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STP【STPに関する機能】

Last updated at Posted at 2021-02-28

CCNAの試験に向けて学習中。
復習に見返せるようにメモしていきます。
ほぼ自分の勉強メモです。
過度な期待はしないでください。

前回投稿記事

こちらの STP【STPの概要】投稿記事の続きです。

2.STPに関する機能

2-1.PortFast

PortFastとは、Cisco独自のSTPにおける拡張機能の事です。
PortFastが設定がされているポートは、接続された場合にすぐにリンクアップ(フォワーディング状態に)
する事が出来ます。

■ 2-1-1.ポートの状態移行にかかる時間

STPでは、コンバージェンス ※1 する迄に 30 ~ 50秒 ※2 程度掛かってしまいます。
コンバージェンスする迄に遷移するリスニングやラーニングの状態の間は、
データの転送をしない(BPDUは送受信されますが)為、その間は通信不可の状態に
なってしまいます。

障害から復旧する迄に掛かる時間が長過ぎると、アプリケーションやプロトコルによっては、
サービスが完全にダウンしてしまったり、そもそも現在のネットワークで事情からすると50秒は
やや長過ぎるかもしれません。

そこでより高速にコンバージェンスさせる必要があり、Ciscoが独自でに高速化する方法を
考えたのが PortFastという技術になります。

※1 コンバージェンスとは、全てのスイッチでポートの役割が決定し収束した状態
※2 最大エージタイマー(20秒)経過後 → リスニング状態からラーニング状態遷移(15秒)
→ ラーニング状態からフォワーディング状態遷移(15秒)という流れでポート状態が整う迄に
50秒程の時間が掛かる

■ 2-1-2.PortFastとは?

そもそも、ルータが接続しているポートやPCが接続されているポートは最数的にフォワーディング状態に
なり、ブロッキングの状態になることはありません。なので、いちいちトポロジを再計算して状態遷移を
行うのは時間の無駄です。そこで、PCやルータなどのデバイスが接続されているポートは
すぐにフォワーディング状態にして、ポートのアップ/ダウンをトポロジの変化とみなされないように
すれば良いという考え方から生まれたのが PortFastです。

PortFastを設定を行う事で、リスニングとラーニングの状態をスキップし、
すぐにフォワーディング状態になり、通信が可能
になります。
すなわち、クライアントPC間やサーバ間ではすぐに通信出来るようになります。

只、PortFastはPCなどが接続され、フォワーディング状態になる事が確定しているポートのみに
設定します。スイッチ間のリンクでは、ループの原因になってしまう可能性があるので設定
してはいけません。


2-2.BPDUガード

BPDUガードとは、PortFastが設定されているスイッチポートでBPDUを受信した時や個別の
インターフェイスでBPDUを受信した時、そのポートをエラーディーゼブル状態にする機能です。
エラーディーゼブル状態のポートはシャットダウンされる為、データの送受信が出来なくなります。
復旧させるには管理者のコマンドが必要になります。

BPDUガード機能は、BPDUを受け取るべきでないPortFastの設定されているようなポートが
BPDUを受け取る事によるトラブルを防ぐ為に利用します。

例えば、ループする心配がないポートに対してPortFastを有効にすると、
すぐにフォワーディング状態に移行させる事が出来ます。しかし、PortFastが有効なポートに、
他のスイッチ等が接続されるとループ構成となってしまう可能性があります。
PortFastのポートの先がループ構成になると、スパニングツリーの計算を正常に行う事がで出来ずに、
フレームがループする危険性があります。
このような事態を防ぐ為に利用しています。
ファイル名

2-3.ルートガード

ルートガードとは、設定しているポートにルートブリッジよりも上位のBPDUが送信されてくると、
ポートをルート不整合(root-inconsistent)という状態にし、新たに導入されたL2機器がルートブリッジに
なる事を防止する機能です。下位のBPDUが送信されて来た場合は特に何もしません。

