はじめに
Claude Code でコードを書いていると、次の2つの場面でターミナルの限界を感じることがあります。
- 大きな機能の実装計画を立てる場面: テキストだけのプランを見ながら「ここを修正してほしい」と何度もやり取りするのは不便
-
マージ前に深いコードレビューをしたい場面: ローカルの
/reviewは速いが、複雑な変更では見落としが心配
これを解決するのが、Claude Code の新機能 Ultraplan(計画をクラウドへ)と Ultrareview(レビューをクラウドへ)です。
この記事で学べること
- Ultraplan でプランニングをクラウドにオフロードし、ブラウザで精密にフィードバックする方法
- Ultrareview でマルチエージェントが並列実行する深いコードレビューをマージ前に走らせる方法
- 2つの機能の使い分けとワークフローへの組み込み方
対象読者
- Claude Code を日常的に使うエンジニア
- 大規模なリファクタリングや機能追加で計画フェーズを丁寧にやりたい方
- マージ前のバグ検出精度を上げたい方
前提環境
- Claude Code v2.1.91 以降(Ultraplan)、v2.1.86 以降(Ultrareview)
- Claude.ai アカウント(Pro または Max プラン)
- GitHub リポジトリ
TL;DR
-
Ultraplan:
/ultraplan {タスク}でプランニングをクラウドに移譲。ブラウザでインラインコメントを付けて精緻化し、クラウドまたはローカルで実装 -
Ultrareview:
/ultrareviewでマルチエージェントがクラウド上でバグを並列検証。Pro/Max は 3 回無料(2026年5月5日まで) - 両機能とも Bedrock / Vertex AI / Foundry では利用不可(Claude.ai アカウント必須)
Ultraplanとは
Ultraplan は、Claude Code の CLI から計画タスクを Claude Code on the web のクラウドセッションに移譲する機能です。
/ultraplan migrate the auth service from sessions to JWTs
従来のローカルプランニングとの違いは以下の通りです。
| 項目 | ローカルプラン | Ultraplan |
|---|---|---|
| 実行場所 | ローカルターミナル | Anthropic クラウド |
| レビュー方法 | テキストベース | ブラウザでインラインコメント |
| ターミナルの占有 | プラン中は占有 | 解放される |
| フィードバック粒度 | 会話全体への返答 | 段落単位でコメント |
ターミナルが解放されるため、Ultraplan がクラウドで動いている間、ローカルで別の作業を並行できます。
Ultraplan の仕組み
Ultraplan を起動すると、Claude Code は GitHub リポジトリを一時クラウドコンテナにクローンし、Plan Mode でコードベースを解析します。完成したプランはインタラクティブな Web UI に表示され、レビュー待ちになります。
Ultraplan は Research Preview です。Claude Code v2.1.91 以降が必要で、GitHub リポジトリと Claude.ai アカウント(Pro または Max)が前提です。Amazon Bedrock・Google Cloud Vertex AI・Microsoft Foundry では使用できません。
Ultraplan の使い方
ステップ1: 起動する(3つの方法)
方法A: /ultraplan コマンド
最も明示的な方法です。
/ultraplan migrate the auth service from sessions to JWTs
方法B: 通常プロンプトに "ultraplan" を含める
会話の流れで自然に起動できます。
I need an ultraplan for refactoring the payment module to support multi-currency.
方法C: ローカルプランから昇格させる
Claude がローカルでプランを作り終えたとき、承認ダイアログで 「No, refine with Ultraplan on Claude Code on the web」 を選ぶと、そのプランがクラウドに転送されます。この経路はダイアログ選択自体が確認なので、追加の確認ダイアログは表示されません。
Ultraplan 起動中は Remote Control が自動的に切断されます。両機能は claude.ai/code インターフェースを共有するため、同時実行できません。
ステップ2: ターミナルのステータスを確認する
起動後、CLI のプロンプト入力欄にステータスインジケーターが表示されます。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
◇ ultraplan |
Claude がコードベースを調査・プランを下書き中 |
◇ ultraplan needs your input |
Claude が確認事項を質問中(ブラウザで回答) |
◆ ultraplan ready |
プランが完成。ブラウザで確認可能 |
/tasks を実行してUltraplanエントリを選ぶと、セッションリンク・エージェントアクティビティ・Stop ultraplan アクションを含む詳細ビューを開けます。
ステップ3: ブラウザでレビューして実行する
◆ ultraplan ready になったらセッションリンクを開きます。
レビュー操作
- インラインコメント: 任意のテキストをハイライトしてコメントを追加 → Claude が当該箇所を修正
- 絵文字リアクション: 承認・懸念を絵文字でシグナル
- アウトラインサイドバー: 長いプランのセクション間をジャンプ
何度でも改訂できます。プランに満足したら、実行場所を選びます。
実行オプション A: クラウドで実装
