はじめに
OpenAI は 2026年5月21日、Codex v26.519 をリリースしました。このアップデートでは、Mac アプリ画面をワンショットで AI に共有できる Appshots、ロック中の Mac を遠隔操作できる Remote Computer Use、長期タスク駆動の Goal Mode 正式版 など、開発者の作業効率を大幅に高める機能が複数追加されています。
本記事では、公式ドキュメントをもとに各機能の仕組みと活用方法を整理します。
この記事で学べること
- Appshots の仕組みと使い方(必要権限・取得できる情報)
- Remote Computer Use の動作原理とセーフガード
- Goal Mode が experimental から正式版になった変更点
- CLI v0.133.0 の主な更新内容
- 各機能の対応プラン・地域制限
対象読者
- Codex を日常的に利用している開発者
- Mac 上の複数アプリをまたぐ AI 駆動ワークフローを構築したい方
- 長時間・長期タスクを Codex に委託したい方
前提環境
- Codex アプリ v26.519 以降(macOS / Windows)
- ChatGPT Free / Go / Plus / Pro / Business / Edu / Enterprise プラン(利用量はプランにより異なる)
TL;DR
- Appshots: Command-Command でフロントアプリウィンドウを Codex スレッドへ即時共有。スクリーンショット+テキストの両方を取得
- Remote Computer Use: Mac がロック・スリープ中でも Codex がデスクトップアプリを操作可能。スマートフォンから遠隔指示できる
-
Goal Mode 正式版:
/goalコマンドが experimental から General Availability へ昇格。アプリ・IDE拡張・CLI の全プラットフォームで利用可能 - CLI v0.133.0: Goals がデフォルト有効、Permission Profiles に list APIs と継承を追加
Appshots — アプリ画面をワンショットでコンテキスト共有
概要
Appshots は macOS 限定の機能で、両方の Command キーを同時に押すだけで、現在フロントにあるアプリウィンドウのスクリーンショットとテキストを Codex スレッドへ送信します。
従来は別アプリの内容を Codex に伝えるには、コピー&ペーストや内容の説明が必要でした。Appshots はこの手間をなくし、「今見ている画面」を即座に AI のコンテキストとして渡せます。
取得できる情報
公式ドキュメント(Appshots – Codex Developers)によると、1回の Appshot には以下の2種類の情報が含まれます。
- 画像: 表示中のウィンドウのスクリーンショット
- テキスト: 画面表示範囲外(スクロール外)も含むウィンドウ内の利用可能テキスト
デザインモックアップ、エラーメッセージ、API リファレンス、メール下書きなど、「説明するより見せた方が早い」情報を直接 AI に渡せます。
必要な権限
Appshots を使用するには2つのシステム権限が必要です(System Preferences で付与)。
| 権限 | 用途 |
|---|---|
| Screen & System Audio Recording | ウィンドウのスクリーンショット取得 |
| Accessibility | アプリからのテキスト読み取り |
ホットキーのカスタマイズ
デフォルトは「両 Command キー同時押し」ですが、Codex アプリの設定から任意のショートカットへ変更できます。
制限事項
- macOS 専用: Windows 版 Codex アプリには Appshots は搭載されていません(macOS のアクセシビリティスタックに依存するため)
- Codex アプリのみ: CLI では既存の appshot をスレッド履歴で参照できますが、新規作成はできません
Remote Computer Use — ロック中の Mac を遠隔操作
概要
Remote Computer Use は、Mac の画面がロック・スリープ中でも Codex がデスクトップアプリを操作できる機能です。スマートフォンの Codex Mobile アプリからタスクを指示すると、Codex がその Mac 上で必要な操作を代行します。
MacRumors の報道(2026-05-22)によると、操作できる内容はウィンドウのクリック、テキスト入力、メニューナビゲーション、クリップボード操作です。
セットアップ
- Codex アプリ上で Computer Use プラグイン を有効化
- Screen Recording 権限と Accessibility 権限を付与
- Codex Mobile(iOS / Android)から遠隔指示
セーフガード
OpenAI はセキュリティリスクを考慮し、以下の制限を設けています。
| 制限 | 内容 |
|---|---|
| アプリごとの許可制 | 新規アプリへのアクセス前に許可プロンプトを表示 |
| 操作不可アプリ | Terminal、Codex 自身、システムレベルの admin prompt は操作対象外 |
