去年の8月ころから、東大松尾研のLLM講座に関連する行事に参加しはじめました。
初年度は、右も左もわからない状態でした。
AIについては、前職で1976年頃に1度、2020年頃に1度招待講演をしたことがあります。
深層学習と量子計算機の勉強会にも補助講師、講師として企画してきました。
LLMの流れには、一歩出遅れた感じです。
ChatGPTを使うのも、四歩遅く、ChatGPT5になってからです。
利用しはじめたのは、愛知県立名古屋高等専門校で、構造化プログラミングとUMLの講義を担当するようになり、生徒がAIを利用しているとのことで、利用上の注意をウナが目的もあり、講義で利用しはじめたのが出発点です。
主な注意事項は、次の4点
著作権、特許などの知財もしらべてもらう。
参考文献はWikipediaを除外してもらう。
自分の作品、意見を出発点にしてもらう。
HAZOPの11のGuideWordごとに調べてもら。
Calendarの開催
東大松尾研のLLM勉強会に参加した課題ごとに、Calendarを開催することにしました。
ChattGPT
ChatGPTを十分に活用することにしました。
強化学習のPPOを説明してください。
以下では、**PPO(Proximal Policy Optimization)**を「なぜ生まれたか → 何を解決するか → どう動くか → 数式の意味 → 実装の勘所」まで、段階的にわかりやすく説明します。
🔵 1. PPOとは?
**PPO(Proximal Policy Optimization)は、強化学習の代表的な方策勾配(Policy Gradient)**アルゴリズムです。
DeepMind が 2017 年に提案し、OpenAI Gym の多くのタスクで基準となっています。
特徴:
- 安定して学習する
- チューニングしやすい
- TRPOのような複雑な制約最適化を必要としない
- 多くのロボット制御・ゲームAI・対話モデルで使用
🔵 2. なぜPPOが必要だったか?
従来の方策勾配法(REINFORCE)やActor-Criticは、
● 大きく方策(policy)が更新されると性能が悪化
→ “壊れた”方策になり、学習が不安定に。
● TRPOは安定だが実装が複雑
Trust Region Policy Optimization(TRPO) は更新幅をKL制約で抑えるが、
- 2階微分、
- 共役勾配法、
- 制約付き最適化…
と複雑。
🔵 3. PPOの基本発想
「方策更新が“大きく行きすぎないように”罰を与える」
つまり、
“Too much change is bad”
を数学的に表したアルゴリズム。
PPOは2つの方法を提案したが、一般に使われるのは:
✔ PPO-Clip(クリッピング方式)
🔵 4. PPO-Clip の中心式
PPOの目的関数(loss)は次:
[
L^{CLIP}(\theta)
================
\mathbb{E}_t
\Big[
\min\big(
r_t(\theta) A_t,
,
\text{clip}(r_t(\theta), 1-\epsilon, 1+\epsilon),A_t
\big)
\Big]
]
● 各記号の意味
- ( r_t(\theta) = \frac{\pi_\theta(a_t|s_t)}{\pi_{\theta_{old}}(a_t|s_t)} )
→ 新しい方策/古い方策 の比(importance ratio) - ( A_t )
→ アドバンテージ(良い行動か悪い行動か) - clip(…, 1−ε, 1+ε)
→ 更新幅が ε の外に出ないように切る
🔵 5. クリッピングの効果(直感)
■ アドバンテージ > 0(良い行動を増やしたい)
- 新しい方策確率が増えすぎると r が 1+ε を超える
→ **増やしすぎ禁止!**でクリップして損失が増えない
■ アドバンテージ < 0(悪い行動を減らしたい)
- 確率が減りすぎると r が 1−ε 未満になる
→ 減らしすぎ禁止!