BPDUガードとルートガードとの違い
⚫️ BPDUガードは、上位のBPDU、下位のBPDUに関わらずBPDUを受信すると
エラーディーゼブル状態へ遷移します。それに対して、ルートガードは上位のBPDUが送信されてくると
ポートをルート不整合にしますが、下位のBPDUが送信されて来た場合は何もしません。

⚫️ BPDUガードのエラーディーゼブル状態は、ポートをシャットダウンし復旧させるには管理者の
コマンドが必要になります。それに対して、ルートガードは一時的に通信不可状態にするだけであり、
上位のBPDUを受信しなくなると自動的に回復してポートエラー状態は解消されます。

以下の図の通り、ルードガードを実装していれば、例え優先度の高い機器が接続されても
ルートブリッジになる事はありません。
ファイル名

ルートガードが有効になっている場合、上位のBPDUが送信されて来たとしても
ルート不整合となり、ブロッキングされます。また上位のBPDUが送信されてこなくなれば
通常のポートに戻るというが、ルートブロックになります。


2-4.RSTP

■ 2-4-1.RSTPとは?

RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)は、STPを改良してコンバージェンス迄の時間を数秒迄に
短縮させた
プロトコルです。STPは IEEE802.1Dで標準化されて、RSTPはIEEE802.1Wで標準化された
プロトコルです。STPと同様に、RSTPではツリーを作成する為に、ルートブリッジの選出
→ ルートポートの選出 → 指定ポートの選出 → 非指定ポートの選出を、同じアルゴリズムで行いますが
ポートの役割やスターテスがSTPと異なります。

RSTPの目的は、STPと同様にブロードキャストストームをを防ぐ事です。また、
RSTPはSTPの拡張である為、RSTPとSTPは混在させて動作する事が可能になります。

■ 2-4-2.ポートの役割

STPでは、ポートの役割はルートポート、指定ポート、非指定ポートの3つがありましたが、
RSTPでは、非指定ポートをさらに2つに分割して役割を与えます。
それが、代替ポートバックアップポートです。

▶︎ 代替ポート
代替ポートは、ルートポートの予備になります。
下記の画像で、スイッチのポート①がルートポート、ポート②が非指定ポートになります。
ポート②はブロックされていますが、スイッチではルートポートの次に上位のBPDUを受け取る為、
代替ポートになります。なので、ルートブリッジとスイッチの間で障害が起きた場合、ポート②が
すぐにルートポートとして代用されフォワーディング状態に遷移します。
ファイル名

▶︎ バックアップポート
バックアップポートは、指定ポートの予備になります。
バックアップポートは、ブロックされており、複数の接続を持つポートが該当します。
スイッチには、STPが対応していないリピータハブの機器が接続されています。そこで、スイッチと
リピータハブの間でループが発生しないようにするには、スイッチでブロックするポートを選出
しなければなりません。なので、ポート③を指定ポート、ポート④をバックアップポートとして、
ポート③がダウンするとポート④がバックアップポートになります。
ファイル名

■ 2-4-3.ポートのステータス

STPでは、ディセーブル、ブロッキング、リスニング、ラーニング、フォワーディングという
5つのステータスがあります。このうち、ディセーブル、ブロッキング、リスニングでは、
ディスカーディングというステータスに統合しています。

下記の画像はSTPとRSTPのステータスの違いを纏めたものです。
ファイル名

■ 2-4-4.BPDUのやり取り

STPでは、ルートブリッジから2秒事にBPDUが送信され、各スイッチがそれぞれを受け取り、
そのBPDUを基に下流のスイッチにBPDU送信されます。その為、ルートブリッジから何台分
離れているかを考える必要があり、最大エージタイマーや転送遅延タイマーが用意されています。

タイマーに依存した切り替えしか出来ない為、そこでRSTPでは、タイマーによる管理を行わず、
スイッチ間で直接やり取りして役割を決定する仕組み
を採用しています。
ルートブリッジからBPDUを受け取った時に下流に送信するのではなく、BPDUを受け取ったか
どうかに関係無くそれぞれのスイッチがBPDUを作成して下流のスイッチの送信します。

