プラクティス名(別名)
ドラッカー風エクササイズ (ドラエク)
プラクティスの目的・狙い
- メンバー間の期待を擦り合わせ、円滑にチームビルディングを行う
どんな時に使うか
- チーム立ち上げ時にスタートダッシュしたい時
- 新規メンバー参入時にすぐにキャッチアップしてもらいたい時
実施手順
- まずファシリテーターが「否定や批判をしない」という場を設定する(心理的安全性の確保)
- ホワイトボードなどに以下の4つの質問を書き、各自回答を付箋などに記入して貼っていく
- 全員が貼れたら順番に自分の書いた付箋を説明し、感想を述べあい、相互理解を深める
質問 | 回答例 |
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1.自分は何が得意なのか? | 新しいことにチャレンジすること |
2.自分はどういうふうに仕事をするタイプなのか? | 朝型である。マイクロマネジメントを嫌う。 |
3.自分が大切に思う価値は何か? | チームとしても個人としても成長すること |
4.チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか? | まだできることは少ないので、できるようになるための努力をすること |
アレンジ例
- そう思うようになったきっかけやエビソードを交えて話してもらうと簡単な経歴紹介にもなる
- メンバーに新人がいて、質問4が書きづらい場合は「成果」を「姿勢」や「目標」に読み替える
- 質問に「5.その期待はあっているか?」を追加し、皆からフィードバックしてもらう
- 質問内容を裏返した「ドラッカー風エクササイズB面」をやってみる(上級編)
B面の質問 |
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1.自分は何が不得意なのか? |
2.どういうふうに仕事をしてしまうか?(他人からも言われていること) |
3.自分の地雷は何か?(踏まれると爆発すること) |
4.むかしチームメンバーの期待に応えられなかった事件とは? |
アンチパターン
- 心理的安全性が十分に作れていない状況で始めてしまい、書き出しが進まない
参考情報
書籍『アジャイルサムライ』で提唱されたプラクティス。
なお質問2の翻訳は13刷で「どうやって貢献するつもりか?」に変更されたようですが、本稿は元の翻訳に拠りました。
「ドラッカー風エクササイズB面」については『チームジャーニー』より引用。
こぼれ話(私的コメント)
プラクティス名は『アジャイルサムライ』の著者Jonathan Rasmussonが「いかにもピーター・ドラッカーが言いそうな感じでしょ?」と茶目っ気たっぷりに名付けたもので、プラクティス自体はドラッカーさんが考案したわけではないです。ただ全く関係が無いわけでもなく、大元はドラッカーの論文から来ているそうです。そのあたりの経緯はAgileStudioさんの解説に詳しく載っています。
このプラクティスをやるとメンバー間の距離がグッと縮まるので、自己紹介代わりに使うのも効果的です。ただB面のエクササイズに関しては少し踏み込んだ質問なので、ある程度チームがこなれてきてから改めて行った方がよいでしょう。ネガティブな質問でも笑って話せるぐらいに気心が知れたメンバーでやると意外な一面が知れて、より関係性が深まるかもしれません。