はじめに
新卒で入社してから、三年目になりましたがやれることも増えてきた一方でやることも増えまして。
忙しいのも成長痛と思っていたのですが、自分のアウトプットのパフォーマンスがかなり下がっているなと感じました。
具体的には、自分が実装したところでエラーなど。※ご迷惑おかけしました。
なので、いっそのこと自分のマネジメントはAIに任せてみようかなと思い立ち、4か月くらい運用してみて手ごたえあるので、今回はやったことを記載しようと思います。
目次
発端
昨今の世の中は、AIチームを作って管理するとか、AIに全部のプロジェクトを管理運営させるとかの手法が流行っています。そんな中で私がAIに管理される側になったのも、一本の記事を読んだことがきっかけです。
それが、PDFライブラリのOSSを運営しているFukuda Kyoheiさんgithubで人生を管理するです。
この記事では、人生のすべてのタスクをIssue化して人生というProjectを進めておりました。これを読んだときに、IssueならAIで管理できるから、すべてのやることがタスク化されていれば、全部定量的にAIが管理してくれるやんということで、今回の試みは始まりました。
現状整理
当時の私の持っていたやることは以下になります
- 社内プロジェクトの開発(ウェブサービスのプロトをDB,API,UI,Docker開発など)
- 案件の開発(Cassandraの運用とCassandraを使ったサービスの開発)
- テックブログ記載(これ)
- 勉強会の講師(新卒の子たちに基本情報の勉強会を開催。資料と問題の準備と勉強会の実施。12-3月の毎週木曜日)
- 部内プロジェクトの開発(LLMとRagの精度検証のためのサービスを構築、検証)
結構、並行してやることがありました。全部自分がやりたい!って言ったものになります。
お酒の席などで、「これやりたいです!!」って言ったら、次の日には、「あの話進んでるからよろしく」みたいな感じでした。
私の上司が優秀で全部やらせてくれる環境を準備できちゃったのです。
バグ出まくりの日々
今回の取り組みをする前の時期なんですが、自分のアウトプットは正直ひどかったです。。。(結構つらかった思い出)
具体的には、全然タスクがおわらない。調査、理解に時間がかかる。実装できたと思っても動作確認でうまくいかなかい、普段しない初歩的なミスもありました。
ミスの増加と自分のタスクが以前のスピードで消化できなくて、「自分の成長も打ち止めかなー」と思いました。
他の上司や先輩たちに、どうやって同時並行で精度の高いアウトプットを出しているんだろうとか、どうタスク管理しているかを聞いて真似したこともあります。
遍歴としては、さくらエディタ→microsoft todo→Notion いろいろ使ってみましたが、明確に効果を感じることはありませんでした。
転換期
認知負荷という言葉を知る
私の面倒を見てくれているリーダの方と面談中に転換となるキーワードが訪れました。
今の私の状況整理の際に、着手中のタスクの洗い出しを行ったところ、「認知負荷すごいね」って言われ、それまで持っていた、焦燥感の原因を見つけてくれました。
私を苦しめていたやつは認知負荷だったみたいです。
認知負荷とは人間が情報を処理する際に、脳のワーキングメモリにかかる負担のことです。
ワーキングメモリの容量は有限であり、同時に抱えるタスクや情報量が多くなると、この容量を超えます。
容量を超えた状態では、判断ミス・実装ミス・抜け漏れが増え、アウトプットの質が一気に低下するらしいです。
CassandraでいうとDropped Messagesな状態ですかね。
まさに、当時の私の状況でした。
原因は、認知負荷とそれで発生する私のメモリ不足でした。
タスクに取り掛かるのに整理から入らないといけなかった
新卒のころは、やることもできることも少なかったですから、一つのタスクしかもっていなかったし、タスクに入る前に昨日までやったことを思い出して、何をすればいいかなんてすぐ思い出せていました。
ですが、三年目になり、見境なくやりたいことに手を付けてしまった結果、何をどこまでやって、どこからやればいいかわかんなくなることが多くなりました。
特に、AIがやってくれてた部分とかになると余計、自分がやった実績がないので(プロンプトとかは出していますが。。。)思い出すことに時間を使うことが増えました。
このタスクは何からやるべきかを考えることですら、認知負荷になっていました。
さらに、期日が近づいたりすると、案件タスクをやっていても、「あー。あのタスクの連絡周りやるの忘れてたー。先輩とお客さんに連絡しなきゃ」と思考が遮られ、集中タイムが途切れることも多かったです。
タスク管理をAIにやってもらうことにする
できること・できないこと
なんとなく、ここまで読んでくださった方ならわかると思いますが、私はマルチタスクが全くできない人間なわけですよ。
それだけだったらよかったんですが、脳みそに少しでも別のことが入ってくると一気に考えがまとまらなくなるんですね。
授業のときにノートをとることに夢中で、先生の話を聞いていないとかそういう同級生いませんでしたかね?
