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Classmethod Forum 2026 参加レポート

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Last updated at Posted at 2026-05-20

はじめに

2026年5月20日に開催された Classmethod Forum 2026(クラスメソッド主催)に参加しました。
本イベントはAI活用をメインテーマとした1日イベントで、複数のセッションと展示会で構成されていました。
本記事はその参加レポートです。


セッション

Amazon/AWSが実践するAI時代の経営と開発 〜AIを前提にプロセスを再設計する、あなたのDay 1〜

AIは一生に一度の変革ポイント

電気が発明されてから全産業に浸透するまで40年かかったが、AIはそれ以上のスピードで変革を起こしている。AWSのAI収益は2026年Q1で150億ドルを超え、商用開始3年目のAWS全体と比べて約250〜260倍の規模に達しているとのこと。

AI変革の最大の課題は技術ではなく文化とリーダーシップ

成功している企業の共通点は、「AIで何ができるか」ではなく「どのビジネス課題をAIで解くか」から始めているという点。3年前のAIモデルプロバイダーとのミーティングでも話の中心はチェンジマネジメントと経営陣のマインドセットだったとのこと。

ルネッサンスデベロッパーの5つのマインドセット

Werner Vogels氏が提唱する、AI時代の開発者が持つべき資質:

  • 好奇心:結果が分かっている実験からは発明は生まれない。失敗を恐れず手を動かして実験する
  • システム思考:1つの変更がシステム全体に影響する。部分ではなく全体を見る
  • コミュニケーション力:AIに意図を正確に伝える仕様を書く力が重要(仕様駆動開発)
  • オーナーシップ:作ったものに責任を持ち、ユーザーのハッピーを含めて責任を取る
  • ポリマス(博学者):技術・ビジネス・デザインなど複数領域をつなぐ能力

AI-DLC(AI-Driven Development Lifecycle)

既存プロセスにAIを追加するのではなく、AIを前提に最初からプロセスを再設計するアプローチ。180日かかっていた開発を6人・76日で完了させたケースも紹介された。「AIがコードを書いて人間がしっかり評価する」という役割分担が鍵。


公式アプリ内製化の体制構築 〜伴走支援で進めたリプレイスとイテレーション〜(グラニフ)

背景と課題

デザインTシャツ・IP展開のアパレル企業「グラニフ」が、外部SaaSのWebViewアプリから脱却するために内製化を決断。課題は表示速度の遅さ・技術的負債・外注コストの3点で、アプリエンジニアがゼロの状態からスタートした。

Flutterを採用した9ヶ月のリプレイス

クラスメソッドの伴走支援のもと、Flutterでクロスプラットフォーム開発に取り組み、3フェーズで完全内製化を達成:

  1. フェーズ1(3ヶ月):既存アプリを再現してリリース
  2. フェーズ2(3ヶ月):画面単位でネイティブ化
  3. フェーズ3(3ヶ月):クラスメソッドから完全引き継ぎ・ドキュメント化

内製化の効果

  • アプリ経由売上比率:45% → 58.8%
  • ストア評価平均:2.0 → 4.6/5
  • ストア評価数:900件 → 6,500件超

Claude Codeの活用

クラッシュ対応のワークフローをClaude Code + Skills(Jira MCP・Firebase MCPなど)で自動化。KPI確認→Jira起票→原因特定→修正・PR作成まで自動化し、数日かかっていた対応を約1時間に短縮。


最低限これだけ押さえれば大丈夫:Claude Enterprise/Team 企業展開のガバナンス入門

TeamプランとEnterpriseプランの比較

項目 Teamプラン Enterpriseプラン
料金体系 スタンダード/プレミアムシートの定額制(一定量まで使い放題) $20/シート/月 + トークン使用量による従量課金(シート料金にトークン代は含まれない)
SCIM(IDP自動同期)
監査ログ ✓(最大180日、Compliance APIで長期保管可)
グループ単位の支出制限
カスタムロール ✓(機能単位での細かい権限制御)
Claude in Chrome
Claude Security / Claude Design
チャット・Code・Co-work
Skills・プラグイン・コネクタ ✓(デフォルト利用可)

プラン選択の指針

状況 推奨プラン
データを国内から出せない Bedrock
お試し・POCで始める Bedrock(初期費用4,800ドル不要)
Claude Code・Co-workが主目的 エンタープライズプランを最優先
自社アプリ・サービス開発 Claude Platform on AWS

ガバナンス設計のポイント

  • SSO・SCIMから設計を開始:退職者アカウントの自動削除対応、グループ管理・カスタムロールの前提となる
  • 野良アカウント対策:「組織の作成を制限」機能でドメインを使った新規組織作成を防止
  • テナント制限:個人Gmail等でのアクセスをネットワーク的にブロック(社内プロキシ必須)
  • 監査ログの長期保管:Compliance APIで自動取得してS3等に出力する仕組みを推奨(デフォルトは最大180日)

Claudeが変える仕事の未来 〜AI活用の深め方とAnthropicのアプローチ〜

AIの信頼性を支えるAI憲法(Constitutional AI)

AnthropicはAIの安全性を後付けではなく設計の中心に置いており、その核となるのが AI憲法(Constitutional AI) という考え方。ルールを外から与えるのではなく、AIモデル自身が「何が正しくて、何がダメか」を判断できるよう学習させるアプローチをとっている。

