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Engineering ManagerAdvent Calendar 2024

Day 10

受け身体質なマインドセットを変える!エンジニア1人1人を主役にさせるための試行錯誤

Last updated at Posted at 2024-12-09

はじめに

私が勤めている株式会社iimonでは、COOが管轄する部署にPMが所属し、そのPMからCTO管轄のエンジニアに対してタスクを依頼していく流れになっています。

そのせいか、自社サービスを提供する会社にも関わらず、どうもエンジニア全体が社内受託開発のような雰囲気になっていました。

具体的にいくつか例をあげると、「PMから言われたスケジュールには反論しづらい」「PMが作った仕様をエンジニア側でレビューせず、違和感があってもそのまま実装」「エンジニア側からの意見・提案が出づらい」などです。

この記事では、2024年8月に社内初のEM(エンジニアマネージャー/エンジニアリングマネージャー)になった私がその受け身体質なマインドセットを変えるために行ってきた試行錯誤を紹介します。

情報のオープン化

EMになる前、2024年4月に入社して以来、一貫して経営陣にお願いしていたのが情報のオープン化です。
これまでは自分が作ったプロダクトがいくつ売れていて、何社の方に使っていただけているのかさえ、エンジニアは知るすべがない状態でした。

これでは、新たな機能をリリースしてもそれがどの程度のビジネスインパクトを与えたのかもわかりませんし、ただひたすら目の前のタスクをこなすだけで何の手応えもありません。

この状態で主体的に物事を考えろと言われても、それは難しい話でしょう。

粘り強く訴え続けた結果、経営陣も理解を示してくださって、社外秘情報の取り扱いに関する研修とセットで情報のオープン化も検討されることになりました。

仕様レビューをタスクに組み込む

「はじめに」で触れたように、エンジニアはPMから受け取ったタスクをレビューせず、チケットに書かれてあるそのままを実装することが当たり前の状態になっていました。

ある日、明らかに使い勝手の悪いUIの新機能のレビューがあがってきたときに、その機能を実装したエンジニアに「このUIはめんどくさいですね。こうすればもっと簡単になりませんか?」と尋ねたところ、「私もそう思いながら作ってました」という衝撃の返事が⋯。

驚いた私はすぐにPMとそのエンジニアとの三者でのMTGを開き、PMに使い勝手をよくするアイデアを伝えると、PMからは「その方が使い勝手がいいのでそうしてください。ただ、私も最初からそのように伝えたつもりなんですが⋯」とのこと。

結局、この時は仕様伝達の行き違いだったわけですが、チケットを通じてのテキストコミュニケーションには限界がありますし、エンジニア側が「このUI使いづらいな」と気付いた時点でPMに一声かけていれば、実装前に行き違いに気づけていて手戻りも防げたわけです。

この一件もあり、「タスクに手を着ける前にエンジニア側でも仕様レビューを行う」というルールを周知しました。

早速、PM側から示されたUIだと使いにくい&(筆者の想像で)12日程度の工数がかかりそうな新機能を、わかりやすい使い勝手かつ、半分程度の工数で済ませられるものをエンジニア側から提示して、それをPMに快諾してもらったりと、効果が出始めています。

顧客インタビューへの同行

BtoBのサービスにはお客様の声(事例集)がつきもので、弊社でも例に漏れずお客様の声を掲載しています。

普段はセールスのメンバーがその取材へ伺っているわけですが、今度からエンジニアも同行できるようにしてもらうことができました。

私も経験がありますが、実際にお客様にお会いして話をきくと、このお客様のためになんとかいいものを作りたい、という気持ちが更に高まるものです。

早速エンジニアからも「やりたい」と名乗り出てくれた人もいて、生のお客様の声を聞いたエンジニアはさぞモチベーションが上がるだろうとこれから楽しみにしています。

自分発信でのタスク

12月からの新しい取り組みとして、PMからタスクを振られるだけでなく、エンジニア自身が何をやるのか考えて業務にあたる時間を取るようにしました。

ただ「やりたいこと」ではダメで、「チーム目標、個人目標に紐づいていること」or(andでもいい)「会社のビジネスに貢献できること」という条件つきです。

完全に自由にしないのがポイントで、制約をつけることによって自分で考えるクセをつけることができます。

リファクタリング、それに伴うテストコード、後進の教育などなど、いろんな「やりたいこと」があがってきました。

どんな効果が出るのか、来月振り返るのが楽しみです。

さいごに

まだまだ試行錯誤の最中で、すぐに結果が出るものもあれば、じっくり機が熟すのを待つ必要があるものもあります。

また次の機会に、弊社のエンジニアチームがどのように進化を遂げたのか、1人1人が主役になれたのかをお話できればと思っています。

その発表の場が、EMConf JP 2026だったら最高ですね!(EMConf JP 2025はプロポーザル出しましたが、27倍の高い壁に跳ね返されました⋯)

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