指示1回で調査・分析・資料作成まで全自動。中国発の自律型AIエージェント「Manus」がOpenAIを超える性能を叩き出した。無料で使える次世代AI、その実力と使い方を3時間検証。仕事の概念が変わる瞬間を目撃せよ
金曜の深夜。SNSをダラダラ眺めてたら、また新しいAIの話題が流れてきた。
「人間の代わりに働くAI、Manus」
正直、最初は「またいつものやつでしょ」って思った。ChatGPTの亜種か何かだろうって。
でも違った。マジで違った。
このAI、指示を1回出すだけで、調査から分析、資料作成、ウェブサイト構築まで全部勝手にやってくれる。しかもOpenAIのDeep Researchより性能が高いというベンチマーク結果まで出てる。
3時間後、実際に触ってみて確信した。これ、仕事の概念が変わるやつだ。
「AIに仕事を丸投げ」が現実になった日
2025年3月5日。中国のスタートアップButterfly Effectが発表したManus(マヌス)は、AI業界に激震を走らせた。
何がヤバいって、これまでのAIとは根本的に違うんだ。
ChatGPTは「質問に答える」AI。対話しながら情報を引き出していく。
でもManusは「仕事を完遂する」AI。ラテン語で「手」を意味する名前の通り、あなたの代わりに手を動かしてくれる存在なんだ。
従来のAIとの決定的な違い
具体例で説明しよう。
【ChatGPTの場合】
あなた:「京都の3日間旅行プランを考えて」
ChatGPT:「おすすめの観光地リストと大まかなスケジュールを提案します」
あなた:「じゃあ具体的な移動手段は?」
ChatGPT:「バスと電車の組み合わせがいいでしょう」
あなた:「宿泊施設も調べて」
(以下、延々と対話が続く...)
【Manusの場合】
あなた:「京都で3日間の旅行プランを作って。自然と歴史を楽しみたい」
Manus:(20分後)「完成しました」
- 日程表(朝・昼・夜の詳細スケジュール)
- おすすめスポット一覧(写真付き)
- 移動手段と所要時間
- 予算見積もり
- PDFレポート
この差、わかる?対話の回数じゃない。「完成度」と「自律性」の次元が違うんだ。
Manusの正体:マルチエージェントが織りなす魔法
なぜManusはこんなことができるのか。秘密は「マルチエージェントアーキテクチャ」にある。
Manusの内部には、役割の異なる3種類のAIエージェントがチームとして働いている。
①プランナーエージェント:司令塔
あなたの指示を理解し、タスクを細かいステップに分解する。「旅行プランを作る」という大きな目標を、「観光地をリサーチ」「移動手段を調査」「スケジュールを組む」といった小タスクに分割。
②実行エージェント:実働部隊
計画に従って実際の作業を行う。Webブラウザを操作したり、データを収集したり、ファイルを作成したり。29種類もの外部ツールを使いこなせるというのが恐ろしい。
③検証エージェント:品質管理
実行結果をチェックして、間違いがあれば修正する。人間でいう「ダブルチェック」の役割。
この3つが連携することで、Manusは「考え、実行し、検証する」というフルサイクルを自律的に回せる。
使用しているAIモデル
Manusの頭脳には、AnthropicのClaude 3.7 SonnetとアリババのQwen(ファインチューニング版)が使われている。タスクの性質に応じて、最適なモデルを自動で選択する賢さも備えてる。
GAIAベンチマークで証明された実力
「どうせデモだけすごいんでしょ?」って思うよね。俺も最初そう思った。
でも数字は嘘をつかない。
GAIAベンチマーク(AIエージェントの能力を評価する世界標準テスト)の結果がこれ。
【レベル1の正答率】
- Manus: 86.5%
- OpenAI Deep Research: 74.3%
【レベル2の正答率】
- Manus: 70.1%
- OpenAI Deep Research: 69.1%
【レベル3の正答率】
- Manus: 57.7%
- OpenAI Deep Research: 47.6%
全レベルでOpenAIを上回ってる。しかもレベルが上がるほど差が開く。つまり複雑なタスクほどManusが強いってこと。
実際に何ができる?驚愕の機能一覧
理屈はいい。「で、何ができんの?」ってのが一番知りたいところだよな。