→ 結果として、
「少しずつ着実に良くなる」方策更新が保証される
🔵 6. PPOの学習ループ(全体像)
- 現在の方策 θ_old で環境を一定ステップ走らせる(rollout)
- 状態・行動・報酬をメモリに貯める
- アドバンテージ A_t を GAE などで計算
- PPO-Clip 損失で θ を更新(複数回)
- θ_old ← θ に更新
- 繰り返す
🔵 7. PPO が好まれる理由
| アルゴリズム | 安定性 | 実装の簡単さ | 収束速度 |
|---|---|---|---|
| REINFORCE | × | ◎ | △ |
| Actor-Critic | △ | ◎ | ○ |
| TRPO | ◎ | × | ○ |
| PPO | ◎ | ○ | ◎ |
- TRPOの安定性をほぼそのまま再現
- コードが短い(PyTorchで50行程度)
- Hyperparameter tuning が少ない
深層強化学習のデフォルト手法とされることが多い。
🔵 8. PPO の実装の勘所
- GAE(Generalized Advantage Estimation) を使うと安定する
- (\epsilon=0.1 \sim 0.3) が一般的
- 複数エポックで同じデータを反復して学習できる点が強い
- バッチサイズを大きくすると性能が良い
🔵 9. まとめ(最重要点だけ)
- PPOは「更新しすぎると壊れる問題」を改善する
- クリッピングにより「変更しすぎ禁止!」の安全領域を作る
- TRPOより簡単で強力
- 現代の強化学習では標準的なアルゴリズム
必要なら、以下もできます: - PPO の数式だけ
- PyTorch最小コード(50行)
- PPO と SAC / TD3 の比較
- Actor–Critic を前提にしたより初学者向け説明
どれを見たいですか?
DPOとの違いはなんですか。
以下では、**PPO(Proximal Policy Optimization)**と
**DPO(Direct Preference Optimization)**の違いを、
目的・使用場面・数式レベルでわかりやすく比較します。
🔵 結論:PPO と DPO は用途がほぼ別物
| 項目 | PPO | DPO |
|---|---|---|
| 分野 | 強化学習(RL) | 生成AIモデルの preference learning(RLHFの一種) |
| 目的 | 環境からの報酬を最大化 | 好ましい応答(人間の選好)に直接近づける |
| 使用データ | 状態・行動・報酬(オンライン) | 人間の「良い/悪い」回答ペア(オフライン) |
| 代表式 | クリッピングした policy gradient | 好ましい応答が勝つように分類損失 |
| 主な課題 | 方策が壊れないように更新を制限 | 参照モデルとの KL 拡散を自然に抑制 |
| 主な用途 | ロボット制御、ゲームAI | LLMの微調整(RLHFの軽量版) |
🔵 1. PPOは「環境の報酬を最大化」
PPOは、
環境から報酬を得ながら、方策(policy)を更新する強化学習。
損失関数(PPO-Clip)
[
L(\theta)
=========
\mathbb{E}
\left[
\min
\left(
r_t(\theta) A_t,
;
\text{clip}(r_t(\theta),1-\epsilon,1+\epsilon)A_t
\right)
\right]
]
PPOのポイント:
- 古い方策と新しい方策の確率比 (r_t) を使う
- 更新幅(KL divergence)をclipで制限
- ロールアウト(環境との相互作用)が必須 → オンライン
🔵 2. DPOは「人間の好みを直接最適化」
DPO は RLHF の簡易版で、
報酬モデルを作らずに「好ましい回答」が勝つようにモデルを更新する。
使うデータは:
- 好ましい回答:( y^{+} )
- 好ましくない回答:( y^{-} )
- 同じプロンプト:( x )
DPO 損失関数
[
L(\theta)
=========
-\log
\frac{
\exp\left(\beta \log \pi_\theta(y^+|x) - \log \pi_{\text{ref}}(y^+|x)\right)
}{
\exp\left(\beta \log \pi_\theta(y^+|x)-\log \pi_{\text{ref}}(y^+|x)\right)
+
\exp\left(\beta \log \pi_\theta(y^-|x)-\log \pi_{\text{ref}}(y^-|x)\right)
}
]
特徴:
- **分類問題(勝ち/負け)**として扱う
- 参照モデル(ref)との差分が KL 制約と等価に効く
- 追加の報酬モデルを不要にする
- すべて オフラインで学習できる(LLM向き)
🔵 3. 役割の違い(超重点)
■ PPO
- 行動をとる → 報酬をもらう → 改善する
- ロボット、ゲーム、制御、RLHFの最終ステップ
■ DPO
- LLMに 選好(preference)データを食わせて、
- 「好ましい回答を出す確率を上げる」だけ
- 環境も報酬も不要(LLM特化)
🔵 4. TRL(LLM世界)での扱い
現代の LLM RLHF では:
- PPO = 使用されるが 実装が重い
- DPO = 軽量で強く、主流になりつつある
なぜか? - DPOは報酬モデル不要 → 簡単
- KL制御が自動で生まれる(refとの比較で)
🔵 5. 数式上の比較(本質)
✔ PPO
「古い policy から離れすぎないようにしつつ、
報酬に比例して policy を改善する」
[
\max_\theta ;
\mathbb{E}[r_t A_t]
\text{ with clipping}
]
✔ DPO
「人間が選んだ y+ が勝つ確率を最大化しつつ、
refモデルへの KL が自然と効く」
[
\max_\theta \Pr_\theta(y^+ \succ y^-)
]
🔵 6. もっと短い要約(最重要ポイント)
● PPO
強化学習の手法(オンライン)
報酬を最大化する
古い policy から離れすぎないように clip
● DPO
LLM微調整の手法(オフライン)
好ましい回答が勝つように分類
refモデルとの差が KL と同等の役割
🔵 7. さらに理解したい方向けに
必要なら以下も続けられます:
- PPOとDPOのKLの違い(TRPOとの関係を含む)
- DPOとPPOを同じ枠組み(RL as Inference)で統一的に説明
- LLM RLHF で PPO が使われる部分(最終stage)
- DPO の PyTorch 最小実装(30行)
どれを見たいですか?
