macOSでDocker Engineを動かすには?
Docker Engineは、Linux固有の機能(namespace、cgroups、capabilitiesなど)に依存しているため、Linuxカーネル上でしか動作しません。そのため、macOS上では直接動かすことができず、工夫が必要です。
macOSでDocker Engineを動作させるには、Linux仮想マシン(VM)を起動し、その上でDocker Engineを動かす必要があります。
代表的なツールとしては Docker Desktop for Mac があり、これを使えば簡単にLinux VMを立ち上げてDockerを利用できます。ただし、大企業(従業員251人以上、または年間収入1,000万米ドル以上)での商用利用には有料サブスクリプション契約が必要となるため、少し使いづらい面があります。
そこで、商用でも無料で使える選択肢として注目されているのが Lima(Linux on macOS) です。Limaをベースに軽量なLinux VMを起動し、Docker Engineを動作させることができるツールが Colima です。
今回は、業務で使用している(少し古めの)MacにColimaをインストールしたので、その手順を整理しておきます。
インストール環境
今回Colimaをインストールした端末は以下の通りです。
Intel Macのため、Apple Silicon搭載Macでは手順が異なる可能性がありますのでご注意ください。

Homebrewのインストール
パッケージマネージャとして Homebrew を使用します。未インストールの場合は以下のコマンドでインストールしてください。
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
インストール後、パスの設定を行います。
$ echo >> ~/.zprofile
$ echo 'eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
$ eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"
正常にインストールできたか確認しておきましょう。
$ brew -v
Homebrew 4.6.13
Docker CLI のインストール
続いて、Docker CLI、Docker Compose CLI をインストールします。
$ brew install docker docker-compose
正常にインストールできたか確認しておきましょう。
docker -v
Docker version 28.4.0, build d8eb465f86
docker-compose -v
Docker Compose version 2.39.4
Colima のインストール
今回のメインである Collima をインストールします。
$ brew install colima
正常にインストールできたか確認しておきましょう。
$ colima --version
colima version 0.8.4
Colimaを起動してみる
では、Docker Engine が動作するか確認するため、Colima を起動してみましょう。
Colima の起動は下記コマンドで行えます。
// CPUコア4コア、メモリ8GB、ディスク100GBを割り当て
$ colima start --cpu 4 --memory 8 --disk 100
起動後、ステータスを確認するには下記コマンドを実行します。
$ colima status
INFO[0004] colima is running using macOS Virtualization.Framework
INFO[0004] arch: x86_64
INFO[0004] runtime: docker
INFO[0004] mountType: virtiofs
INFO[0004] docker socket: unix:///Users/xxx/.colima/default/docker.sock
INFO[0004] containerd socket: unix:///Users/xxx/.colima/default/containerd.sock
起動すると下記設定ファイルが作成されます。
~/.colima/default/colima.yaml
試しに Nginx のイメージからコンテナを起動しています。
$ docker run -d -p 8080:80 nginx
コンテナがが正常に起動し localhost:8080 にアクセスすることができました。
コンテナイメージやコンテナの一覧も正常に確認できます。
$ docker image ls
REPOSITORY TAG IMAGE ID CREATED SIZE
nginx latest d5f28ef21aab 5 weeks ago 279MB
$ docker container ls
CONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMES
40a4d1e5716b nginx "/docker-entrypoint.…" 3 minutes ago Up 3 minutes 0.0.0.0:8080->80/tcp, [::]:8080->80/tcp friendly_boyd
これで、Colima を使ってmacOS 上で正常にDocker Engine を起動させることができました。
Colima の自動起動設定
最後に、毎回、システム起動後に colima start
コマンドを実行するのは面倒なので、システム起動したら自動でColima が起動されるように設定しておきましょう。
Homebrew に Cloimaサービスを自動起動してくれるように登録することで、システム起動時に Colima を起動させることができます。
$ brew services start colima
以上です。