①市場調査&レポート自動生成
「AI業界のトレンドを調査してレポートにまとめて」と指示するだけ。Manusは複数のニュースサイト、論文、SNSを巡回し、情報を収集・分析。グラフや表を含む包括的なレポートを自動生成する。
通常3日かかる作業が、20分で完了。マジで。
②Webサイト作成&公開
「会社紹介のランディングページを作って」と頼めば、デザインからコーディング、デプロイまで一気通貫。プログラミング知識ゼロでもOK。
③スライド資料の自動作成
「新商品発表会のプレゼン資料を作って」と指示。テーマと要点を伝えるだけで、構成設計からデザイン、内容の記述まで全自動。PowerPoint、Googleスライド、PDF形式で出力可能。
④データ分析&可視化
CSVやExcelファイルをアップロードして「売上推移を分析してグラフ化して」と頼むだけ。複雑な集計やグラフ作成を自動で処理。
⑤動画&画像生成
プロモーション動画やSNS用画像も自動生成できる。しかも複数のバリエーションを一度に作ってくれる。
⑥定期タスクの自動化(Playbook機能)
これがヤバい。日次・週次・月次で実行するタスクを設定しておけば、勝手に実行して結果を届けてくれる。
毎朝の業界ニュースまとめ、週次の競合分析、月次の売上レポート...全部自動化できる。
⑦非同期処理の魔法
Manusはクラウドベースだから、ブラウザを閉じてもPCをシャットダウンしても作業を続けてくれる。
夜寝る前に「明日までにこの資料作っといて」って頼んで、朝起きたら完成してる。これ、未来すぎない?
料金プラン:無料でも結構使える
気になる料金体系。Manusは「クレジット制」を採用してる。
無料プラン
- 登録時: 1,500クレジット付与
- 毎日: 300クレジット付与(翌日リセット)
- 同時実行タスク数: 1つまで
簡単な調査やデータ分析なら、無料クレジットの範囲内で十分使える。ただし複雑なタスク(動画生成、Webサイト構築など)は300クレジット以上消費することも。
有料プラン
Basic(月額39ドル≈約5,658円)
- 毎月: 3,900クレジット
- 毎日: 300クレジット追加
- 同時実行: 2タスク
Plus(価格は調査時点で未公表)
- 毎月: より多くのクレジット
- 同時実行: 2タスク
Pro(月額199ドル≈約28,873円)
- 毎月: 19,900クレジット
- 毎日: 300クレジット追加
- 同時実行: 5タスク
- 優先アクセス(高負荷時も快適)
- ベータ機能の早期利用
クレジット追加購入も可能
- 1,900クレジット
- 9,900クレジット
必要に応じて買い足せるから、使いすぎの心配も少ない。
コスパどう?
正直、タスクによってクレジット消費量にバラつきがある。簡単なリサーチなら100クレジット程度だけど、複雑なWebサイト構築だと500クレジット以上消費することも。
ただ、人間が5時間かかる作業を10分で終わらせてくれるなら、時給換算したら圧倒的に安いと思う。
使い方:驚くほどシンプル
「難しそう...」って思った?大丈夫。中学生でも使えるレベル。
①アカウント登録
公式サイト(manus.im)にアクセスして、メールアドレスを入力するだけ。現在は一般公開されており、招待コード不要で利用開始できる。
②やりたいことを日本語で入力
UIは日本語対応。普通に話しかけるように指示を入力すればOK。
【良い指示例】
「2025年のAI業界トレンドについて、主要5社の動向を比較分析したレポートを作成してください。グラフと表を含め、PDF形式で出力してください」
【悪い指示例】
「AIのこと調べて」(曖昧すぎる)
具体的であればあるほど、精度の高い成果物が得られる。
③思考プロセスを見守る
画面が左右に分割される。左側にはManusの思考プロセスがリアルタイム表示され、右側には出力結果が表示される。
「今、何をしているか」が可視化されるから、安心して待てる。しかもこの透明性が、ファクトチェックにも役立つ。
④結果を確認&修正
完成したら内容を確認。気に入らない部分があれば「ここをこう修正して」と追加指示を出せばいい。
実際に使ってみた:リアルな感想
俺も実際に使ってみた。タスクは「Manusの魅力を紹介するブログ記事を書いて」。
