プラクティス名(別名)
ファイブフィンガー (Fist to Five、Confidence Voting)
プラクティスの目的・狙い
- 問題の早期発見
- 認識の差分をとる(忖度の無い所感表明)
- 迅速な意思決定
どんな時に使うか
- チームメンバー全員の率直な意見を知りたい時
- 時間をかけずにチームの合意を形成したい時
実施手順
個人個人が「本当はどう思っているか」を5本の指で一斉に表明することで、時間をかけずに本音を引き出すツール。あまり考えすぎずに気軽に使った方がよい。
- 質問者が質問と回答(5段階の選択肢)を提示する
- 回答者たちは口には出さずに心の中で自分自身へ問いかけ、回答を決める
- 全員で「せーの、どん!」で指を立てて、お互い何本指かを確認し合う
- 立てた指の本数が少ない人(=ネガティブな方)の意見を先に聞く
- その後で本数が多い人(=ポジティブな方)の意見も聞く
本数 | 意味 |
---|---|
5 | 強いポジティブ |
4 | 弱いポジティブ |
3 | ニュートラル |
2 | 弱いネガティブ |
1 | 強いネガティブ |
選択肢の具体例
本数 | 【例1】賛成か反対か? | 【例2】チームの状態は? | 【例3】改善効果は? |
---|---|---|---|
5 | 賛成 | とってもうまくやれている | とても効果アリ |
4 | どちらかといえば賛成 | うまくやれている感触あり | 多少効果アリ |
3 | 他の人の判断に従う | 可もなく不可もなく | まだ分からない |
2 | どちらかといえば反対 | 不安は少しある | 効果は薄い |
1 | 反対 | 全然ダメで絶望的 | 全く効果なし |
アレンジ例
- 選択肢を3段階に簡略化する
- 0本指を選択肢に含めると6段階となるため、必ずポジ/ネガのどちらかに振り分けられる
- カメラOFFのオンライン会議の場合は、3カウントで一斉に1~5の数字をチャットする
アンチパターン
- 相手の意見を否定したり、なぜ「1」なのか理由を問い詰めたりする
参考情報
書籍『カイゼン・ジャーニー』
こぼれ話(私的コメント)
汎用的に使えて便利なので重宝します。5段階の選択肢には変なバイアスがかからないよう語感にわりと気をつかいます。回答が5と1で割れる場合は、意見の相違というより、そもそもの前提やイメージが合っていないことが多く、議論が足りていないという判断を下すケースもあります。メンバー全員の数がバチっと揃った時は、なんかモチベーションが上がります。本来、差分をとるためのツールなんですけどね。