| 手動ロック解除フォールバック | ローカル入力時に再ロックし、必要に応じ手動解除 |
| 短命な認証 | Short-lived authorization を使用し常時接続は行わない |
地域制限
本機能は EEA(欧州経済領域)・英国・スイスでは提供されていません(ローンチ時点)。
Remote Computer Use は強力な機能ですが、信頼できないプラグインや不審なタスクを実行させると、意図しない操作が発生するリスクがあります。アクセス許可は最小限の信頼できるアプリに絞ることを推奨します。
Goal Mode 正式版 — 数日間の長期タスクを自律実行
概要
Goal Mode は、Codex に特定の目標を設定し、完了するまで自律的に作業を継続させる機能です。v26.519 で experimental(実験的)から General Availability(正式版) に昇格し(公式 Changelog)、以下の全プラットフォームで利用可能になりました。
- Codex アプリ
- IDE 拡張(VS Code・JetBrains)
- CLI
使い方
/goal <目標の説明>
例:
/goal このリポジトリの全テストを通過させ、CI が green になる状態にする
Codex は目標を達成するまで継続して作業し、ユーザーは途中で進捗確認、ガイダンスの追加、一時停止が可能です。
CLI での利用(v0.133.0 以降)
CLI v0.133.0 では Goals がデフォルト有効となり、専用ストレージでゴール情報が永続化されます。
# Goals を持つセッションを開始
codex /goal "APIドキュメントを全エンドポイント分整備する"
# リモートコントロール(フォアグラウンドで動作)
codex remote-control
CLI v0.133.0 — その他の主要変更点
公式 Changelog(2026-05-21)によると、CLI v0.133.0 には以下の変更が含まれます。
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| Goals デフォルト有効 | 専用ストレージ付き、すぐに /goal が使用可能 |
| Permission Profiles 強化 | list APIs と継承(inheritance)サポートを追加 |
| Plugin Discovery 強化 | marketplace awareness でプラグインを発見しやすく |
| Extensions ライフサイクル | Extensions が追加のライフサイクルイベントを監視可能 |
Business 向け: チームアナリティクスとプラグイン共有
ChatGPT Business プランのユーザーは、v26.519 で以下の機能が利用可能になりました。
- カスタムプラグインのチーム共有: 作成したプラグインをチームメンバーに配布
- Enhanced Analytics: アクティブユーザー数・クレジット使用量・トークン消費・コード生成メトリクス・プラグイン利用状況をダッシュボードで確認
機能別 対応プラン・制限まとめ
| 機能 | 必要プラン | プラットフォーム | 地域制限 |
|---|---|---|---|
| Appshots | Free 以上(量制限あり) | macOS のみ | なし |
| Remote Computer Use | Free 以上(量制限あり) | macOS | EEA/UK/CH 除外 |
| Goal Mode | Free 以上(量制限あり) | Mac/Win/CLI | なし |
| Business Analytics | Business 以上 | Web/アプリ | なし |
まとめ
Codex v26.519 は、AI コーディングエージェントを**「常時稼働するデスクトップパートナー」**へと進化させるアップデートです。
- Appshots: コンテキスト共有の手間をゼロに近づける、macOS ならではの統合
- Remote Computer Use: 席を外した後も Codex が作業を継続できる新しい働き方
- Goal Mode 正式版: 長時間タスクの委任が信頼できる標準機能として確立
開発ワークフローへの組み込みを検討する際は、特に Remote Computer Use のセーフガードと地域制限(EEA 非対応)に注意してください。
参考リンク
- Codex Changelog — v26.519(2026-05-21) — v26.519 エントリで引用
- Appshots 公式ドキュメント — Appshots セクションで引用
- Codex for (almost) everything | OpenAI — Codex の機能概要(2026-04-16 アップデート)
- Codex Can Now Use Your Mac Even When It's Locked — MacRumors(2026-05-22) — Remote Computer Use セクションで引用
- OpenAI upgrades Codex with Appshots, Goal mode — digit.in — 機能一覧で引用