結果:20分で複数のマークダウンファイルが完成。構成、見出し、本文、まとめまで一式揃ってた。
【良かった点】
- 構成がめちゃくちゃ論理的
- 情報の網羅性が高い
- ファクトチェックもちゃんとしてる
【イマイチだった点】
- 文章がちょっと固い(ChatGPT的なAI臭さはある)
- オリジナリティには欠ける
- 細かいニュアンス調整は人間の手が必要
でも、ゼロから書くより10倍は速い。叩き台としては完璧すぎるレベル。
メリット:これがManusの真骨頂
①圧倒的な時間短縮
5時間かかる作業が10分で終わる。この破壊力。休日が2日増えたような感覚になる。
②専門知識不要
プログラミングもデザインもマーケティングも知らなくていい。日本語で指示出せればOK。
③24時間働く秘書
非同期処理のおかげで、寝てる間も仕事してくれる。朝起きたら成果物が届いてる快感、クセになる。
④思考プロセスの可視化
「どうやってこの結論に至ったのか」が見える。ブラックボックスじゃないから信頼できる。
⑤マルチタスク対応
有料プランなら複数タスクを同時実行できる。並行処理で生産性が倍々ゲーム。
デメリット&注意点:現実も見ておこう
当然、完璧なツールなんて存在しない。Manusにも弱点はある。
①出力精度のバラつき
タスクによって品質に波がある。特に創造性が求められる分野(キャッチコピー作成とか)は、人間のチェックが必須。
②クレジット消費の読めなさ
複雑なタスクだと予想以上にクレジットを消費することがある。無料プランだとすぐ枯渇する可能性も。
③セキュリティ&プライバシーの懸念
中国発の技術ということで、データの取り扱いには慎重になるべき。機密情報や個人情報を扱う場合は要注意。
④法的責任の曖昧さ
Manusの判断ミスで損害が出た場合、誰が責任を取るのか明確じゃない。重要な意思決定は必ず人間が最終チェックすべき。
⑤誤情報のリスク
AIあるあるだけど、もっともらしい嘘をつくことがある。ファクトチェックは絶対に必要。
⑥技術の透明性不足
詳細なアルゴリズムや技術スタックが完全には公開されていない。企業導入にはハードルがあるかも。
こんな人におすすめ
- マーケター:競合分析、レポート作成、コンテンツ制作の時短に
- 営業:提案資料、見積書、プレゼン資料の自動生成で商談準備を効率化
- 経営者:市場調査、業績分析、戦略立案のサポートに
- ライター:リサーチと構成作成の時短、アイデア出しの相棒に
- デザイナー:コンセプト設計、プロトタイプ作成の効率化
- 学生・研究者:論文リサーチ、資料作成、データ分析の強力な味方
使用時の注意点:失敗しないために
①指示は具体的に
「良い感じで」じゃなく「20代女性向け、500字以内、親しみやすいトーン」みたいに詳細に。
②出力は必ずチェック
AIを盲信しない。特に数字やファクトは必ず確認。
③機密情報は入れない
社外秘の情報や個人情報は極力避ける。どうしても必要なら、利用規約を熟読してから。
④著作権に注意
生成されたコンテンツの著作権はユーザーに帰属するとされてるけど、第三者の著作権を侵害してないか確認は必要。
⑤クレジット管理を怠らない
気づいたらクレジット切れ、なんてことがないように定期的にチェック。
まとめ:AIエージェント時代の幕開け
Manusは、単なる便利ツールじゃない。「働き方」そのものを変える可能性を秘めてる。
これまでのAIは「アシスタント」だった。でもManusは「同僚」に近い。いや、「優秀すぎる部下」かもしれない。
もちろん完璧じゃない。デメリットもリスクもある。でも、うまく付き合えば仕事の生産性が桁違いに上がる。
重要なのは、AIを使いこなす側に回ること。Manusの開発者も言ってた。「人間はAIのボスにならなければいけない」って。
的確な指示を出し、出力をチェックし、最終判断を下す。これが人間の新しい仕事になる。
2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれるようになるかもしれない。その最前線にいるのがManus。
無料プランもあるんだから、とりあえず触ってみるべき。百聞は一見にしかず。いや、百見は一触にしかず、だ。
さあ、あなたもManusと一緒に、新しい働き方を体験してみないか?
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