はじめに
Claude Code v2.1.86 で /ultrareview コマンドが研究プレビューとして公開されました(2026年4月)。
このコマンドは、ローカルの /review と異なり、クラウド上でエージェントフリートを並列起動 してブランチや Pull Request をレビューします。
各エージェントは異なる観点でコードを調査し、すべての報告事項は 独立した再現確認 を経てから開発者に届きます。
この記事で解説すること
-
/ultrareviewの動作原理と/reviewとの使い分け - ブランチレビュー・PRレビュー・CI/CD連携の実行方法
- 料金体系と利用できない環境
対象読者
- Claude Code Pro / Max / Team / Enterprise を利用しているエンジニア
- PRマージ前のコードレビュー品質を高めたい方
- GitHub Actions 等の CI/CD に自動レビューを組み込みたい方
前提条件
- Claude Code v2.1.86 以降(
claude --versionで確認) - Claude.ai アカウント(Pro / Max / Team / Enterprise のいずれか)
- Amazon Bedrock / Google Cloud Vertex AI / Microsoft Foundry 経由では 利用不可
TL;DR
-
/ultrareviewはクラウドでエージェントフリートを走らせ、バグを独立検証してから報告するコードレビュー機能 -
/ultrareview(ブランチ)または/ultrareview 1234(PR番号)で実行 - CI/CD からは
claude ultrareviewサブコマンドで非インタラクティブ実行可能 - 料金は 1回 $5〜$20(extra usage 課金)。Pro/Max は 3回無料ラン付き(2026-05-05 期限切れ)
/ultrareview とは
/ultrareview は、公式ドキュメントによると、
Ultrareview is a deep code review that runs on Claude Code on the web infrastructure.
と定義されています。実行すると、リモートサンドボックス上にレビュアーエージェントのフリートが起動し、ブランチや PR に存在するバグを探索します。
/review との比較
/review |
/ultrareview |
|
|---|---|---|
| 実行場所 | ローカルセッション | リモートクラウドサンドボックス |
| 深度 | シングルパスレビュー | マルチエージェント+独立検証 |
| 所要時間 | 数秒〜数分 | 約 5〜10 分 |
| コスト | 通常使用量に計上 | extra usage($5〜$20/回) |
| 適したシーン | 作業中の素早いフィードバック | 重要な変更のマージ前チェック |
公式ドキュメントでは、2つの使い分けを次のように説明しています。
Use
/reviewfor fast feedback as you work. Use/ultrareviewbefore merging a substantial change when you want a deeper pass that catches issues a single review might miss.
独立検証による高いシグナル品質
従来の静的解析ツールが課題としていた「偽陽性(false positive)」を削減するため、各エージェントが発見した問題は 別のエージェントによる独立した再現確認 を経てから報告対象になります。再現できない問題はリストに含まれません。
複数のエージェントが並列起動し(具体的な台数は非公開)、それぞれが異なる観点(例: 競合状態・SQLインジェクション・エラーハンドリング)から差分を調査するため、シングルパスレビューでは見逃しやすい問題が浮上しやすくなります。
使い方
1. ローカルブランチのレビュー
/ultrareview
引数なしで実行すると、現在のブランチとデフォルトブランチの差分(ステージ済み・未コミット変更を含む)をレビューします。リポジトリの状態がリモートサンドボックスにアップロードされ、レビューが開始されます。
実行前に確認ダイアログが表示され、レビュー範囲・残りの無料ラン数・推定コストが確認できます。確認後、レビューはバックグラウンドで進行するため、ターミナルでの他の作業が妨げられません。
2. GitHub Pull Request のレビュー
/ultrareview 1234
PR 番号を渡すと、リモートサンドボックスが GitHub から直接 PR をクローンしてレビューを実施します(ローカルのワーキングツリーはアップロードされません)。
この PR モードには github.com リモートが設定されているリポジトリが必要です。リポジトリが大きすぎてバンドルできない場合も、PR モードに切り替えるよう Claude Code がガイドしてくれます。
3. 認証の確認
/ultrareview は Claude.ai アカウントによる認証が必須 です。API キーのみで接続している場合は、先に /login で認証してください。
/login
4. レビューの追跡
レビューは通常 5〜10 分で完了します。進行状況の確認・停止は /tasks で行えます。
/tasks
レビュー完了時は、セッションへの通知としてファイル位置と問題の説明を含む検証済み所見が届きます。そのまま Claude に修正を依頼することも可能です。