「Approve Claude's plan and start coding」 を選ぶと、同じクラウドセッションで実装が進みます。完了後は Web インターフェースからDiffをレビューし、PR を作成します。
実行オプション B: ターミナルに転送
「Approve plan and teleport back to terminal」 を選ぶと、プランがローカルに転送されます。ターミナルに以下のダイアログが表示されます。
| オプション | 動作 |
|---|---|
| Implement here | 現在の会話にプランを注入して継続 |
| Start new session | 新しいセッションを開始(上部に claude --resume コマンドを表示) |
| Cancel | プランをファイルに保存のみ(ファイルパスを表示) |
Ultrareviewとは
Ultrareview は、マージ前の深いコードレビューをクラウド上のマルチエージェントフリートで実行する機能です。
/ultrareview
通常の /review との最大の違いは、すべての指摘が独立したエージェントによって再現・検証される点です。誤検知が大幅に減り、実際のバグに絞った結果が返ってきます。
/review と /ultrareview の比較
| 項目 | /review |
/ultrareview |
|---|---|---|
| 実行場所 | ローカルセッション | クラウドサンドボックス |
| 深度 | シングルパスレビュー | マルチエージェント + 独立検証 |
| 所要時間 | 数秒〜数分 | 5〜10 分 |
| コスト | 通常使用に含む | 無料枠後は $5〜$20 / 回(extra usage) |
| 適した用途 | 開発中の高速フィードバック | マージ前の確信を得たい場面 |
Ultrareview は Research Preview です。Claude Code v2.1.86 以降が必要です。Claude.ai アカウントで認証(
/login)が必要で、Bedrock・Vertex AI・Foundry では使用できません。また、Zero Data Retention を有効にしている組織では使用できません。
Ultrareview の使い方
基本: ブランチのレビュー
引数なしで実行すると、現在ブランチとデフォルトブランチのdiffをレビューします(コミット済み・未コミット・ステージング済みの変更を含む)。
/ultrareview
起動前に、以下を示す確認ダイアログが表示されます。
- レビュースコープ(ファイル数・行数)
- 残りの無料実行回数
- 推定コスト
確認後はバックグラウンドで実行されるため、セッションで他の作業を継続できます。
PR モード: Pull Request をレビュー
PR 番号を渡すと、GitHub から直接 PR をクローンしてレビューします。
/ultrareview 1234
PR モードには
github.comリモートが設定されたリポジトリが必要です。リポジトリが大きすぎてバンドルできない場合、Claude Code はPRモードの使用を促します。
結果の確認
レビューには通常 5〜10 分かかります。完了すると、セッションに通知として結果が表示されます。各指摘には以下が含まれます。
- ファイルの場所(行番号)
- 問題の説明
指摘を見てすぐ Claude、これを修正して と頼めます。
進行中のレビューは /tasks で確認・停止できます。停止した場合、途中の結果は返ってきません。
料金体系
Pro・Max ユーザーは 2026年5月5日までに使える 3回分の無料実行枠 があります。
| プラン | 無料実行 | 有料時の単価 |
|---|---|---|
| Pro | 3回(2026年5月5日まで) | $5〜$20 / 回(extra usage) |
| Max | 3回(2026年5月5日まで) | $5〜$20 / 回(extra usage) |
| Team / Enterprise | なし | $5〜$20 / 回(extra usage) |
有料の場合は extra usage として課金されるため、事前に extra usage を有効にしておく必要があります。/extra-usage で現在の設定を確認・変更できます。
Ultraplan と Ultrareview の使い分け
2つの機能は、開発サイクルの異なるフェーズをカバーします。
[実装前] [実装中] [マージ前]
↓ ↓ ↓
Ultraplan /review Ultrareview
(クラウドでプラン) (ローカル高速) (クラウド深堀り)
推奨ワークフロー
大きな機能追加・リファクタリング時:
-
ultraplan で認証サービスをJWT方式に移行する計画を立ててと依頼 - ブラウザでプランをレビュー・コメントでフィードバック
-
Approve plan and teleport back to terminal→Implement hereでローカル実装 - 実装中は
/reviewで高速フィードバックを繰り返す - PR を作成したら
/ultrareview {PR番号}でマージ前の最終確認
小さなバグ修正・軽微な変更時:
- Ultraplan / Ultrareview は不要
- ローカルの Claude Code で実装・
/reviewで確認して PR
まとめ
Claude Code の Ultraplan と Ultrareview は、クラウドインフラを活用して計画とレビューの品質を大幅に向上させる機能です。
- Ultraplan: ブラウザの豊富なレビューUIでプランを精緻化し、クラウドまたはローカルで実装を選べる
- Ultrareview: マルチエージェントが独立検証した高信頼度のバグ指摘をマージ前に受け取れる
- 両機能とも Claude.ai アカウント(Pro/Max)が必要で、Bedrock/Vertex AI/Foundry では使用不可
どちらも Research Preview 段階ですが、大規模な変更を扱う場面では今すぐ試す価値があります。Pro/Max ユーザーは Ultrareview の無料枠(3回)を 2026年5月5日までに使い切りましょう。