ビデオゲームじゃなくてもよいです
子供の頃にファミコンが世の中に登場しまして、人生の半分ぐらいはゲームと共に過ごした人生だったので、あとになって振り返って見るとそこから学んだことが多いなと振り返るポエムを書きます。
反復すること
スペランカー
スペランカー
というゲームをご存知でしょうか?世界一弱い主人公のクソゲーとして各所で紹介されることも多いプラットフォームゲームです。個人的には名作だと思っています。
とにかく足を踏み外して死ぬのが印象的なゲームです。
死ぬと復活ポイントから再開となり、3回死ぬとゲームオーバーになるのですが、慣れていないうちは、最初にエレベーターに乗って登場してきてそこから降りるのに失敗して即ゲームオーバーとなりました。
なんて理不尽なゲームなんだろうと思いながら、他にやることもないので何度も遊んでいたら、エレベーターから降りることに失敗することはほとんどなくなりました。
エレベーターから降りるジャンプ操作アクションを成功させるためのポイントは以下です。
- プレイヤーが死ぬ高低差
- ジャンプボタンでジャンプする距離
- 足場を踏み外さない様にする精密な操作
最初は、これらのポイントを丁寧に操作する事で実践していたのですが、反復することで無意識に素早く実践できるようになりました。
スペランカーのゲーム中では、動く床やハシゴからのジャンプや、敵に追われている状態でのジャンプなど、『ジャンプ操作』を駆使して解決すべき課題が数多く登場します。
学び
ここでの最大の学びは、「反復することによって非線形的にプレイヤースキルは向上する」ということです。『ジャンプ操作』という単純な基本操作を反復により習得することによって、解決できる課題が増えたということです。
プログラミングでは、入門書を読むと、変数や配列、連続、分岐、繰り返し、などの基本的な文法と、クラスやオブジェクトといった概念が登場すると思います。
スペランカーと異なり、下手くそなコードを書いてもその場で死なず、下手くそなコードでも課題解決できる可能性はありますが、大きく複雑な課題を解決できなくてお悩みの方も多いと思います。
基本は反復です。退屈だし、成長を実感できないかもしれませんが、自分が課題と思う点について、コードを読んだり写経したりを地道に繰り返していると、いつの間にか少し大きな課題を解決できるようになるはずです。
人と対峙すること・スキルを維持すること
バーチャファイター
バーチャファイター
というゲームをご存知でしょうか?パンチ・キック・ガードボタンとレバーの組合わせで多様な技を繰り出すキャラクターを操作して、コンピュータまたは人と対戦する対戦格闘ゲームです。
上手い人と対戦すると30秒程度で敗北し、お金がとんでもない勢いでなくなっていたので、お金を持ち歩かないようにしていた時期もありました。
ここでの学びは大きく2つあります。
- 相手を理解する事で勝率が上がる
- 強さを維持するためには継続的なトレーニングが必要
相手を理解する事で勝率が上がる
最初は自分の好きなキャラクターを選んで操作方法を覚えるところから始まりますが、勝てないキャラクターがいた場合には、そのキャラクターの技を覚えたり、さらには、ゲーム機の向こう側にいる人間の「クセ」なども考えて対策を考えます。
好きでもないキャラクターのことや、顔も見たことのない人のクセを考えるのは大変ですが、勝つためには仕方ありません。
ところでこれは、ビジネスの世界でも同じだったりしないでしょうか?
お客様、上司、同僚、部下、相手のことを覚えた方がより円滑な仕事ができると思いませんか?
強さを維持するためには継続的なトレーニングが必要
金銭的理由によりゲームセンターから一時期足が遠のいた時期がありました。
その後、久しぶりに遊んでみると、見えていた相手の技が見えなくなったり、反射的にキャラクターを動かせなくなっていたりしました。
リハビリ(反復練習)によりある程度回復しましたので続ければ元に戻ることは想像できましたが、金銭的理由もあり引退を決意しました。
実はこれ、プログラムや設計にも同じことが言えるのではないでしょうか?
「相手の話を聞いてる最中からプログラムや設計が頭に浮かんでいた」が、現場を離れていたらプログラムが浮かばなくなった、あるいは不鮮明になったということはないでしょうか?
SESで仕事されている方におきましては現場で必要なスキルは様々ですが、現場が変わったら一線級のファイターとして戦える必要があります。プログラミングはお金をかけずにできますので、スキルが錆びない様に休日に好きなものを作るなどしてはいかがでしょうか。
課題の設定
ドラゴンクエスト
ドラゴンクエスト
というゲームをご存知ない方はあまりいないように思います。10本以上もナンバリングタイトルが出ている国民的RPGですので、人によって思い浮かべる内容が異なるかもしれませんね。
ドラゴンクエスト1では、「勇者ロトの子孫となって竜王を倒して光の玉を取り戻して世界を救う」という非常にシンプルかつ壮大な課題を与えられます。
この課題を達成するために、王様にもらった小銭で武器を買ったり、街の人に話しを聞いたり、街の近くにいるスライムなどを狩って経験値を稼いでレベルを上げたりして、少しずつ世界を冒険していきます。
スライム狩るのに飽きて、さっさと冒険を進めようとすると強いドラゴンが出てきて瞬殺されて、お金の半分を失って教会から再開することになります。
ここには課題解決に関する重要な学びがあります。
- 適切なサイズの課題
- 無謀な課題に取り組んだ結果
適切なサイズの課題
ドラゴンクエスト1の世界には未知の課題しかありませんでした。
ネットも攻略本もなかった時代でプレイヤーは手探りで冒険を進め、その時のレベルや状況に応じて自分にとって「適切なサイズの課題の設定」を行っていたと思います。
- 街の外を歩いていたら、スライムと出会った
- 戦ってみたらお金と経験値がもらえた、体力が減った
- 宿屋ややくそうを効率よく使った
実はこれは、ゲームデザインが大変秀逸で、次にすべき課題をあたかもプレイヤー本人が気づいて考えた様に錯覚できるように、竜王を倒すという最終的な課題以外にも「適切なサイズの課題」と「気づき」が細かく用意されていたと思います。
プロジェクトリーダーが、ドラゴンクエストの様にシンプルかつ壮大な課題を用意して、プロジェクトの状況に応じて「適切なサイズの課題」をメンバーが適切に設定できる状況を作れば、無味乾燥なプロジェクトが有意義な体験あふれる人生のRPGに変わるかもしれません。
無謀な課題に取り組んだ結果
スライムを倒すのがやっとの状態で無謀にもドラゴンに挑んで瞬殺された場合、経験値は入りませんし、お金が半分になって教会から復活しました。
そこで、色々対策を考えたと思います
- 冒険範囲を広げる前に「ふっかつのじゅもん」をメモしておく
- 冒険範囲を広げる前にレベルを過剰に上げる
- 勝てないと思ったらすぐ逃げる
ビジネスの世界でも「現在のレベルでは解決出来ない課題」というのは存在していると思います。
仕事で目先の仕事が出来ないのは問題ですが、レベルや装備が足りてなければドラゴンは倒せません。
ドラゴンを倒すという課題を、解決可能なサイズの課題に分解してレベルアップして再戦するとよいと思います。
まとめ
最近、スマホMMOをやったのですが。
全部オートで便利でしたが、オートを外すと何をやっていいか全く分かりませんでした。
分かったことと言えば、お金を払うと有利に進むらしいということぐらいです。
最近の集金スマホゲームもある意味「お金の稼ぎ方」は学べるのですが、課題の解決方法を学べる昔のゲームの方が個人的には好きです。