習 2159 859 2631 7400 6457 2287 1851
バグ 351 1134 103 1826
プロンプトエンジニアリング 1701
LLM 1597
データサイエンス 962 6078 6033 5709 4836 1143 1589
Azure 228 400 3948 4017 3237 1565
インフラ 2539 4231 5840 3183 3460 332 1486
debug 929 1163 1209 3041 844 840 1461
Flet 1446
個人開発 521 13700 17845 18594 11586 8908 1414
Wi-Fi 1362
HTML 10623 22819 32126 13821 5057 5673 1288
設計 7209 10166 10554 19506 4885 4730 1280
DeepLearning 24106 34708 30002 24725 6463 4504 1273
拡張機能 387 1968 324 237 1427 1270
データ分析 7539 14823 13928 12274 5657 4181 1267
競技プログラミング 3208 30503 16583 17254 6764 1781 1262

タグストック推移

鋭い方は表からも色々読み取れたかもしれませんが、人間の目は表から傾向を理解できる程便利にできていないと思うので、グラフにしてみました。

何か別の傾向が見えてくるでしょうか?

推移.png

まず目につくのは JavaScript と Python の2大巨頭です。これは今回の集計方法に問題がある可能性もあります。多くの記事は JavaScript や Python のみをタグづけせずに、他に「なにか」をタグづけするので、実際は JavaScript や Python に付随する何かが数字を稼いでいると考えられます。
ReactやVueが 2013年や2014年に出てそろそろ時代はデータバインディングとか、機械学習とかでしょうか。個人的には、何かと便利な Node.js や Nuxt.js推しです。

JavaScript も Python も簡単なので誰でも手を付けやすいので、いいねをつける人の母数が増えると推察できますが、他のタグの5-10倍というのはバブルの様な突出具合です。

ここで次の系列に目を移すと、初心者と新人プログラマ応援が2大巨頭に追従した動きが見えます。

『あれ?プログラミングスクールが乱立して情報商材ビジネスが流行ったのってどんな時系列でしたっけ?』

という疑問はさておいて、さらに他の系列を見てみます。これらの系列には本当に有用な技術情報が多いかと思いますが、キーワードでググって必要な情報を仕入れてそのまま離脱して作業に戻る程度に自走ができる方が利用し「いいね」をつけたり「ストック」をしない傾向が出てくるのかと推察されました。

おわりに

いかがでしたか()

Qiitaの記事のタグから6年程の推移を観測してみました。

技術の多様化が進んでいるからか、何らかのバブルがはじけたからか、既存の技術で大きく数字を稼いでいるものがないこと、ChatGPTは7末時点でもかなりの数字を出していることが分かりました。

技術を身につけるのは一朝一夕ではなんとかなるものではないのですが、ChatGPTの様なトレンドを追いかけて一山当てるのでないのであれば、年々増えている既存の技術のうち消えてなくならない技術を『何でもできる』様にしておく必要があるかもしれません。

直近では、設計からフロントエンドからバックエンド、AWS含むインフラまで幅広く様々な技術を身につけていないとITの仕事を行うのが難しくなり、どこかで全部入りの新しい何かが登場してまた全部覚え直しが必要になって…といった未来が推察されますが、地道にひとつひとつ勉強していきましょう。

おまけ1(新卒エンジニア向け手紙)

おまけ2(新卒エンジニア向け記事)

おまけ3(パイセン向け記事)

おまけ4(...は難しいシリーズ)

おまけ5(営業A短編シリーズ)

おまけ6(エンジニアのためのお仕事問題集)

2030年にIT人材が最大79万人不足するとのことで、学習用の資料をgitで無料公開してます(不定期更新)。
よろしければどうぞ。

エンジニアのためのお仕事問題集

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