私はマルチタスクどころか一瞬でもほかの事について考えるようなマルチシンキングもできません。
逆に、できることといえば、一個のことをがっつり集中してやるみたいなのは強いですね。コーディングとか調査とかも含めて。集中ゾーンに入っちゃえばこっちのもんっていう強味もあります。
あとは、計画(机上の空論)を立てるのは得意でした。それを忘れたり、当時は進捗が悪くて組み直しして、まったく活きていなかったのですが。
だから、めっちゃ複数のタスクを抱えている状態って私にとっては最悪な状態だったわけです。
AI-agentに任せることにした
ってなわけで、私のできないことはAIにやってもらいます。
私の理想の状況は、誰にも、何にも邪魔されず、一個に集中して作業を行える状況なので、それを目指していきます。
私のできること
- やることの計画を考えること
- めっちゃ集中して一気に終わらせること
私のできないこと
- タスクの整理整頓
- 進捗管理
- やることの順位付け
できないことをGitHub Issue化して、本当に今日やらないとまずいだけをAI-agentに持ってきてもらうようにします。
エージェント構成
詳細なプロンプトやskillsの設定は別記事で紹介しようと思います。ここでは不甲斐ない私のお助けエージェントの役割と大まかなフローを整理します。
1. Secretary(秘書)
日々のルーティン全体を管理する司令塔。朝の計画から夕方のまとめ、週次・月次レポートまでを担当し、他agentへの橋渡しをしてくれています。
2. Issue Manager(Issue管理)
GitHub Issueの作成・整理・ラベル管理を担当。日次タスク・週次計画・調査メモ・アイデアメモなど各種テンプレートからissueを生成し、優先度管理・重複検出・古いissueのクローズをしてくれます。
3. Project Manager(プロジェクト管理)
オープンissueを期限・優先度で整理し、週次/月次レポートをissueとして作成します。
もちろん、actions化しているので毎朝git pullするだけで新鮮なタスクが届きます。
基本的には、秘書が全エージェントのハブみたいな役割をしてくれているので、秘書を呼び出していろいろやってます。
- 今日のタスクは?
- この作業をタスク化しておいて、今週中で。やることはこれ
- これやんなくてよくなったわ。
これくらいの粒度で動いてくれます。
運用してみた結果
体感
とにかく、今日はこれだけやっておけばいいと割り切りができるようになったことが一番の収穫です。
これっていつまでやらないとだっけとか思考ブロックが入らなくなりました。なので、今目の前にある秘書にやってって言われたことだけ集中してやるようになりました。
残業時間の遷移ですが、こんな感じです。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
|---|---|---|---|---|
| 残業時間 | 17h | 22h | 10h | 9h |
| 備考 | 運用前 | 運用開始 | 安定 | 安定 |
実際に運用開始したのが2月で、安定したのが3月なので、これを見る限り3月からかなり良いパフォーマンスを出せているなという気持ちです。
残業していないってだけではなく、仕事の質ももちろん上がっています(体感ですが、バグ出してない)。AI様様です。
学び
今回の取り組みで一番感じたのは、「自分の苦手を認めることが最初の一歩」 だということです。
マルチタスクができない・タスク管理が続かないという事実から目を背けず、そこをAIに任せると決めたことで、自分の強みである「集中力」を最大限に発揮できるようになりました。
自分の特性を理解して、苦手な部分をAIに補わせることで、パフォーマンスは上げられる。
副産物として、プロンプト設計やskillsの書き方にも詳しくなれたのは嬉しい誤算でした。
今後は、GitHubが推進している agentic workflow(ActionsやIssueでAIが自動的にプロジェクトを管理する仕組み)とも絡めて、より自動化を進めていきたいと思っています。プレミアムリクエスト数の削減も課題ですが、引き続き改善しながら運用していきます。良いアップデートがあればまた共有します!