プラクティス名
サインアップ
プラクティスの目的・狙い
- 状況に応じた柔軟な要員配置
- 主体性を育てる(「やらされ仕事」から「やりたい仕事」へ)
どんな時に使うか
- DEVが割り当てられた仕事以外のことを自主的にやろうとしない時
- 誰がどの領域を担当するのかが固定化しており、ボトルネックが発生しがち
実施手順
- タスク分解した後も、直前まで実施担当者をアサイン(割り当て)しない
- その日のタスク分担を決めるため、DEV全員がタスクボードの前などに集まる
- 各自が自主的に手を挙げ、今日どのタスクに取り組むかサインアップ(自己申告)する
メンバーの都合や進捗状況に応じて動的に要員配置を変えられるのが利点。また自らサインアップすることで意識も変わる。一方、このペースで全体的に終わりそうかどうかは別途バーンダウンチャートなどで分かりやすく可視化しておく必要がある。
アレンジ例
- 有識者とペアでサインアップする(習得目的で未経験のタスクに取り組む場合など)
- サインアップのローカル運用を決める(やりたいタスクが被った場合はペア作業にするなど)
- 早めに終わりそうな場合は、次に取り掛かるタスクもサインアップしておく
アンチパターン
- 難易度の高いタスクや面倒なタスクに誰も手をつけようとしない
- 特定の人しかできない作業が残り、結局それがボトルネックになる
参考情報
Ryuzeeさんがサインアップのアンチパターンについてさらに深く解説してくれています。
こぼれ話(私的コメント)
アサインされることに慣れ切った従来開発出身者のチームでいきなりこのプラクティスに臨むと「マネージャーが仕事をせずに丸投げしてきた」といった誤解を生みかねません。また要員のパフォーマンス差も浮き彫りになりやすいので、準備体操として「チーム主義」のマインドセットを忘れずに。
物理的なタスクボードで運用している場合、自分の完了レーンに付箋が溜まっていくのは、かなりモチベーションになります。まぁ、次のスプリントに進むとあっさりリセットされちゃうんですけどね。