「突然のサブリーダー離任」を “バーチャル・サブリーダー” で乗り切った
――SES現場・リアルケース
事件は突然に――“頼れるサブリーダー”の退場
SES 常駐プロジェクトでは サブリーダー(SL) がリーダー(PL)とメンバーの潤滑油。
ところがある日、家庭事情で SL が急遽離任。
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影響範囲
- タスク進捗確認・品質レビュー・顧客定例の議事録作成など SL 業務が真空
- PL は複数現場を掛け持ち、フォローに割ける時間が限界
- 若手は「誰に相談すれば?」と不安増大
属人化の怖さを痛感した瞬間でした。
解決アイデア:「マネジメントチーム」=バーチャル・サブリーダー
コンセプト比較
旧:1名 SL | 新:マネジメントチーム (3〜4名) |
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SL が多岐業務を担当 | ロール分担で共同遂行 |
属人化しやすい | 可視化・継承容易 |
“抜けたら終わり” | 冗長構成で交代容易 |
狙い:①属人化の解消 ②育成機会の創出 ③業務の標準化
ロール設計
ロール | 主な責務 | 週次稼働目安 |
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タスクコーディネータ | 進捗ボード更新・負荷調整 | 2 h |
品質アンバサダ | PR レビュー・テスト観点洗い出し | 3 h |
コミュニケーションリーダー | 顧客定例・議事録・FAQ 一次対応 | 1.5 h |
教育サポータ | OJT 計画・ドキュメント整備 | 1.5 h |
兼任可。ローテーション運用で全員が全ロールを体験 → スキル拡張&バックアップ性アップ。
実装ステップ
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緊急棚卸し (Day 1)
サブリーダー業務を 90 分でブレスト -
ロール割当 (Day 1)
興味 × 得意 × 稼働を基準に 4 ロールをドラフト決定 -
運用ルール作成 (Day 2–3)
チェックリスト+依頼フロー自動化 -
試験運用 (Week 1)
毎日 15 分夕会で引き継ぎ漏れを即時エスカレーション -
レトロスペクティブ (Week 2)
KPT 法で課題抽出 → ルールを 2 週間サイクルで磨き込み
学びと再現のヒント
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タスク単位で切り出せば「人」ではなく「仕組み」で回る
→ テンプレ+自動化ツールが鍵 - “やりたい人”を公募すると自発的モチベーションが高い
- ローテーションで育成とリスクヘッジを同時実現
- 2 週間ごとに KPT を回すと現場に馴染みやすい
まとめ
サブリーダー不在はピンチ。
しかし視点を変えれば――
「1 人分の役割をチームで担い、属人化も育成も同時に解決するチャンス」
“バーチャル・サブリーダー”=マネジメントチームは、SES 特有の 現場分散・人材流動リスク に効く新しいアプローチ。
同じ悩みを抱える方は ロール設計と運用ルールの型 をコピーし、自社プロジェクトにチューニングしてみてください!
「次の離任が怖くない組織」 を目指して、今日から一歩踏み出しましょう!