プラクティス名(別名)
プラグマティック・ペルソナ (プロトペルソナ、偽のペルソナ)
プラクティスの目的・狙い
- 代表的なユーザの人物像を具体化し、関係者間で合意形成しやすくする
- ユーザの気持ちを想像しやすくする
どんな時に使うか
- 新アプリや新機能の企画検討段階で、想定するユーザ像が絞れていない時
- 関係者がそれぞれ異なるユーザ像を想定しており、判断や会話がすれ違う時
実施手順
- メインユーザとなりそうな架空の人格の画像(写真等)を用意し、名前をつける
- その人物の属性(年齢/性別/年収/家族構成/職業/性格/生活/etc...)を想像でよいので考える
- 属性を持ち寄っただけだと一人の人間としてみた時に矛盾していることがあるので、それを解消する
「ペルソナ」はターゲット像を絞り込み、企画や施策の妥当性を検討するためのマーケティングの手法。関係者間で想像しているユーザ像がバラバラだと判断やコミュニケーションがすれ違い、円滑に進まないため、先にイメージを統一しておく。本来、ペルソナは実データや調査に基づき作成するため、それなりに時間も費用もかかる。プラグマティック・ペルソナはそれを簡易的に、手間をかけずに実施する手法。想像で作成している分、実際のユーザ像とズレがある可能性は当然あり、ズレが分かってきたらペルソナを適宜修正することが前提となる。
アレンジ例
- ユーザ像として複数の方向性がある場合はムリに一人にまとめずに、ペルソナ自体を分ける
アンチパターン
- ユーザパターンを網羅的にカバーしようとして、ペルソナの数が増えすぎる
(そもそも手間をかけないためにこの手法を採用したのに本末転倒)
参考情報
以下の記事で勉強させていただきました。敬意と感謝をこめて紹介させていただきます。
こぼれ話(私的コメント)
アジャイルプラクティスとして「プラグマティック・ペルソナ」を捉え直すと、マーケティングのツールというより、ユーザ視点でプロダクトを眺めてみるという意味合いが強そうです。ペルソナを立てる過程で「この情報はAさんみたいな初心者が必要とするだろう。ただAさんは初心者であるがゆえにここまでたどり着けないかもしれない。・・・とするとそもそもこれって企画倒れじゃね?」といった致命的な問題に気が付いたりもします。
またペルソナ自体の妥当な属性が思いつかないようであれば「そもそもユーザについて何も知らない」ということが再認識できるでしょう。