プラクティス名
ユーザーサファリ
プラクティスの目的・狙い
- エンドユーザー像とその課題を掴む
- 誰がどのような状況でプロダクトを使っているのか理解を深める
- プロダクトの目的(意義)を再認識する
どんな時に使うか
- プロダクトを改善するヒントを集めたい時
- 開発チームにユーザー(と使用環境)をリアルにイメージさせたい時
実施手順
- プロダクトのユーザーがたくさん居そうな場所(=訪問先)を探す
- 事前に、何を観察するか/どんな質問をしたいか/記録方法などを決めておく
- 現場ではペアに分かれて、目立たないようにユーザーがプロダクトを使う様子を観察する
- ときどき静かに業務手順や使い勝手などについて質問し、メモする
- 観察終了後、チーム全員でメモ/気づき/所感などを共有する
※チェックシートの例(観察目的によって内容は適宜見直す)
観察/質問のポイント | 記入欄/回答欄 |
---|---|
どんな環境(状況)で使っているか | |
どんなデバイスで使っているか | |
どの機能がよく使われているか | |
どの作業に時間がかかっているか | |
操作に迷っている箇所はないか | |
前工程または後続作業は何か | |
他のアプリと併用しているか | |
改善したいところはあるか | |
追加で欲しい機能はあるか | |
その他、印象に残ったことや気づき |
アレンジ例
- Yes/Noで回答できる質問だけでなく「使いやすくするには、どうしたらよいと思いますか?」といったオープンクエスチョンも織り交ぜる
- 中には批判的なユーザーがいることも想定しておき、批判も改善のヒントとして受け入れるようチームにマインドセットしておく
アンチパターン
- 多人数で一人のユーザーを取り囲み、質問攻めにする(→プレッシャーを与えてしまう)
- 観察される側に、訪問日時や目的などが伝わっていない(→警戒され、防御的な反応に)
参考情報
出典は以下の書籍です。『ゾンビスクラムサバイバルガイド』
こぼれ話(私的コメント)
自身のスクラムチームでもいつかはやりたいプラクティスです。
ただ僕の周囲ではあまり実施されているのを見かけません。実際にやるとなると、ユーザーオフィスへの入館手続きとかセキュリティ上のルールとか色々ダンドリが大変だったりするからでしょうか。プロダクトの利用現場がオフィス以外(例えば実店舗とか工場内とか)の場合はとくに。
それでも現場に出向いて初めて気づけることは山のようにあり、例えば工場内で手袋した状態じゃ細かいタッチ操作はできないとか、ちょっとアラーム鳴らしたぐらいじゃ騒音で気づけないとか、ユーザーからしたら当たり前のことでも開発者にとっては想像するのが難しかったりもします。
また実際に使う人たちの顔がイメージできている、ということはあらゆるモノづくりにおいて非常に重要な要素だと思います。自身の体験でも、自分たちのプロダクトをユーザーが使っているシーンを実際に目にした時、ハッキリと意識が変わったのを今でもよく覚えています。まさに「百聞は一見に如かず」ですね。チームのモチベアップにもつながりそう。