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PostgreSQLのUPDATE文の仕様を腹落ちさせる

Last updated at Posted at 2020-09-16

ことの発端

PostgreSQL 9.6環境で、下記UPDATE文を実行したところ、

UPDATE
  table1
SET 
  table1.column1 = table2.column1
FROM
  table2
WHERE
  table2.table1_id = table1.id
;

下記エラーが発生した。

Error: ERROR: column "table1" of relation "table1" does not exist

なぜ?

公式リファレンスでSET句の左辺の仕様を読んだところ

table_nameで指名されたテーブル内の列名です。 必要に応じて、列名を副フィールド名や配列の指示子で修飾することも可能です。
対象列の指定にはテーブル名を含めないでください。 たとえば、UPDATE table_name SET table_name.col = 1は無効です。

と書かれており、エイリアスの使用が禁止されていることがわかった。
なるほど、と思いつつ、

  • 別にエイリアスを使用したところで処理には影響ないのでは?
  • なぜSET句の左辺だけエイリアスの使用が禁止されているのか?

という疑問が残ったので、腹落ちするまで調べてみた。

結論

  • エイリアスを使用できる = 任意のテーブル内のカラムを参照できる
  • エイリアスを使用できない = 特定のテーブル内のカラムしか参照できない

という解釈で腹落ち。

PostgreSQLのUPDATE文は 同時に複数テーブルを更新できない という制約があるため、SET句の左辺に記述できるカラムは、必然的にUPDATE句で指定したテーブル内のカラムになる。
つまり、特定のテーブル内のカラムしか参照できないため、エイリアスを使用できない制約にしている(のではないか)。

おまけ

MySQLやSQL Serverでも同じ仕様なのか気になり、SET句の左辺でエイリアスを使用してUPDATE文を実行したところ、 正常に更新された。

MySQL 5.7の場合

UPDATE
  table1, table2
SET 
  table1.column1 = table2.column1
WHERE 
  table2.table1_id = table1.id
;

SQL Server 2017 Standardの場合

UPDATE
  table1
SET 
  table1.column1 = table2.column1
FROM 
  table2
WHERE 
  table2.table1_id = table1.id
;

MySQLの場合、UPDATE句に複数テーブルを記述することができるので、「そりゃできるよな」という所感だが、SQL ServerはPostgreSQLと同じUPDATE文なため、少しばかり違和感を覚える。

普段SELECT文を書く際にテーブル名.カラム名で記述しているため、SQL Serverの仕様の方が(個人的には)しっくりくる。
ただ、そもそもUPDATE句で指定したテーブル内のカラムしか更新できないのであれば、 エイリアスの使用を禁止した方が、他テーブルを参照できてしまうという曖昧さを潰せる というメリットもあるなぁ、という気づきも今回の調査で得ることができた。

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