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Claude Code 環境構築・運用Tipsまとめ
はじめに
PCにUbuntuを入れる場合、通常は、元のWindows環境に対して、デュアルブートかクリーンインストールのどちらかを選択するのが一般的です。
ただ、デュアルブートはOSでSSDを分け合って記憶容量の無駄がでるし、クリーンインストールはWindowsを消してしまうので、なんかもったいない。できれば、PC 1台でWindowsとUbuntuを両立させてたい。
そこで、外付けSSDにUbuntuをネイティブインストールして、SSDを挿せばどのPCでも間借りして使えるUbuntu環境を作りました。
この方法のメリット
- 内蔵ドライブに一切触らない/SSDを抜けば元通り → Windows環境が完全に守られる & 使わないときは普通のWindows PC
- 他のPCに持ち運べる → 外付けSSDを挿すだけでどのPCでもUbuntu環境が立ち上がる(※BIOS設定次第)
- 仮想マシンより速い → ネイティブなのでフルスピードで動く
準備するもの
- 外付けSSD(USB 3.x 以上推奨、USB-C / Thunderbolt ならなお良し)
- USBメモリ 8GB以上(インストーラー用)
- Ubuntu ISOファイル(公式サイトからダウンロード)
- ブータブルUSB作成ツール(Rufus / balenaEtcher など)
Phase 1: インストールUSBの作成
Windows上でRufusまたはbalenaEtcherを使って、Ubuntu ISOをUSBメモリに書き込みます。
書き込みが終わったら、外付けSSDとUSBメモリの両方をPCに接続してください。
Phase 2: BIOS設定(インストール前)
BIOSに入る方法
電源投入直後にBIOS起動キーを連打します。機種によってキーが異なります。
| メーカー | BIOS起動キー | ブートメニュー |
|---|---|---|
| Dell | F2 | F12 |
| HP | F10(Esc → F10 でも可) | F9 |
| Lenovo (ThinkPad) | F1 または Enter → F1 | F12 |
| Lenovo (IdeaPad) | F2 または Novoボタン | F12 |
| ASUS | F2 または Del | Esc または F8 |
| Acer | F2 | F12 |
| MSI | Del | F11 |
| 富士通 | F2 | F12 |
| NEC | F2 | F12 |
| Panasonic (Let's note) | F2 | - |
(起動直後の画面に一瞬「Press F2 for Setup」のような表示が出ることもあります)
設定する項目
以下の4つを設定します。メニュー名はメーカーによって異なるので、近い名前のものを探してください。
1. 内蔵ドライブを無効化 (重要)
内蔵ドライブをBIOSレベルで無効化すると、Ubuntuのインストーラーからドライブが見えなくなるため、誤って内蔵ドライブを操作する事故がなくなります。
-
項目名の例:
Storage→Port Enablement→M.2 PCIe SSD/SATA 0/Primary Drive -
設定:
ON → OFF(またはEnabled → Disabled)
メーカーによっては Integrated Devices や Advanced の中にあることもあります。
2. Secure Boot を無効化
Secure Bootが設定されているときのみ実施。
インストール時のトラブルを避けるため、一時的に無効化します。インストール後に戻せます。
-
項目名の例:
Boot Configuration→Secure Boot→Enable Secure Boot -
設定:
OFF(またはDisabled)
3. USBブートを有効化
デフォルトで有効なことが多いですが、念のため確認します。
-
項目名の例:
USB Configuration→Enable USB Boot Support -
設定:
ON
Thunderbolt接続のSSDを使う場合は、Thunderbolt Boot Support も ON にしてください(デフォルトOFFの機種が多いです)。USB-C接続のSSDは通常のUSBブートサポートで動作するため、この設定は不要です。
4. Fastboot を無効化(または Thorough)にする
Fastboot有効時は、ブートメニューでUSBデバイスを認識できないことがあります。
-
項目名の例:
Pre-boot Behavior→Fastboot/Boot→Fast Boot -
設定:
Disabled(多くのメーカー)またはThorough(Dell固有の選択肢)
SATA/NVMe モードについて
機種によっては SATA/NVMe Operation が RAID On になっています。これは触らないでください。変更すると既存のWindowsを起動できなくなる可能性があります。
外付けUSBドライブはこの設定の影響を受けないので、そのままで問題ありません。
保存して再起動
Apply → Exit で保存して再起動します。
Phase 3: Ubuntuインストール
ブートメニューからUSBメモリを選択
再起動時にブートメニューキー(Dellなら F12)を連打し、USBメモリを選択します。Ubuntu Live環境が起動します。
インストール開始
- 「Ubuntuをインストール」を選択
- 言語、キーボードレイアウト、ネットワークを設定
- 「通常のインストール」を選択
インストール先の選択
内蔵ドライブは無効化済みでも、ディスク一覧には2つのデバイスが表示されます。
これは、インストーラ自身のUSBメモリもデバイスとして見えているのが原因です。USBメモリ側は選ばないよう注意してください。
なお、表示されるデバイス名(/dev/sda / /dev/sdb など)と順序は環境によって異なります。
例えば以下のように表示されます。
| デバイス(例) | 正体 |
|---|---|
/dev/sda |
外付けSSD(インストール先) ※順序は変わる場合あり |
/dev/sdb |
USBメモリ(インストーラー自身) ※順序は変わる場合あり |
見分け方:
- サイズで判別してください(例: 外付けSSDが500GB、USBメモリが16GBなら一目瞭然)
- デバイス名の
/dev/sdXの順序だけで判断するのは危険
インストール先に外付けSSDを選択したら、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」でOKです。
インストール
- タイムゾーン: Asia/Tokyo
- ユーザー名・パスワード設定
- インストール完了を待つ
完了したら再起動します。USBメモリを抜くよう促されたら、インストーラーUSBを抜いてください(外付けSSDはそのまま)。
Phase 4: BIOS設定(インストール後)
再びBIOSに入って、以下を設定します。
1. 内蔵ドライブを再有効化(忘れずに)
-
Storage→Port Enablement→M.2 PCIe SSD→ON
これを戻さないと外付けSSDを外したときにWindowsが起動できません。
2. ブート順序を外付けSSD優先に変更
Boot Sequence / Boot Order / Boot Priority などの項目で、外付けSSD(ubuntu)を最優先に設定します。
こうすることで:
- 外付けSSD 接続時 → 自動でUbuntu起動
- 外付けSSD 未接続時 → 自動でWindows起動(外付けが見つからず次の順位に落ちる)
3. Secure Boot の再有効化(任意)
Ubuntu 22.04以降は基本的な用途であればSecure Boot有効のままでも起動できます。試してみて問題なければ有効に戻しましょう。
(Dell機種では Enable Microsoft UEFI CA という項目もあります。これは Enabled を選択してください)
4. Fastboot
Thoroughのままにしておくのがおすすめです。Minimal に戻すとブートメニューで外付けSSDが認識されにくくなるそうです。
Phase 5: 動作確認
Windows起動確認
外付けSSDを外した状態で電源ON。Windowsが通常通り起動することを確認します。
Ubuntu起動確認
外付けSSDを接続した状態で電源ON。自動でUbuntuが起動することを確認します。
他のPCへの持ち運び
外付けSSDにインストールしたUbuntuは、別のPCに挿しても基本的に起動できます。ただし以下の準備が必要です。
- 持ち運び先のPCで上記と同じBIOS設定(USBブート有効、Secure Boot・Fastbootの調整)を行う
- ブートメニューキーを押して外付けSSDを選択
ハードウェアが大きく違うPCでも、Linuxカーネルが各種ドライバを動的に読み込むため、意外とそのまま動きます。出張先や実家のPCでも自分のLinux環境を使えるのは便利です。
まとめ
- 外付けSSDへのUbuntuネイティブインストールは、Windows環境を守りつつもLinuxが使えるので便利!
- インストール時、 内蔵ドライブをBIOSで一時無効化すれば、インストール時の事故を防げる
- ブート順序を外付けSSD優先にしておけば、挿すか外すかだけでOSを自動切り替えできる
- 外付けSSDなので他のPCにも持ち運べる!