GRPOはなんですか。
良い質問です。「GRPO(Group Relative Policy Optimization)」は最近注目されている強化学習 (RL) 手法で、特に大規模言語モデル(LLM)の「思考力(Chain-of-Thought)付き応答」の強化に使われています。以下で GRPO とは何か、どういう特徴があるかを解説します。
GRPO(Group Relative Policy Optimization)とは
GRPO は、LLM を強化学習で微調整するための手法の一種で、次のようなポイントがあります。
-
グループ相対評価 (Group-relative)
-
Critic(価値関数)を使わない / 削減
- 一部の議論・実装では、GRPO は学習されたクリティック(値関数)を持たず、グループ単位の比較からアドバンテージを推定する。 (arXiv)
- これにより、従来の方策勾配 + 値関数 (Actor-Critic) スキームよりもシンプルな構造になる。
-
KL 正則化
-
LLM に対する効率性
- LLM(特に推論モデル)への強化学習適用に最適化されており、学習コスト (GPU、VRAM) を抑えられるアプローチが実証されている。 (Reddit)
- DeepSeek-R1 などで採用され、複雑な推論 (数学、コーディング、科学) 能力を強化するのに用いられている。 (TechTarget Japan)
GRPO の利点・課題
利点
-
報酬スケールやノイズに強い
グループ内相対評価を使うので、報酬の絶対値がスパースだったりノイズが大きかったりしても比較的ロバスト。 (株式会社一創 |) -
モデルが持つ既存知識を活かせる
クリティックを使わない分、事前学習モデルの知識 (LLM がすでに持っている “価値” や確率分布) をうまく活用できる。 -
コスト削減
従来法 (PPO など) に比べてリソース効率が良いと報告されている。 (Reddit) -
安定性
グループ比較 + KL 正則化によって、方策の更新が安定しやすい。
課題・限界
-
全負サンプル問題
− グループ内で「どの応答も不正確 (=全負サンプル)」というケースでは、GRPO の更新がうまく働かないという指摘がある。 (J-GLOBAL) -
構造的異種性
− LLM の応答 (例: 複数ステップ推論) において、異なるトラジェクトリの構造 (長さ・形・複雑さ) の違いをどう扱うかが難しい。これに対処する「層化 GRPO (Stratified GRPO)」などの研究がある。 (J-GLOBAL) -
トークンレベル勾配の不均衡
− 低確率トークンが勾配を支配しすぎる可能性がある → Token-Regulated GRPO といった改良が出てきている。 (arXiv) -
従来 RL タスクとの適用性
− 古典的な制御タスク (Atari, MuJoCo など) に対して GRPO を使うと、PPO など既存手法より劣るという報告がある。 (arXiv)
PPO や DPO との比較(簡単)
- PPO:従来の方策最適化。クリティック (値関数) を使う。更新はクリッピングなどで安定化。
- DPO:好み (preference) データを使ってオフラインで方策を微調整。主に LLM の応答質 (人間の選好) を改善。
- GRPO:LLM の複数応答 (軌跡) を同時に比較 (グループ相対) して、最も “良い応答” を選好して強化。PPO よりシンプルな構造 (クリティックを省く)、DPO とは異なる “強化学習+推論能力” の強化。
もしよければ、GRPO の数学的な目的関数 (ロス関数) を式で説明できます。また、GRPO の PyTorch 実装例や PPO や DPO とのベンチマーク比較も紹介できます。やりましょうか?