プラクティス名(別名)
パーミッショントークン
プラクティスの目的・狙い
- チームの自律性の低さによるコストを可視化する
どんな時に使うか
- チームのフロー効率を下げている要因を明確にしたい時
- チームと周囲の組織がお役所仕事的になっているように感じる時
実施手順
- 透明の空きビンか容器を見つけて、チームの部屋に置く(SBLの近くがよい)
- トークンとなる物を用意する(レゴブロック、ビー玉、マグネットなど何でもよい)
※種類分けするために5色程度あるとよい - スプリント中、チームの誰かがチーム外の誰かに許可を求める必要がある度にトークンをビンに入れる
- スプリントレビューやレトロスペクティブなどで、溜まったトークンの数を数え、傾向や改善策について皆で話し合う(チームの自律性を高めるには?)
トークンの色 | 許可の種類(例) |
---|---|
赤 | タスクの完了を外部の誰かに承認してもらう |
黄 | POがステークホルダーやエンドユーザに確認する必要がある |
緑 | 他チームの作業/回答待ち(QA部門によるテスト確認など) |
青 | 外部の管理者に設定変更してもらう必要がある(ツールや環境など) |
白 | 事務手続き、申請など(リリース許可、物品購買、契約など) |
アレンジ例
- トークンの色を依頼する人で分ける(=誰が最も許可を必要としているか?)
- トークンの色を依頼される人/チームで分ける(=誰に許可を求めることが多いか?)
- オンライン環境で実施する場合はホワイトボードなどに付箋を貼ることで代用
- 分析のため付箋に依頼から許可までに要した時間を追記する
アンチパターン
- トークンの種類を増やしすぎる(あまり細かくしすぎると運用が大変)
- トークンの大きさが不揃い(視覚的にどの色が多かったかが分からなくなる)
参考情報
参考書籍『ゾンビスクラムサバイバルガイド』
こぼれ話(私的コメント)
スクラムチームの理想は開発からリリースまでの作業を全て自己完結できることですが、現実問題として組織の中で仕事をする以上、その過程でチーム外の誰かから許可を得るという行為はゼロにはできません。となると、あとはその頻度が問題となるわけですが、どの程度「許可」が発生しているのかは可視化されていないケースがほとんどではないでしょうか? そこでトークンがぎっしり詰まったビンをドン!と関係者の目の前に置いて、その量を体感してもらう、というのは話を始める上でとてもインパクトがあるように思います。
空きビンとビー玉など、少し重量のあるトークンで物理的にやってみたいプラクティスです。