これにより、企業がClaudeを業務に組み込んでも「予期しない有害な回答が出る」リスクを設計段階から低減。利益より安全性を法的義務とする企業構造が、こうした取り組みの背景にある。

3つの活用スタイル

スタイル 概要
Chat 質問・壁打ち・メール作成など、一緒に考えるパートナー
Claude Code コードの読み書き・バグ修正・テスト・コマンド実行を一括対応をサポートするエンジニア
Co-work 複雑・繰り返し業務を丸投げできる作業者。ローカルファイルへの直接アクセス、複数ツール横断の自動化が可能

組織への定着化のポイント

Skillsの作り込みと継続的なブラッシュアップが定着の鍵。展開方法はメンバー間での共有・チャンピオンによる横展開・標準Skills配布など。

経営層が「個人の生産性向上」ではなく 「会社全体の生産性向上」として捉え、トップダウンで推進すること が成功の条件。自律的に動くAIは1人採用するよりも低コストで同様の仕事を担えるという視点が、意思決定の後押しになる。

意思決定とPoCの進め方

PoC終了か全社展開かの分岐点は技術ではなく 意思決定のスピード にある。日本は海外と比べ意思決定に時間がかかる傾向があり、失敗を恐れる文化も障壁になりやすい。

推奨アプローチは「AI・人間の線引きを先に決めない」こと。一旦AIに全て任せる前提で進め、人間が担当する部分を後で切り分けると良い(やりがいを感じられる業務が望ましい)。100点を目指すより、AIの進化スピードについていくことを優先する。

楽天の事例

数千人規模の開発者が活用。新機能リリース期間を26日→5日に短縮(79%削減)、初期の重大エラーを97%削減。エンジニア以外(営業・マーケ・財務)もエージェントを活用してダッシュボードを構築・運用しており、大企業での活用も進んでいる。

日本市場へのビジョン

Anthropicは日本市場に強くコミットしており、日本企業独自の業務スタイルや慣習にフィットしたAIへの進化を目指している。エンタープライズが強い日本市場の特性を重視し、クラスメソッドなどのパートナー企業との協力による導入・定着支援を重要なものと位置づけている。


三菱UFJ銀行が挑む営業DX 〜属人化した専門知を資産化するAIエージェント内製開発の狙いと実践〜

プロジェクト概要

法人営業のデリバティブ提案における専門知を、退職・異動で失われる前に組織資産として活用できるAIエージェントを内製開発。プロセールスが磨いてきた「有価証券報告書の読み方」「顧客課題の見つけ方」「提案ストーリーの立て方」などをエージェントに集約した。

暗黙知の3段階収集

レベル1:メール・チャット・社内サイトに散在する文書を構造化(PDF+画像のVLM処理)

レベル2:プロの頭の中にある口頭伝承的な知識を書き起こし。有価証券報告書の読み方など、実際の処理手順をワークフロー化することで「プロ目線の分析」を量産化・複製可能に

レベル3:過去提案資料から提案骨子をLLM抽出。顧客情報をAI+人間のダブルチェックで除去した上で参照可能に

成果と今後

ユーザーアンケートで「提案資料作成の補助として優れている」「経験値を蓄積する仕組みとして有効」などの高評価。2026年度はAIエージェントアプリ開発支援にも展開予定。


展示会

ghoost(ゴースト)

組織内の個人の知識・判断パターンを継承可能なAIエージェントとして再構築するサービス。退職や異動で失われがちな暗黙知を組織資産として保存・引き継ぎできる。

主な特徴:

  • 1〜2時間の自動インタビュー+統合処理で初版AIエージェントを生成
  • 複数エージェントを統合して「ロールモデル」を職位別に最適化
  • 新メンバーが着任初日からセットアップ済みエージェントに質問できるオンボーディング改善
  • パイロットでは同僚承認率92.3%を達成(ピア検証メカニズム)

工数圧縮と担当者不在時の業務継続性改善、新メンバーのスムーズな立ち上がりが主な訴求ポイント。


tensei(転生)〜レガシーモダナイゼーション〜

レガシーシステムの移行・刷新をAI活用で支援するサービス。アセスメントからバージョンアップ・運用保守まで同一チームが一気通貫で対応する。

主な特徴:

  • AIアセスメント:静的コードスキャン・脆弱性検出・依存関係マッピングを1〜2週間で実施
  • 診断レポートは無料で提供(まずは現状把握から始めやすい構成)
  • AI駆動バージョンアップ:移行手順・テストコードを自動生成
  • マイグレーション後も同チームが継続して運用保守を担当

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info organizer〜情報体系化エージェント〜

社内の散在する情報を整理・体系化するAIエージェントサービス。Claudeを活用した情報整理エージェントで、タスクの複雑さに応じてClaude SonnetとHaikuをモデルレベルで切り替えながら処理することが特徴。

主な特徴:

  • 情報の収集・分類・体系化を自動化
  • 処理内容に応じたClaudeモデル(Sonnet/Haiku)の動的切り替えによる最適化
  • 項目整理・ドキュメント構造化に特化した設計

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その他(人型ロボット)

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まとめ

今回のClassmethod Forum 2026は、AI活用をテーマに実践的な内容が多く、特にClaude/Anthropic関連のセッションが充実したイベントでした。セッション全体を通じて「AIをツールとして追加するのではなく、AIを前提にプロセスを再設計する」というメッセージが一貫していた印象です。

展示会では各プロダクトの担当者から直接話を聞けたため、公式情報だけでは分からない実運用面の話がとても参考になりました。

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