プラクティス名(別名)
+/△ (プラスデルタ、Good/Motto)
プラクティスの目的・狙い
- ふりかえりをカイゼンする
- アイデアを出し合う
どんな時に使うか
- ふりかえりがまだこなれていない、と感じる時
- ふりかえりに慣れすぎて、マンネリ感を感じる時
実施手順
- レトロスペクティブの最後の5分間などで実施する
- ホワイトボードを左右2つのエリアに区切る
- 左側の「+(プラス)」には良かったことや上手くいったことを挙げる
- 右側の「△(デルタ)」にはカイゼンしたいこと、上手くいかなかったことを挙げる
- どちらからでも思いつくものを発言してもらいファシリテーターが書きとめていく
- どちらかのエリアが埋まる、または制限時間が過ぎるかアイデアが尽きたら終了する
レトロスペクティブの最後で、ふりかえり自体をふりかえるため使うことが多いが、その他の様々な場面でも使える軽量でシンプルなツール。左右のエリアが並んでいることがポイントで、どちらかだけに意見が偏ると自然と反対側も埋めようとする力学が働く。一目でやることが分かるので、簡単な説明だけですぐに始めることができ、短時間で終わる手軽さが最大の利点。
アレンジ例
- 各自で付箋に書き出し、順次貼っていき、目標枚数に到達したら終了する
- 「△」に挙がったアイデアの中から次回改善に取り組むものを選んで丸をつける
アンチパターン
- 「+」と「△」の意味するところを長々と説明した結果、かえって意見が挙がらなくなる
(→厳密に定義するより、フィーリングで思いついたをどんどん挙げてもらった方がよい) - 時間制限を設けずにダラダラと続けてしまう(終わるタイミングを見失う)
参考情報
こぼれ話(私的コメント)
「△(デルタ)」は変化を表すギリシャ文字だそうです。日本だと△=イマイチ、というイメージですが、まぁそれでも通じるので、ことさら訂正しなくてもいいかなと思います。僕がこのプラクティスを気に入っている理由はとにかく軽量なこと。中央ラインと+と△の最短6画でフォーマットが作れてしまう手軽さ。人って「何でも思いついたことを挙げてみて」と言われても出てこないのですが、「+と△に分けて挙げてみて」と言われると急に頭が回り始めます。「+/△」の代わりに「Good/Motto」と呼んであげると、△方面もポジティブな印象に変えられるのでオススメです。
なおこのプラクティスの注意点としては、「+/△」はあくまでもネタ出しだけなので、改善アクションとして具体化するにはもう一工夫要ります。「SMARTな目標」とかでやることを明確にするとよいかもしれません。