はじめに
総務省の令和6年版情報通信白書において、「2022年頃からの生成AIの急速な普及により、現在は第4次AIブームに入った」と評されてから早や2年が経とうとしています。
普及当初は生成される出力内容が出鱈目なことが多くお遊び程度にしか利用していませんでしたが、この3年で回答の精度が大幅に上がり、もはやAIは我々の生活に欠かせないものになりました。
周知の通り、AIを活用しているのはもはやエンジニアだけではありません。非エンジニアでもさまざまな相談を行う相手としてAIを選択する人が増えてきています。
はたして犬と人間の関係のように、AIと人間の関係が未来永劫続いていくでしょうか。
私はこれからもAIと共生関係を続けていくためにはある壁を乗り越えていかなければならないと考えています。
その壁が環境問題です。
AIと環境問題
生成AIの普及と共に、AIが地球環境に対して与える負荷も顕在化してきています。
人間にとってAIはかつて無いほど強力なパートナーです。
人間が調べると1時間はかかる内容を広大なネットの海を探索して数十秒で調べてくれたり、時間のかかる作業を自律的にこなしてくれたりします。
しかし、AIはその性能と引き換えに膨大な電力を消費します。
全てがAIのために建設されたわけではないと思いますが、千葉県・印西市には2018年ごろから様々な企業のデータセンターが集結し始め、最近ではそこで消費される電力を賄うために急ピッチで大規模変電所の建設が進められています。
具体的な数値として、Geminiではテキストで1回の質問する度に、0.24Whの電力(テレビを9秒間視聴するのに必要な電力)を消費し0.03gの二酸化炭素が排出されると言われています。
1単位あたりの電力消費量・二酸化炭素排出量で見ると大したことないように思えますが、これが積み重なると地球環境に対して大きな負荷がかかってきます。
一方で、現在世界各国で二酸化炭素削減に向けた取り組みが行われています。
二酸化炭素排出量を増大させる一因となる生成AIはこの取り組みと相反する存在です。
もしかすると環境的な規制によってAIの利用が制限されたり、AIの利用にかかる金額が値上がったりするかもしれません。
AIの環境負荷を評価する
AIの環境負荷を下げる取り組みとしては、より効率的なAIモデルの開発・省電力なハードウェアの開発・再生可能エネルギーの利用など様々な取り組みが行われています。
その様々な取り組みの中で私が面白いと思ったのは、2025年2月にSalesforceが提供を開始したAI Energy ScoreというAIが使う電力量(エネルギー効率)をランク付けするサービスです。
AI Energy Score では、AIが実行するタスクごとにどのAIがどれくらい電気を使うのかがランキング形式で見ることができます。
これによって、AIの透明性が向上し、エネルギー効率の高いモデルが市場で優先的に選ばれるよう促すことで、持続可能なAI開発を推進を目指しているそうです。
おわりに
AIと地球環境というテーマに興味があり、記事を書いてみました。
第1次AIブームから第3次AIブームまでは技術的な限界にぶつかる都度、AI開発は下火になってきました。
一方で、第4次AIブームは、技術的な壁のみならず、地球環境という新たな限界にも直面しています。
すなわち、AIが地球規模で盛り上がっているとも言えるでしょう。
(よくよく考えたら、XのインプレゾンビはAIを使っています)
地球規模の盛り上がりになってきているからこそ、AIを使う一人一人がコンピューティングリソースの無駄遣いをしないという意識が重要な時代になってくるかもしれません。
私も節電ならぬ節プロンプトを目指してAIを使っていこうと思います。
