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Gartner予測 :『 AIで中間管理職の半数以上を廃止』をドラゴンクエストでかんがえる

Last updated at Posted at 2024-11-16

はじめに

ドラゴンクエスト3 HD-2D版やってますか?
わたしはCastlevania DOMINUS COLLECITONが忙しくてやれていないです。

そんな前置きはさておきまして、IT業界で最も影響力がある調査会社の1つとして名高い Gartner が以下の様な展望を発表しました。

2026年末までに、組織の20%は、AIを活用して組織構造をフラット化し、現在の中間管理職の半数以上を廃止する。

AIを導入して人間の中間管理職を廃止する組織は、短期的には労働コストの削減という形で、長期的には福利厚生コストの節約という形で、そのメリットを得られるようになります。また、AIを導入すると、残った従業員の「タスク」「レポート作成」「パフォーマンス・モニタリング」を自動化/スケジュール設定することで生産性の向上や管理範囲の拡大が可能となり、残った管理職は、より戦略的で、拡張性に優れ、付加価値の高い活動に集中できるようになります。

一方で、AIの導入は、組織に課題ももたらします。例えば「雇用に不安を感じる従業員が増える」「管理職が直属の部下の増加に過剰な負担を感じる」「残った従業員が変化を起こすことや、AI主導のやりとりを受け入れることに消極的になる」といったことが挙げられます。さらに、メンタリングや学習パスが途切れ、多くの若手従業員が自身の成長の機会が少なくなることに苦しむことになりかねません。

(出典:Gartner、IT部門およびユーザーに影響を与える、2025年以降の重要な展望を発表)

今回は、この展望についてドラゴンクエストなどで考察したいと思います。

AIを導入して人間の中間管理職を廃止?

わたし達の世の中では、AIの登場より前から「人間の中間管理職」が少なくなっていないでしょうか?
業務内容の広さや難しさに加えて責任の重さの割に理解もされず旨味もないという印象が広まっていて、以下のような書籍もでている様な状況です。

なり手がいないという状況に加えて、景気が悪く予算を削られると『無駄』を省かなければならず、全然無駄ではない中間管理職が消えていくということが起きているのかもしれません。

ただ、中間管理職を消滅させると、とてもひどいことになるというのは以下の書籍に載っていたりします。

もしも中間管理職を廃止するか悩んでいる方がいたら是非一読を。

愚か者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという
君は愚か者ではないことを祈ろう

(出典:PSYCHO-PASS サイコパス)

まとめると「AIを導入して人間の中間管理職を廃止」ではなくて「人間の中間管理職が少なくなってしまったのでAIの補助で補う」という状況の方が今のところは近い気がしています。
※AIのせいで仕事を奪われるではなく、AIがないと仕事が回らないという状況。

ただ、長期的に見ると、展望にある懸念が現実味を帯びてきそうです。

さらに、メンタリングや学習パスが途切れ、多くの若手従業員が自身の成長の機会が少なくなることに苦しむことになりかねません。

この点について、ドラゴンクエストで考察していきましょう。

旅のはじまり

00-旅のはじまり.png

(出典: THE SPRITES RESOURCE)

1986年5月21日、ドラゴンクエスト発売日。
約40年前にここから冒険がはじまりました。
画面やや左に見えるラダトーム城。勇者はここから旅立ちます。
右上にはラダトームの町。そして右下には旅の最終目標のりゅうおうの城がわずかに見えています。1

いくばくかの金(予算)を与えられ、りゅうおうを倒すというざっくりしたプロジェクトのゴールを提示され冒険ははじまります。

突然ですが、問題です。
りゅうおうを倒すまでの見積もりやWBSを『AIを活用して』作成してみてください。

ドラゴンクエストを全くやったことがない人から見ると、右下にりゅうおうの城が見えているのだからと、さほど難しくないプロジェクトに見えて小さな見積もりを出すかもしれません。
あるいは、AIに丸投げして、具体的な冒険内容(タスク)を把握せずに回答された数字を出すかもしれません。

一方で、ドラゴンクエストをやったことがある人は、AIにとりあえず聞いて、出てきた数字がだいたい妥当なのかを記憶を辿って判断するかもしれません。

アレフガルド(プロジェクト)の地図

10-アレフガルド.png

(出典: THE SPRITES RESOURCE)

こちらの地図は、ドラゴンクエストで冒険するアレフガルド全体の地図です。

知っている方には何の新鮮さもない地図かと思います。
知らない方はこの地図を想像できたでしょうか?思ったより広いでしょうか?狭いでしょうか?
こんなに大変な仕事なら引き受けなきゃよかったと感じていないでしょうか?

更に、うっかり志半ばで倒れてしまった時に、所持金を半分にされ 「しんでしまうとは なにごとだ!」 と王様に罵倒されるパワハラな世界と想像ができたでしょうか?

ここでもう一度、Gartnerの展望を引用しましょう。

さらに、メンタリングや学習パスが途切れ、多くの若手従業員が自身の成長の機会が少なくなることに苦しむことになりかねません。

経験者が冒険する前提の世界で、未経験者がどうやって経験を積んでいけるようにするのかを考える必要がありそうです。

おうさまの間違った成功体験

おうさまは、レベル1の未経験勇者に対して、装備を一式揃えるのに十分なおかねも渡さずに世界を救うという一大プロジェクトを成功させています。
実際には、世界を救えた勇者は20%~30%程度とChatGPT先生が推察をしていますが、この成功体験のためか、とにかく安いおかねで未経験勇者をこき使おうとうするおうさまが次から次へと現れるようになりました。

メンターと中間管理職とプレイングマネジャー

ドラゴンクエストは一人の勇者が世界を脅かす悪い魔物を倒す物語なので、そこにメンターや管理職は登場しません。

オンラインゲームになると、先にゲームを始めた冒険者が未経験の新人冒険者に優しく指導したり余っている持ち物を渡してさながらメンターのようにサポートしたりすることがあります。誰かの役に立ちたいという気持ちがDNAレベルで備わっているのでしょうか。

「中間管理職」になるとより多くの冒険者をサポートできてやりがいもるはずなのですが、なぜだか同じような気持ちになれません。「プレイングマネジャー」として共に冒険するのであれば同じような気持ちになれるでしょうか?

自分のスキルも維持しつつ、若い冒険者と並走もすることは大変かもしれないけれども。

まとめ

景気や業界の動向を観測すると、中間管理職の数は減少していき、相対的に業務の難易度や負荷も増大していくことが予測され、その負荷を軽減するためにAIの活用は必須と思います。

ただ『罰ゲーム管理職+AI』に頼るのは焼畑農業的施策で長くは続けられなそう。

プレイングマネジャーを軸としてチームで解決する仕組み等を構築していかないと、『罰ゲーム管理職』の消滅と共にプロジェクトを回す力も消滅し、事業の継続自体が困難になっていくと考えられました。

  1. このマップデザインは今見ても天才的だなあと思います。

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