その為、BPDUが届かなくなった時に、隣のスイッチとの間で問題が発生した事を早い段階で
判断出来ます。

■ 2-4-5.ルートの切り替え

ルートを切り替える場合には、プロポーザルアグリーメントをやり取りする事で、
役割がすぐに決定します。

先ず、スイッチ間の接続が行われると各スイッチは、自身のポートを指定ポートとしプロポーザル
というBPDUを送信します。BPDUにはブリッジIDやルートパスコスト情報があります。
ファイル名

受信したBPDUの中身からブリッジIDやルートパスコストの情報を比較して、どちらのスイッチが
送信したBPDUが上位かが分かります。相手が上位のBPDUだった場合、下位のスイッチは
アグリーメントというBPDUを送信して相手が指定ポートになる事に同意します。
上位のスイッチは何もしません。
ファイル名

このようなSTPも違いによってコンバージェンス迄の時間が短縮されます。ただし、
高速に切り替えられるのは、スイッチが1対1(ポイントツーポイント ※3)で繋がっている場合です。
相手のスイッチがSTPで動いていたり、ハブを介して接続になっていたりする所では、通常の
STPの時間でコンバージェンスします。

※3 ポイントツーポイントは、全二重で動作するポートで、スイッチ間が1対1で直接接続される、
高速収束可能なリンク(下記の画像参照)
ファイル名

■ 2-4-6.エッジポート

RSTPでは、PCなどが接続するポートをエッジポート、スイッチを接続するポートを非エッジポート
して扱います。エッジポートは即座にフォワーディング状態に遷移します。Cisco製のスイッチでは
PortFastを有効にしたポートをエッジポートになります。


2-5.VLANとSTPの組み合わせ

■ 2-5-1.CST

CST(Common Spanning Tree)とは、複数のVLANが存在するスイッチドネットワークでも
1つのトポロジー構成を考える方法です。

CSTでは、VLANの数に関係なく全体で1つのトポロジーとなる為、VLANごとに最適のルートの通信を
する訳ではありません。下図はCSTによる構成です。VLANごとにスパニのングツリーのトポロジーが
ある訳ではないので、下図通り複数のVLANがあるとしても、VLAN10のホストA、VLAN20のホストB共に
PCのトラフィックはセグメント 1 経由で伝送されます。
ファイル名

■ 2-5-2.CSTの特徴

CSTの特徴として、下記のものがあげられます。

⚫️ 複数のVLANを 1つのSTPインスタンスで管理する為、所属するVLANによって通信が効率の悪い
  ルートを通る必要がある
⚫️ STPの構成が1種類になる為、ユーザトラフィックが特定のリンクに集中してしまう。
⚫️ STPインタスタスを 1つだけ記憶しておけばいいので、メモリの負荷は少ない。
⚫️ BPDUが 1種類で済む為、スイッチ間のトラフィックが少ない。

■ 2-5-3.PVST+

PVST+ではVLANごとにSTPトポロジーを構成できる為、VLANごとの最適のルートの通信を
する事が可能です。スイッチのプライオリティをVLAN事に設定出来る為、各VLANで最適と
思われるスイッチをルートブリッジにする事が可能です。
ルートブリッジの位置が変わるとブロックするポートも変わる為、VLANごとに効率の良いルートを
利用する事が可能になります。

下図はPVST+による構成では、1台のスイッチでVLANごとにブリッジプライオリティを設定出来る為、
SWAがVLAN10のルートブリッジ、SWBがVLAN20のルートブリッジになる事が出来ます。
ファイル名

■ 2-5-4.PVST+の特徴

PVST+の特徴として、下記のものがあげられます。
⚫️ 複数のVLAN事にSTPインスタンスを管理する為、各VLANの通信が最適と思われるルートを
  通る事が出来る
⚫️ VLAN事にSTPの構成が異なる為、ユーザのトラフィックが分散される。
⚫️ STPインスタンスを複数記憶しなければならないので、メモリへの負荷は大きい。
⚫️ BPDUがVLAN事に作成される為、スイッチ間のトラフィックが増加する。


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