6
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

DMARCとは(初心者向け)

Posted at

前回、SPFとDKIMについて書いたので、ついでにDMARCもまとめておきます。

1.DMARCって?

SPFとDKIMの欠点を補うための送信ドメイン認証です。
認証に失敗したメールをどうするか、送信側で決めることができます。
SPFとDKIMの両方を使うことを前提にした仕組みですが、いずれかに対応していれば導入できます。
メール送信側で、事前に以下の3パターンからポリシーを定義しておきます。

①none(何もしない)
②quarantine(迷惑メールフォルダなどに隔離する)
③reject(受信を拒否する)

2.DMARCのメリット

DMARCには、大きく分けて2つの機能があります。

①ポリシー設定
・認証が失敗した場合の受信側の挙動が制御できる

②レポーティング機能
・関連するすべてのメールプロバイダから日次レポート(XML形式)を受け取ることができる
・エラー情報(SPFとDKIMの認証結果)と統計情報(どういうメールがどういう認証結果なのか)が分かる
・なりすましメールの送信元が分かる
・最新の情報が把握できるため、ポリシーの最適化ができる

3.DMARCの実装方法

ポリシーはDMARCレコードとして、送信側でDNSサーバにTXTレコードを設定します。
以下がオプション(抜粋)です。

・v=DMARC1 DMARCレコードのバージョン(現状DMARC1しかないよう)です。レコードの最初に指定が必要です。
・p=none 認証に失敗したメールのアクションです。none,quarantine,rejectのどれかを指定します。
・rua=mailto:〜 統計情報のレポートメールを受信するメールアドレスを指定します。
・ruf=mailto:〜 エラー情報のレポートメールを受信するメールアドレスを指定します。

例:ドメインがexample.jpの場合

_dmarc.example.jp text = “v=DMARC1; p=none; rua=mailto:report@example.jp

4.メール送受信の流れ

送信ドメイン認証を使った、メール送受信の流れです。

######1.DNSサーバにSPF,DKIM,DMARCレコードを追記します。
######2.メールを送信します。
######3.SPFとDKIMの認証を行い、失敗したらポリシーに従って処理します。
######4.認証結果をレポートに書き込み、さらに隔離、受信拒否の場合は認証失敗としてレポートに書き込みます。
######5.日次で受信側からレポート用アドレスへ、レポートメールを送信します。


★懸念★
・DMARCを使うには受信側もDMARCをサポートしている必要がある。
・国内ではDMARC普及率が低い※ので、レポート結果のドメインの種類が少ない。
・ドメインごとにレポートを送受信するため、負荷が掛かる。
・受信するべきメールが受信できなくなる可能性を考慮して、認証失敗しても受信拒否するケースは少ないのでは。

※「一般財団法人インターネット協会主催の迷惑メール対策カンファレンス」P15
2017年時点でDMARCの普及率は19.66%とのこと。
https://www.iajapan.org/anti_spam/event/2017/conf_16-17th/pdf/OD-05_D3-06_kitazaki.pdf

6
4
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
6
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?