CI/CD への統合
GitHub Actions 等の CI/CD からは、claude ultrareview サブコマンドで非インタラクティブ実行できます。
# ローカルブランチをレビュー
claude ultrareview
# PR番号でレビュー
claude ultrareview 1234
# 特定ブランチとの差分をレビュー
claude ultrareview origin/main
# JSON形式で出力
claude ultrareview --json
# タイムアウトを指定(デフォルト: 30分)
claude ultrareview --timeout 60
サブコマンドはレビュー完了まで ブロック し、結果を stdout に出力して終了します。
| 終了コード | 意味 |
|---|---|
| 0 | レビュー完了(所見あり・なし両方) |
| 1 | 起動失敗、リモートセッションエラー、タイムアウト |
| 130 | Ctrl-C で中断(リモートレビューは継続) |
progress messagesとlive session URLは stderr に出力されるため、stdout の出力のみをパースするパイプライン構成でも問題ありません。
GitHub Actions への組み込み例:
- name: Run ultrareview on PR
run: claude ultrareview ${{ github.event.pull_request.number }}
env:
CLAUDE_CODE_OAUTH_TOKEN: ${{ secrets.CLAUDE_CODE_OAUTH_TOKEN }}
GitHub リポジトリへの直接連携には Code Review 機能も利用できます。こちらは CLI 操作なしで PR へのインラインコメントとして所見を投稿します。
料金体系
/ultrareview は 通常のプラン使用量 ではなく、extra usage として課金されます。
| プラン | 無料ラン | 無料ラン後 |
|---|---|---|
| Pro | 3回(2026-05-05 期限切れ) | extra usage として課金 |
| Max | 3回(2026-05-05 期限切れ) | extra usage として課金 |
| Team / Enterprise | なし | extra usage として課金 |
1回あたりの料金は変更量のサイズに応じて $5〜$20 です。途中で停止したり失敗した場合でも、リモートセッションが開始した時点で 1 回としてカウントされます(有料レビューは実行した分だけ課金)。
extra usage が未設定の場合、起動前に Claude Code がブロックし、請求設定ページへのリンクを表示します。現在の設定は /extra-usage コマンドで確認・変更できます。
/extra-usage
利用できない環境
公式ドキュメントによると、以下の環境では /ultrareview は利用できません。
- Amazon Bedrock 経由で Claude Code を使用している場合
- Google Cloud Vertex AI 経由で Claude Code を使用している場合
- Microsoft Foundry 経由で Claude Code を使用している場合
- Zero Data Retention(ZDR) を有効にした組織
これらの環境ではリモートサンドボックスへの接続ができないため、機能が提供されていません。
活用シーン
- 認証・認可変更のレビュー: セキュリティ上の影響が大きい変更前に実施
- データマイグレーション: スキーマ変更やデータ変換ロジックのバグを事前検出
- 大規模リファクタリング: 広範囲にわたる変更でシングルパスが見逃しやすいケース
-
自動 PRレビューとの組み合わせ: CI で
claude ultrareviewを実行し、チェックが通ったものだけレビュアーに回す
まとめ
-
/ultrareviewは Claude Code のクラウドインフラ上でマルチエージェントが並列にコードを検査するコマンド - 各所見は独立検証済みのため、偽陽性が少なく実用的なバグ報告が得られる
- ローカルブランチ・GitHub PR・CI/CD の 3 通りの使用方法がある
- Extra usage として $5〜$20/回で課金。Bedrock / Vertex AI / Foundry 環境では未対応
重要な変更をマージする前に一度実行するだけで、見落としていたバグを発見できる可能性があります。/review で素早くフィードバックを得ながら、最終マージ前は /ultrareview で深いチェックを行うという使い分けが推奨されています。
参考リンク
- Claude Code /ultrareview 公式ドキュメント — 機能の全仕様と料金
- Week 17 ダイジェスト(2026-04-20〜24) — /ultrareview が research preview として公式アナウンスされたダイジェスト
- Week 16 ダイジェスト(2026-04-13〜17) — /ultrareview が v2.1.111 で初出荷されたリリースノート
- Claude Code on the web — リモートセッションとクラウドサンドボックスの仕組み
- Ultraplan ガイド — 大規模変更の設計段階で使うプランニング機能

