4
5

はじめに

こんにちは。新卒の方々が新人研修から戻ってきて部署に配属される時期かと思いますがいかがお過ごしでしょうか?

後輩はできましたか?
うまくやれてますか?

コーチングやアンガーマネジメントなどのハウツー・マニュアル本などを読み漁っていますでしょうか?
読んだ時はなるほどと思うものの右から左にすり抜けて何も実践できていないなどありますでしょうか?

あるいは、そもそも自分のことで手一杯だし、育ててもどうせ転職してしまうだろうからと放置していますでしょうか?

タイパ重視の自己責任世代(?)的には手っ取り早くうまくやれる方法がほしいのかなと思うのですが、人間というものを理解がメンタリングには必要では?という切り口で考察をしてみます。

人間(自分と相手)を理解する必要性

スピリチュアルズ「わたし」の謎という本を最近読んでいます。

ものすごくたくさん『人間』というものについて『そうなんだすげーな』って思うようなことが書かれていて、『人間』と相対した時にどのように振る舞うべきか、自分がどのような性質を持っていてどのような思考をするのかを客観的に見る機会になっていてよいと感じています。

ただ、400ページ超の分厚い本な上に、明日役に立つことが書いてあるわけでもないのでなかなか読み進められていないことも白状しておきます。

何らかのバグで障害が発生した時に、闇雲にコードを直してもバグが直らないのと同様に、人間に対して何らかの指示や指導がうまく通らなかった時に、闇雲に指示の方法を変えてもカイゼンするのは難しいと思います。

更に難しいことに、相手がコンピュータであれば、書いたコードの受け止め方は同じですが、相手が人間であれば書いたドキュメントや話したことばの受け止め方が一人ひとり異なります。

『自分の普通や当然と、相手の普通や当然が異なります。』

人は一人ひとり違うので、マニュアル本にある「作者の観測範囲において多くのケースに適用可能な汎用的なこと」では、あなたの目の前の相手に対してどのように立ち振舞うべきかに 対処できないのが普通 かと思います。

そうして考えていくと、指示した通りの結果や、指導した通りの学習成果を相手に出してもらいたいのであれば、 『自分と相手および関係性などを理解した上で、何をどう伝えるのかを考える』 ことが必要になってくるように思えます。

共感力とメンタライジング力

自分や相手を理解するための必要な要素に、共感力やメンタライジング力があると思います。

痛いと思っている人がいたら、自分も痛いと感じる能力が共感力、痛いと思っているらしい人がいて「状況から推察するにタンスのカドに小指をぶつけて痛いらしい。それは痛いよね。」と理解する能力がメンタライジング力だそうです。

この共感力とメンタライジング力の高低で人の傾向が分類できるそうです。
人は一人ひとり違いますが、傾向を把握することは人と相対する時の作戦を絞れるので大きく役に立つと思います。

共感力とメンタライジング力.drawio.png

(出典 : スピリチュアルズ「わたし」の謎 より)

この図には大分衝撃を受けました。

共感力・メンタライジング力とも高い「コミュ力が高い人」がお金を稼げそうですが、実際にはそうではなくて、リーダーに向いていてお金を稼げる人は、メンタライジング力は高いが共感力が低い「サイコな人」 だそうです。

タンスのカドに小指をぶつけたあなたを見て「うわ大丈夫?痛そう~」と心配してくれるコミュ力が高い人はリーダーには向いていなくて、「そりゃ痛いだろうけど、わたしにできることは特に何もないな」と塩対応するサイコな人がリーダーに向いているようです。

指示を出す「わたし」がどのタイプで、指示を受ける「相手」がどのタイプかを観察や会話によって把握すると、なぜ指示が 『思った通り』 伝わらないのか、どのように伝えれば 『思った通り』 伝わるのかをざっくり推察することができるようになるかもしれません。

※こちらは書籍を読んでの「わたし」の解釈が含まれてしまっていますので、興味のある方や詳しく知りたい方はぜひ書籍の方を読んでみてください。他にもアメリカの大統領選挙での人々の操作など様々なトピックが載っています。

共感力やメンタライジング力は鍛えられるの?

共感力、メンタライジング力とも遺伝によるところが大きいようですが、鍛えることはできるそうです。
ただ、カイゼンには莫大な時間がかかったりするので、自分や相手の性質を理解して何をどう鍛えるとよいのかを話し合えたりするとよさそうに思えました。

(Claude3 による鍛え方)

共感力を高める方法:

  • アクティブリスニングの練習: 相手の話を集中して聴き、言葉だけでなく感情や非言語的な表現にも注意を払う。
  • 文学や芸術作品への接触: 小説を読んだり映画を鑑賞したりして、多様な人物の内面世界や感情体験に触れる。
  • ボランティア活動への参加: 異なる背景を持つ人々と交流し、直接的な経験を通じて他者理解を深める。

メンタライジング力を高める方法:

  • 視点取得の練習: 日常的な出来事や人々の行動について、意識的に他者の立場に立って考える習慣をつける。
  • 感情日記をつける: 自分や周囲の人の感情や思考を観察し、記録することで、心の状態への気づきを高める。
  • ロールプレイングの実践: 様々な役割や立場を演じることで、異なる視点や思考パターンを体験的に理解する。

まとめ

メンターである自分にとって一番分かりやすい説明が、メンティーである相手にとって一番分かりやすい説明である可能性はものすごく低いと考えます。
自分にとって最適な説明で理解ができるのであれば、自分と同等のスキルや知識を持っている可能性が高く、そもそもメンタリングされる必要がないと考えられるからです。

「自分が理解すること」と、「相手に説明すること」では全く別のスキルが必要で、相手に説明するスキルは 『相手に説明する』 ことでしか身につきませんし、抽象的なスキルとして保持しておいて、相手に合わせて細かくチューニングして具体化して使うような類のスキルかと思います。

ここで、共感力やメンタライジング力がほどよいバランスであることは「相手が理解できる説明」ができるようになるための一要素なのかもなと感じました。

…と、色々難しく書いてきましたが、ひとことでまとめると 「相手と協力してうまくやる」 のが大事だと思います。

長期的に見れば、お互いに協調行動を取ることで全体1としては一番良い結果が得られるのを漠然とみんな理解しているけれども、教えない2、転職する、といった行動を取ってしまうのは囚人のジレンマのようだなぁと思いました。

メンター、メンティーに限らず、メンバーやお客様とも協力してうまくやれるといいですね。

おまけ

よろしければどうぞ。

  1. やんちゃな人がいるかもしれない状況では求人の単価を上げられないので給与も上がらないかもしれない。

  2. 予算や工数やスケジュールの関係で教育ができないということはママあるかもしれない。

4
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
5