#ファイルシステムのマウント
パーティションにファイルシステムを作成した後、マウントを行う必要がる。このマウントとは、パーティションとあるディレクトリを関連づけること。マウントしたファイルシステムが結合されるディレクトリがマウントポイントと呼ばれる。このマウントにより、そのパーティションにファイルやディレクトリを作成したり、利用することができるようになる。
- ファイルシステムのマウント
恒常的なマウントを行うためには、以下の2つの作業を行う必要がある。
- /etc/fstabファイルの編集
- mountコマンドの実行、または再起動(init6)の実行
※/etc/fstabファイルの編集を行わずにmountコマンドだけを実行した場合、再起動後に無効になる。
#/etc/fstabファイル
/etc/fstabファイルの書式は以下の通り。以下の書式例では、①はUUIDとして表示されているが、新たに追加する設定は、以下の書式の記述によりマウントすることは可能。
- /etc/fstabファイルの書式
項番 | フィールド | 設定内容 |
---|---|---|
① | マウントするデバイスファイル名 | マウントするデバイスファイル名またはボリュームラベルを指定 |
② | マウントポイント | マウントポイントとなるディレクトリの絶対パスを指定 |
③ | ファイルシステムの種類 | ①のファイルシステムの指定。下表1を参照 |
④ | マウントオプション | ①のマウントオプション指定。※下表2を参照 |
⑤ | dump | dumpコマンドによるバックアップ対象となるかどうかを指定 0:バックアップする必要がない 1:バックアップする必要がある |
⑥ | fsck | システム起動時にfsckコマンドでチェックを行う時の順序を指定 0:fsckコマンドでファイルシステムをチェックしない 1:ルートファイルシステム(/)に指定する数値 2以上:その他のファイルシステムに指定する数値 |
- 表1- ファイルシステムの種類
ファイルシステム | 説明 |
---|---|
ext2 | Linuxの標準ファイルシステム |
ext3 | ext2の機能拡張版(現在の主流) |
ext4 | ext2の機能拡張版(現在の主流) |
reiserfs | 高速なジャーナリングファイルシステム |
xfs | SGI開発によるジャーナリングファイルシステム |
jfs | IBM開発によるジャーナリングファイルシステム |
iso9660 | CD-ROMのファイルシステム |
msdos | MS-DOSのファイルシステム |
- 表2- マウントオプションの種類
オプション | 説明 |
---|---|
async | ファイルシステムの入出力を非同期で実行 |
auto | mount -a コマンドの実行時にマウントする |
noauto | mount -a コマンドの実行にマウントしない |
defaults | デフォルトのオプションを設定(async, auto, dev, exec, nouser, rw, suid) |
exec | バイナリの実行を許可 |
noexec | バイナリの実行を禁止 |
ro | 読み取り専用モードでマウント |
rw | 読み書き可能モードでマウント |
unhide | 隠しファイルも表示 |
suid | SUIDとSGIDの有効化 |
user | 一般ユーザーにマウントを許可する |
users | 一般ユーザーにマウントを許可し、マウントを実行していないユーザーにアンマウントを許可 |
nouser | 一般ユーザーのマウントを許可しない |
#mountコマンド
/etc/fstabファイルの変更を行った後、mountコマンドを実行するか再起動(init 6)する必要がある。
mount [オプション] デバイス名
オプション | 説明 |
---|---|
-a | /etc/fstabファイルに記述されているファイルシステムを全てマウント(noautoは除く) |
-o | マウントオプションの指定 |
-t ファイルシステム | ファイルシステムの種類を指定 |
# /dev/sda6のファイルシステムを、/home3ディレクトリにマウント
$ mount /dev/sda6 /home3
現在マウントされているファイルシステムをアンマウントするためには、unmountコマンドを使用する。
unmount [オプション] デバイス名/マウントポイント
オプション | 説明 |
---|---|
-a | /etc/mtabファイルに記述されているファイルシステムを全てアンマウント |
-t | 引数に指定したファイルシステム形式のファイルシステムのみをアンマウント |
# /dev/sda6がマウントされている/home3ディレクトリをアンマウント
$ unmount /dev/sda6 /home3
※/etc/mtabファイルはmountコマンドやunmountコマンドがしようしているファイルであり、ユーザーが手動変更できないファイル。